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私はこれまで27年以上、学習塾の現場で大学受験生や高校生の英語指導に携わってきました。

教室長として多くの生徒と向き合う中で、特に英文法でつまずく生徒を数多く見てきました。

「英文法って、どうすれば効率よく覚えられるんだろう…」

その悩み、非常によく分かります。

がむしゃらに問題を解いても、なかなか成績に結びつかない。でも安心してください。

正しい勉強法と、ちょっとしたコツさえ知っていれば、英文法はあなたの英語力を飛躍させる最強の武器になります。

この記事では、私が27年間で培った経験とノウハウをもとに、英文法を最短で習得し、志望校合格につなげるための具体的な方法を全てお伝えします。

結論からお伝えします。英文法を効率よく、確実に覚えるための秘訣は、「なぜそうなるのか」を理解すること。

そして、

「インプット（理解）→アウトプット（定着）→実践（演習）」という3つのステップで学習を進めることです。

このシンプルな3ステップを実践すれば、あなたの英語力は必ず変わります。

大学受験英語は英文法の勉強が全ての土台

長文読解・英作文・リスニングの基礎になる理由

英文法は、英語の4技能すべてに直結しています。

【長文読解】

一文が長く複雑になる大学受験の長文では、単語の意味を繋ぎ合わせるだけでは太刀打ちできません。文の構造（SVOC）を正確に把握する英文法の力があって初めて、内容を正しくスピーディーに読み解くことができます。

【英作文】

自分の考えを英語で表現する英作文では、正しい文法ルールに則って文を組み立てる能力が不可欠です。文法ミスが多ければ、意図が伝わらないだけでなく、大幅な減点に繋がってしまいます。

【リスニング】

聞き取った音声を意味のある塊として理解するためには、次にどんな形の言葉が来るかを予測する文法力が必要です。文の構造が頭に入っていれば、音声の流れにスムーズについていくことができます。

参考記事：大学受験で必要な英語のレベルについて解説！大学入試の英語を攻略

まず固めるべき頻出分野と学習の優先順位

英文法は範囲が広いですが、大学受験では特に出題されやすい頻出分野があります。

効率的に学習を進めるために、以下の優先順位で取り組むのがおすすめです。

【最優先】文の骨格をなす分野

【優先】読解・作文で差がつく分野

英文法を効率よく覚える最強の3ステップ

がむしゃらに問題集を解くだけでは、英文法は身につきません。

以下の3ステップで、効率的に学習を進めましょう。

ステップ1：講義系参考書で「なぜ？」を理解するインプット学習

最初のステップは、各単元の文法ルールを「なぜそうなるのか」という理屈からしっかり理解することです。

読みっぱなしを防ぐために、例文は「音読→日本語で要点を口頭説明→英語で1文だけ自作（1文英作）」までを1セットにします。

私の教室では、1日20文をこの手順で回し、章末に30秒口頭チェック（なぜその答えになるのかを自分の言葉で説明）を必ず入れます。

かつて私が担当した生徒も、丸暗記からこの方法に切り替えたところ、バラバラだった知識がつながり、7日後の確認テストで正答率が60％→84％に改善しました。

わかったつもりを避けるには、「説明できる」まで落とし込むのが近道です。

参考記事：高校1年生の英語の勉強法をこっそり教えます！英語でライバルに差をつける！

ステップ2：網羅系問題集で知識をアウトプットし定着

ルールを理解したら、次は「わかる」を「できる」に変える段階です。

大学受験に必要な文法・語法を網羅した問題集を15日で3周（7→5→3日）回します。

解くときは正解を選ぶだけでなく、「他の選択肢がダメな理由」を10秒で言語化するのがポイントです。

誤答は語法／文型／意味／語順の4タグで分類し、復習の間隔を「翌日・3日・7日・14日」に固定して同タイプ問題で再チェックします。

印を付けた問題は必ず当日中にもう一度解き直し（ミニ追試）、章テストは正答率85〜90％で合格ラインに設定。

アウトプットに時間をかけることで、4週間後の到達度テストが平均＋12点伸びた生徒もいました。

参考記事：大学受験の最低限の単語数！英単語ターゲットは全部覚えてね！

ステップ3：ランダム形式の演習で実践力を養う

単元別の知識が入ったら、仕上げに単元シャッフルのランダム演習で実戦力を作ります。

本番は「どの単元か」を教えてくれないため、問題を見た瞬間に3秒で分野判定（例：関係詞／仮定法／比較など）する練習が不可欠です。

セット運用は15〜30問→直後に解説で修正→同日同セットをもう一度解く（同日リトライ）を固定。

時間も1問20〜30秒を目安に計測します。

週に1回は過去問のミニセットで時間配分を確認。

スピードと見抜く力は、ランダム演習で一気に鍛えられます。

丸暗記しない英文法の効率的な覚え方

「英文法は暗記が多くてつらい…」と感じる人も多いでしょう。

少し工夫するだけで、丸暗記に頼らずに効率的に覚えることができます。

例文の音読と暗唱で使い方を体得する

【1日の手順（10〜15分）】

1.例文を選ぶ（教科書 or 網羅系の例文）→ 5文だけ

2.音読×3回（意味を思い浮かべながら）

3.シャドーイング×3回（音声か自分の音読に重ねる）

4.見ないで復唱（暗唱）×3回／つかえた箇所はすぐ確認

【週の運用】

・月〜金：新規5文／土：全暗唱テスト／日：休養 or 苦手だけ復習

・1か月後＝100〜120文を暗唱リスト化（復習は“忘れかけ”を優先）

【チェック基準】

・1文をノーミスで2回連続言えたら合格

・1文あたり15秒以内で意味も言える

【つまずき対策】

・長文はチャンク（語句の塊）で区切って練習

・どうしても詰まる文は主語〜動詞〜目的語だけで骨格→付け足し

文の構造（SVOC）を常に意識して分解する

【分解の手順（10秒ルール）】

1.動詞Vを先に特定（2語動詞・受動態も含めて）

2.主語Sを見つける（前置詞句や副詞は一旦外す）

3.目的語O／補語Cの有無で文型を判定（第1〜第5）

4.最後に修飾（形容詞句・関係詞節・副詞句）を戻す

【マーク例（紙面での合図）】

・S＝○、V＝二重下線、O＝□、C＝波線、修飾＝［ ］

例：［S Many students ］ V find O grammar C difficult.

【よくあるミス】

・前置詞句（in the morning など）をSと誤認

・C（補語）をO（目的語）と混同

【チェック基準】

・任意の1文を10秒でSVOC判定＋「なぜそう言えるか」を一言で説明

【練習メニュー】

・毎日5文だけSVOCマーキング→1文英作で逆方向も確認

図やイラストでイメージ化して記憶する

【前置詞のイメージ（カード化がおすすめ）】

・in＝内部・囲まれた空間（in a box, in Tokyo）

・on＝接触・面に乗る（on the table, on the wall）

・at＝点・位置決め（at the door, at 7）

・例文と簡単な絵（四角の中＝in／上に点＝on／一点＝at）をセットで暗記

【時制は時間軸で可視化】

・現在完了：今までの継続／経験／完了を今に結ぶ矢印

・過去完了：過去のある時点より前への逆矢印（Before点を描く）

・練習：出来事を線上に置いて日本語→英語を即変換

【チェック基準】

・前置詞の使い分けを1語1秒で答える

・時制の選択理由を10秒で説明（時間語の根拠を添える）

【作り方のコツ】

・A6カードに「図・例文・日本語1行」を縦3分割

・色分け：空間＝青／時間＝緑／強調＝太字で視認性UP

使い方のまとめ（今日からの行動）

合計25〜30分で、音（再現）×構造（理解）×イメージ（直感）を同時に鍛えられます。

大学受験：レベル別おすすめ英文法参考書・問題集

ここでは、多くの受験生から支持されている定番の参考書・問題集をレベル別に紹介します。

基礎固め向け「大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】」

英文法に苦手意識がある人や、基礎からやり直したい人に最適な一冊です。

まるで予備校の授業を受けているかのような、非常に分かりやすい講義形式で書かれています。

【特徴】

中学レベルから高校の基礎的な内容までを、難しい文法用語を避けて丁寧に解説しています。英文法を「なぜそうなるのか」という根本から理解できるため、丸暗記ではない本質的な力が身につきます。

【こんな人におすすめ】

・英語がとにかく苦手な人

・中学レベルの復習から始めたい人

・本格的な受験勉強の前に土台を固めたい高校2年生

参考記事：【超入門】大岩のいちばんはじめの英文法の使い方は？レベルを解説！

網羅系参考書「Next Stage」「Vintage」「Scramble」

大学受験英文法のインプット用参考書として、多くの高校で採用されているのが「Next Stage（ネクステージ）」「英文法・語法 Vintage（ヴィンテージ）」「Scramble（スクランブル）」です。

どれも優れた参考書ですが、特徴が異なるため、自分に合ったものを選びましょう。

どれを選ぶか迷ったら、一度書店で両方を見比べてみて、解説の詳しさやレイアウトが自分にとって分かりやすい方を選ぶと良いでしょう。

参考書の買い方について知りたい方、大学受験のための参考書を買いすぎないためのポイントをアドバイス

英文法実践演習向け問題集

次の一冊は、目的別にこの中から選べばOKです。

どれも「Next Stage／Vintage／Scramble」を回し終えた後の“仕上げ・底上げ”に向いています。

1) 本番形式で仕上げ（時間感覚まで鍛える）

『全解説 実力判定 英文法ファイナル問題集［標準編／難関大編］』（桐原書店）

単元シャッフルのテスト形式。1セット15分＋直し5分→同日リトライがしやすい構成。標準／難関で負荷を選べます。

こう使う：15日で3周（7→5→3日）。1問20〜30秒、理由を10秒で口頭説明。

2) 語法・正誤まで徹底網羅（穴を潰す）

『全解説 頻出英文法・語法問題1000［増補改訂版］』（桐原書店）

4択中心＋正誤指摘も入り、難関対策の弱点潰しに最適。仕上げ前の“重めの総点検”として有効です。

こう使う：毎日30〜40問→誤答は語法／文型／意味／語順でタグ付け→翌日・3・7・14日で再チェック。

3) 段階別のファイナル演習（GMARCH〜国公立まで）

『関正生の 英文法ポラリス〈ファイナル演習〉［1 標準／2 応用］』（KADOKAWA）

レベル段階が明確で、「理由の言語化」を促す解説が強み。共テ〜中堅私大→標準、GMARCH・関関同立・国公立→応用が目安。

こう使う：1回分＝20〜25分で“本番モード”。週2〜3回、過去問ミニセットと組み合わせる。

4) 難問で“理由の精度”を上げる（伝統問題集）

『英文法標準問題精講』（旺文社）

古典的名著。難度は高めですが、不正解の背景まで丁寧に詰めたい人向け。難関大の仕上げに少量併用が◎。

こう使う：1日2〜3題を精読→口頭で根拠説明。量より質で。

英文法の学び方｜独学か、塾・予備校か？

英文法を学ぶ方法は、大きく分けて独学と塾・予備校に通う2つがあります。

どちらにもメリット・デメリットがありますので、ご自身のタイプに合わせて選ぶことが大切です。

【独学】自分のペースで進めたい人

【メリット】

・自分の好きな時間に好きなだけ勉強できる

・費用が安く済む

【デメリット】

・疑問点をすぐに質問できない

・自分のレベルに合った教材選びが難しい

・計画を立てるのが苦手だと挫折しやすい

【塾・予備校】プロの力で効率的に学びたい人

塾は、生徒の学力や志望校に合わせて、最適な学習ルートや教材を提示してくれます。

【大手予備校（河合塾、駿台、東進など）】

映像授業や集団授業が中心で、質の高い講師による解説を多くの生徒が受けることができます。トップレベルの授業を受けたい人や、競争環境でモチベーションを高めたい人に向いています。

【個別指導塾】

マンツーマン指導が特徴で、生徒一人ひとりの苦手分野をピンポイントで教えてもらえます。自分のペースでじっくりと学習したい人、集団授業についていけない人に向いています。

【オンラインコーチング塾】

授業は行わず、自学自習の徹底管理に特化しています。独学では継続できない人や、効率的な勉強法を知りたい人に向いています。

大切なのは、「自分にとって最も効率よく成績が上がる環境」 を見つけることです。

大学受験【よくある質問】英文法の勉強法Q&A

英文法の勉強に関するよくある質問を紹介します。

Q1：英文法の勉強はいつから始めるべきですか？

A：結論から言うと、「早ければ早いほど良い」 です。

理想は高校1年生のうちに、高校で習う英文法の基礎を一通り終えてしまうこと。

早く基礎を固めることで、高校2年生からは応用問題や演習に時間を割けるようになり、受験本番に向けて圧倒的な余裕が生まれます。

もし高校3年生になってから始める場合でも、まずはこのブログで紹介した3ステップを参考に、基礎のインプットから始めてください。

諦める必要は全くありません。

Q2：英文法がどうしても覚えられません。どうすればいいですか？

A：ただひたすら暗記しようとするのではなく、「音」と「イメージ」を使って五感で覚えることを試してみてください。

例文の音読・暗唱: 文法ルールが使われている例文を何度も声に出して読み、体で覚えましょう。

耳から入る情報も加わるため、記憶に残りやすくなります。

・イラスト・図でイメージ化：特に前置詞や時制などは、言葉で理解するより図で覚える方がはるかに効率的です。ノートに簡単なイラストを描いてみましょう。

・「なぜ？」を考える：答えを覚えるのではなく、「なぜこの文法が使われるのか」という理由を理解する癖をつけましょう。理屈が分かれば、忘れにくくなりますし、応用も効くようになります。

Q3：文法は完璧なのに、長文が読めないのはなぜですか？

A：文法知識を「長文を読むためのツール」として使いこなせていない可能性が高いです。

文法問題が解けることと、文の構造を正確に把握できることは別物だからです。

この課題を解決するためには、「英文解釈」 のトレーニングが非常に有効です。

英文解釈とは、一文一文の骨格（SVOC）や修飾関係を丁寧に分析する学習法です。

文法参考書で学んだ知識を、実際の長文の中でどう使われているか確認しながら、一文ずつ構造を分析する練習をしてみてください。

これを繰り返せば、どんなに複雑な長文でも正確に内容を読み取れるようになります。

Q4：おすすめの英文法アプリはありますか？

A：アプリは手軽に学習できる便利なツールですが、あくまで「補助」として活用することをおすすめします。

特におすすめなのは、「スタディサプリ」 や 「mikan」 といった映像授業や問題演習がセットになったサービスです。

これらはプロの講師による解説動画を見ながら学習できるため、独学でつまずきやすい「なぜ？」の部分をクリアにするのに役立ちます。

単語や文法のクイズ形式アプリも、通学時間などのスキマ時間を活用して知識の定着を図るのに非常に効果的です。

まとめ：【大学受験】英文法の最強勉強法！高校生向け英語文法の覚え方と参考書を解説

この記事では、大学受験生が英文法を効率よく習得するための勉強法と覚え方を解説しました。

最後に、重要なポイントを改めて振り返りましょう。

【大学受験】英文法の最強勉強法！高校生向け英語文法の覚え方と参考書を解説

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