大学受験の参考書は何冊から買いすぎ?判断基準と整理方法

大学受験の参考書は何冊から買いすぎ?判断基準と整理方法

※この記事には一部PRが含まれます。

大学受験の参考書に、「何冊から買いすぎ」という一律の基準はありません。

分かれ目になるのは、同じ役割の教材が重なっていないか、今の学力で解ける難易度か、入試までに復習まで終えられるかの3点です。

参考書が増えるのは、合格に向けて真剣に悩んでいる表れでもあります。

整理しないままだと、机に向かっても何を開くかで迷う時間が増えます。

私は教室長時代、参考書が増えて学習が止まった生徒の教材整理に携わりました。

この記事では、そのとき使っていた手順を軸に、買いすぎの判断基準、整理の方法、買い足す前の確認点を説明します。

すでに何冊も買った人は、手持ちの参考書を役割別に分けるところから始めてください。

記事のポイント

参考書は何冊から買いすぎになる?

買いすぎか判断する3つの基準

買いすぎた参考書を整理する方法

参考書を買い足す前に確認すること

大学受験の参考書は何冊から買いすぎ?3つの基準で判断

参考書の役割の重複、現在の理解度、入試までの残り時間から、教材が多すぎないかを確認する図解

買いすぎかどうかは、所有冊数ではなく、教材の使われ方で決まります。

冊数が参考にならない理由、確認する3つの基準、3冊でも買いすぎになる例と10冊でも必要な例を順に見ます。

参考書の冊数だけでは買いすぎと判断できない

目安になる数字として、学研教育総合研究所「高校生白書Web版」(2018年9月調査)があります。

高校生が1年間に買う学習参考書・問題集の平均は、全体で2.2冊、高校3年生で2.6冊でした。

「ほとんど買わない」と答えた生徒も45.8%いました。

これは2018年当時の高校生全体の数字です。

大学受験をしない生徒や、学校配布の教材だけで過ごす生徒も含まれます。

受験科目の数や志望校によっても、必要な教材は変わります。

平均は、受験生の適正な冊数を示すものではありません。

2.6冊を超えたから買いすぎ、平均より少ないから安心、とは言えません。

冊数は参考程度にとどめ、次の3つの基準で見るほうが実態に合います。

参考:学研教育総合研究所「高校生白書Web版」

役割の重複・理解度・残り時間の3つを確認する

手持ちの教材を1冊ずつ、次の3つに当てはめて見ます。

この3つは、私が教材整理や追加購入の相談で見ていた点にあたります。

判断基準確認すること見直したい状態
① 役割の重複同じ学習目的・難易度の参考書が複数ないか。内容が重なる問題集を並行し、どれも途中で止まっている。
② 現在の理解度解説を理解でき、学習した問題を自力で解き直せるか。難しすぎて解説を読んでも理解できず、学習が進まない。
③ 残り時間入試までに必要な範囲を学び、間違えた問題を復習できるか。教材を増やすと復習や過去問演習の時間が足りなくなる。

引っかかる教材が増えるほど、冊数に関係なく買いすぎの状態に近づきます。

3つとも問題がない教材なら、複数冊あっても必ずしも買いすぎとはいえません。

答えは時期によっても変わります。

入試まで時間があるうちは問題のなかった教材が、直前期には残り時間の点で引っかかることもあります。

3冊でも買いすぎ、10冊でも必要な場合がある

同じ3冊でも、中身によって意味は変わります。

例えば英語には、『ターゲット1900』のような単語帳、文法問題集、英文解釈の教材、長文問題集と、目的の違う教材があります。

複数教科を受ける受験生が、合計10冊を持っていても不自然ではありません。

反対に、役割が重なっていれば、3冊でも消化不良になります。

役割の重複・進み具合・復習の余地の3つの観点で、仮想例を比べます。

実在の生徒の事例ではありません。

観点3冊でも買いすぎになる例(仮想例)10冊でも適切な例(仮想例)
教材の内訳同じレベルの英文法問題集を3冊並行している英語5冊・数学5冊など、複数教科で合計10冊を使用する計画がある
役割の重複学習範囲と難易度がほぼ同じで、内容が重複している単語・文法・読解・講義・演習など、教材ごとの役割が明確になっている
進み具合どの教材も序盤で止まり、間違えた問題の解き直しができていない優先順位を決め、現在使う教材を計画的に進めている
復習と残り時間新しい問題を進めることが中心になり、復習時間が不足している入試までの計画に復習時間を確保し、無理なく学習を進められる
判断買いすぎの可能性が高いため、重複する教材から主教材を1冊決める必ずしも買いすぎではないため、役割分担と学習計画を維持する

手持ちの教材がどちらの列に近いかを見れば、整理が必要かどうかの見当がつきます。

参考書を買いすぎると良くない3つの理由

参考書を買い集めたものの、学習の優先順位が決まらず、積み上がった教材を前に悩む受験生のイラスト

買いすぎが問題になるのは、冊数の多さそのものではなく、勉強が止まりやすくなるからです。

不安と購入のつながり、中途半端になる流れ、復習と計画の負担の3点で整理します。

買っただけで満足して勉強が進まなくなる

模試の結果が返ってきた直後は、新しい参考書を探したくなる時期です。

教室長時代には、高校2年生の後半や模試の後に、SNSで評判の参考書を買う生徒を指導しました。

背景にあったのは、教材をそろえて受験への不安を和らげたい気持ちです。

購入した時点で不安がいったん軽くなると、その先の勉強には気持ちが向きにくくなります。

購入した冊数を責めても、不安の原因は解決しません。

見直したいのは、買った教材にどこまで取り組めているかです。

不安を購入で解消する流れが続くことが、買いすぎの入口になります。

どの参考書も中途半端になり知識が定着しにくい

新しい参考書を始めたはずなのに、気づくと別の本を開いている。

これも買いすぎの典型です。

私が指導した生徒には、最初の2〜3章だけ取り組んで別の教材に移るパターンがありました。

この進め方では、どの教材でも序盤の単元にばかり触れることになり、後半の単元や総合的な演習に届きません。

同じ範囲の入口を何冊分も始めても、苦手な単元は手つかずのまま残ります。

教材ごとに解説の切り口が違うため、前の本で覚えた内容が整理されないまま混ざる点も見逃せません。

1冊を解き切る前に次へ進むほど、解き直しの機会は減ります。

定着しにくいのは意志の弱さではなく、1冊に使える時間と注意が分散するためです。

教材が増えるほど復習と学習計画が複雑になる

教材が増えると、1冊ごとの進み具合と復習の予定を同時に管理することになります。

仮の試算をします。

1冊に250問あり、1問につき、解く・解説を読む・間違いを復習するまでで20分かかるとすると、1冊で約83時間です(250問×20分÷60分)。

1日2時間なら、1周に約42日かかります。

実際の数字は教材や人によって変わります。

実際に必要な時間は参考書の内容や問題数によって異なりますが、新しい教材を増やす場合は、その分の学習時間と復習時間を確保する必要があります。

教材が複数あれば、解き直しの予定もその分増えます。

復習のタイミングがそろわず、前に解いた問題を忘れたまま次へ進みやすくなります。

計画を立て直すだけで勉強時間が削られる日も出てきます。

参考書を買いすぎたときの整理方法3ステップ

手持ちの参考書を役割別に分け、優先する教材を決め、難しすぎる本を一時保管するまでの手順を示す図解

買いすぎてしまった場合は、捨てる前に、役割で分けて主教材を決めるところから始めます。

私が教室長時代に使っていた整理の手順を、3ステップで紹介します。処分を急ぐ必要はありません。

ステップ1|参考書を講義・演習・暗記の役割別に分ける

最初に、手持ちの参考書を机の上にすべて並べ、役割ごとに3つの山に分けます。

教室長時代には、生徒にこの作業をしてもらうところから始めていました。

役割は次の3つです。

役割主な目的教材のタイプ分けるときの着眼点
講義・網羅系学習内容の仕組みや考え方、基本的な解法を理解する講義形式の参考書、解説中心の網羅型教材解説を読み、知識や解法を理解することが主な目的か
問題演習系学んだ知識を使って問題を解き、理解度や解答力を確かめる問題集、演習用ワーク、過去問集自分で問題を解き、間違えた問題を復習することが中心か
単語・暗記系単語や用語、公式などを覚え、必要なときに思い出せるようにする英単語帳、古文単語帳、用語集、公式集知識を覚え、繰り返し確認することが主な目的か

役割別に分類すると、内容が重複している教材を確認しやすくなります。

例えば、問題演習系に同じ範囲の問題集が3冊あれば、学習内容が重複している可能性があります。

分類に迷う参考書は、解説と問題のどちらが中心になっているかで判断します。

同じ種類に分類した教材でも、学習目的が異なる場合は、無理に減らす必要はありません。

教材の種類ごとの冊数も確認しましょう。

問題演習系の教材が多い場合は、問題を解くために必要な知識の理解や暗記が十分にできているかも確認してください。

ステップ2|重複する教材から優先する1冊を決める

同じ目的の参考書が複数ある場合は、今の学習で優先する1冊を決めます。

私が教室長時代に重視していたのは、次の2つの基準です。

判断基準確認すること選ぶときのポイント
解説の分かりやすさ解説を読んで内容を理解でき、解き方や考え方に納得できるか間違えた問題の理由を確認しやすく、自分で復習を進められる教材を優先する
学習の進み具合これまでにどの範囲まで取り組み、理解しながら学習を進められているかすでに学習が進んでいて、復習しながら無理なく継続できる教材を優先する

例えば、同じ範囲の英文法問題集が2冊あり、一方は解説が分かりやすく、すでに半分まで進んでいるなら、その参考書を優先する候補にします。

大切なのは、評判や新しさではなく、今の自分に合っていて、学習を続けやすい参考書を選ぶことです。

選ばなかった参考書も、すぐに処分する必要はありません。

次のステップで難易度を確認し、今は使わないと判断した教材を一時保管します。

優先する1冊を決めておけば、毎日の学習でどの参考書を使うか迷う時間を減らせます。

ステップ3|実際に解いて難易度を確認し一時保管する

主教材が決まったら、実際に問題を解いて、難易度が今の学力に合っているかを確かめます。

手順は次のとおりです。

確認項目具体的な方法判断後の対応
① 問題を解く現在取り組んでいる範囲から問題を選び、解説を見ずに自力で解く。正解・不正解だけでなく、どの問題でつまずいたかを確認する。
② 理解度を確認する間違えた問題の解説を読み、内容を理解できるか、解説を閉じて解き直せるかを確かめる。理解できる場合は復習を続け、解説を読んでも分からない場合は基礎に戻る。
③ 難しい教材を一時保管する現在の学力では理解や演習が難しく、学習が進まない教材かどうかを判断する。今は使わない教材を箱や本棚の奥に保管し、基礎を固めてから必要に応じて再開する。

教室長時代には、手持ちの問題集を実際に解いてもらい、自力での正答率が5割を下回る教材を、いったん使用対象から外すことがありました。

私が指導の中で使っていた目安の一つです。

少数の問題の正答率だけで、教材の適否が決まるわけではありません。

選んだ問題の難易度や単元によっても、結果は変わります。

整理した後に見るのは、成績の数字ではなく日々の行動です。

教材を絞った生徒には、自習を始めるまでの迷いが減り、間違えた問題の復習が丁寧になる様子が見られました。

教材を減らしただけで成績が上がるわけではありません。

絞った1冊をどこまで自力で解ける状態にできるかが、定着の分かれ目になります。

どの参考書を優先すべきか迷っていませんか?

STRUXでは、現在の学力と志望校に合わせた参考書選びや学習計画を相談できます。

参考書は1冊に絞るべき?複数冊を使ってよい場合

同じ目的の教材を1冊に絞る場合と、理解用・演習用など役割の異なる教材を併用する場合の比較図

同じ目的の教材は主教材に絞り、役割が違う教材は併用してかまいません。

この線引きを、向いている人と向いていない人の違いとあわせて整理します。

1冊に絞ること自体は目的ではありません。

同じ目的の参考書を何冊も並行する必要はない

「1冊を完璧に」という考え方は、半分は当たっています。

内容も難易度も重なる教材を並行すると、学習内容が重複して、復習の時間が足りなくなりやすいからです。

大切なのは、本を減らすことより、1冊に使う時間を確保することです。

次のような状態が重なっているなら、主教材を1冊に決めて、ほかの教材はいったん使わずに保管することを私は勧めます。

チェック項目具体的な状態見直すポイント
① 同じ目的の教材が複数ある同じレベルの英文法問題集や数学の網羅系教材を複数持ち、並行して使っている。内容や役割の重複を確認し、優先する主教材を1冊決める。
② どの教材も途中で止まっている未着手の参考書が多い、または序盤だけ取り組んで別の教材に移っている。現在の学力に合う教材を選び、学習する範囲と順番を決める。
③ 不安から新しい教材を購入している模試の結果やSNSの評判が気になり、今の教材を終える前に買い足している。今の教材で不足している内容を確認し、追加購入が必要か判断する。
④ 間違えた問題を復習していない問題を解いた後に解き直さず、新しい問題や別の参考書に進んでいる。新しい教材を増やす前に、間違えた問題を自力で解けるか確認する。

当てはまる項目が多いほど、前の章の整理方法を優先する段階です。

減らすこと自体が目的ではありません。

役割が違う教材まで手放すと、別の不足が生まれます。

同じ目的の教材でも、解説の仕方が違い、理解の助けになる場合はあります。

その場合は、主教材を決めたうえで、補助として使う位置づけにします。

講義系と問題集など役割が違えば併用できる

講義系の参考書と問題集は、役割が異なり、学習と復習の時間を確保できる場合には、併用しても買いすぎとは限りません。

私も、理解を深める講義系の教材と、解く練習のための問題集を併用するよう指導したことがあります。

問題集で分からなかった内容を講義系で確認し、同じ範囲を問題集で解き直す流れです。

どちらが理解用でどちらが演習用かを、自分の言葉で説明できることが前提になります。

併用するときは、次の点を見ます。

確認項目具体的な状態判断のポイント
① 教材の役割講義系参考書で考え方を理解し、問題集で学んだ知識を使って演習している。2冊の学習目的が異なり、それぞれ必要な役割を果たしているか確認する。
② 学習の進め方問題集で分からなかった内容を講義系参考書で確認し、理解してから解き直している。教材を行き来する目的が明確で、理解と演習につながっているか確認する。
③ 復習時間2冊を使いながら、間違えた問題の解き直しや理解が不十分な範囲の復習もできている。入試までの学習計画に無理がなく、復習時間を確保できるか確認する。

講義系の参考書は、問題集を仕上げる前の理解不足を補うためにも使えます。

どちらの本も途中で止まっている場合は、先に主教材を1冊に決める段階に戻ります。

網羅系教材と弱点補強用の問題集は組み合わせられる

もう1つの併用は、全体を学ぶ教材を軸にしながら、弱点の補強用に別の問題集を足す形です。

私は、全体の学習を続けたまま、特定の単元だけを補強する併用を指導したことがあります。

例えば、模試や過去問で、数学の確率や数列、化学の有機化学のように、失点した単元が特定できた場合です。

このときは軸の教材をそのまま進め、弱点の単元だけを扱う問題集を一時的に足します。

向いているのは、軸の教材を自力で進められていて、失点した単元を具体的に挙げられる人です。

買う前に、補強したい単元を言葉にできていることがポイントになります。

「なんとなく不安」だけでは、補強ではなく買い足しです。

弱点が片づいたら、その問題集は一時保管に回し、軸の教材に戻ります。

新しい参考書を買い足す前に確認する3つのこと

新しい参考書の購入前に、今の教材の仕上がり、補いたい弱点、入試までの残り時間を確認する図解

新しい参考書を買う前に3つの点を確かめれば、不安による買い足しと、本当に必要な追加を分けられます。

私が追加購入の相談で確認していた、仕上がり・目的・残り時間の順に見ます。

今の参考書を解説なしで解けるようになったか

買い足す前の最初の関門は、今使っている教材を解説なしで解けるかどうかです。

見るのは周回数ではなく、初見で間違えた問題を、解説を読まずに解き直せるかです。

解く理由まで自分の言葉で説明できれば、仕上がりはかなり進んでいると言えます。

途中で止まっている本があるなら、新しい本の前に、そこへ戻るのが先です。

今の1冊が使えていない状態で別の本を足しても、同じ場所で止まりやすくなります。

仕上がりの確認に時間はかかりません。

主教材から数問を選び、解説なしで解いてみれば分かります。

見るのは例題や基本問題で足り、難問まで解ける必要はありません。

新しい参考書で補いたい弱点が明確になっているか

買い足す理由を、一文で言えるでしょうか。

「模試で失点した確率の単元を補いたい」と言えるなら、目的がはっきりしています。

「なんとなく不安だから」なら、不安を和らげるための購入かもしれません。

過去問を解いて、手持ちの参考書に似た問題が見当たらず、教材が足りないと感じることもあります。

インターネット上の相談投稿にも、青チャートやターゲットに絞って勉強していても、志望校の過去問に似た問題が見つからず不安になる、という悩みがあります。

入試問題は教材の例題と同じ形で出るとは限りません。

見た目が違うことと、教材が足りないことは別の話です。

私なら、解けなかった理由を次の3つに分けて見ます。

不足している内容具体的な状態見直すポイント
① 基礎知識の理解・定着参考書の例題でも、解説を見なければ解き方を再現できない。新しい教材を増やす前に、今の参考書で基本事項を確認し、例題を自力で解き直す。
② 知識を使う演習基本事項は理解しているが、初めて見る問題に知識や解法を当てはめる練習が不足している。手持ちの問題集で応用・初見問題を練習できるか確認し、不足する場合は演習教材の追加を検討する。
③ 志望校の出題形式への対応記述式の解答など、志望校の過去問に見られる形式への対応が十分にできていない。過去問で必要な対策を確認し、手持ちの教材で補えない部分がある場合に追加教材を検討する。

1つ目なら、今の教材の復習が先です。

2つ目なら、手持ちの問題や過去問の解き直しで足りるかを試します。

3つ目のように、教材に載っていない形式の不足がはっきりしたときに、初めて追加の教材を考えます。

▶大学入試センター「過去3年分の試験問題」

入試までに学習と復習を終える時間があるか

時間の確認は、買う前にできる計算です。

仮に、新しい1冊を1周するのに約6週間、解き直しまで含めて約2か月かかるとします。

入試まで3か月なら、その1冊を終えた時点で残る期間は約1か月で、過去問演習に使える時間は大きく削られます。

私なら、過去問演習に使う期間を先に押さえ、そこから逆算して、新しい教材を足す余地があるかを見ます。

時間が足りないときは、新しい本を足さずに、手持ちの教材のうち失点に直結する単元だけを解き直す選択もあります。

買う前の最終チェックとして、次の3つに答えてみてください。

確認項目具体的な確認方法判断のポイント
① 主教材の仕上がり今使っている参考書で、以前間違えた問題を解説なしで解き直せるか確認する。解けない問題が多い場合は、新しい教材を増やす前に現在の参考書を復習する。
② 購入する目的「模試で失点した単元を補強する」など、追加する理由を具体的に説明できるか確認する。手持ちの教材では補えない弱点が明確になっている場合に、追加購入を検討する。
③ 入試までの残り時間新しい参考書の学習と復習に必要な時間を見積もり、過去問演習の期間も確保できるか確認する。復習や過去問演習の時間が不足する場合は、追加購入より今の教材の活用を優先する。

3つともはいと答えられるなら、追加購入は不安ではなく必要から生まれていると考えられます。

1つでも迷うなら、購入を後回しにして、手持ちの教材に戻って構いません。

参考書の買いすぎに関するQ&A

参考書を何周すべきか、志望校に対応できるか、使わない教材をどうするかについて考える高校生のイラスト

ここまでで扱っていない疑問のうち、迷いやすい3つに、結論から答えます。

周回数、志望校の入試への対応、買いすぎた参考書の扱いの順です。

いずれも冊数ではなく、状態で判断する点は変わりません。

Q. 参考書は何周したら次の1冊に進めますか?

A. 周回数に一律の基準はありません。

間違えた問題を解説なしで自力で解き直せるかで判断します。

私が指導していた中でも、2〜3周を一つの区切りの目安にすることはありました。

本質は回転数ではなく到達度です。1周で解き直せる状態になったなら、次へ進んで構いません。

何周しても解けない問題が残るなら、完了とは言えません。

教材の種類でも回し方は変わります。

単語帳のように短時間で何周も回す教材と、1問にじっくり取り組む問題集では、同じ周回数でも意味が違います。

Q. 今の参考書だけで志望校の入試に対応できますか?

A. 教材名では決まりません。

志望校の出題範囲と難易度に対して、手持ちの教材の到達度がどこまで届いているかで決まります。

大学・学部・年度で出題は変わるため、足りる、足りないは一律には言えません。

志望校の過去問を見て、問われる内容が手持ちの教材の範囲に入っているか、その範囲を自力で解けるかを並べて比べます。

私は、標準的な問題を取りこぼさず得点できるかを重視します。

範囲に入っているのに解けないなら、不足しているのは教材ではなく到達度です。

範囲そのものが欠けているときに、追加を考えます。

▶大学入試センター「令和9年度試験」

Q. 買いすぎた参考書は捨てたほうがよいですか?

A. 急いで捨てる必要はありません。

今使わない参考書は、箱などにしまって、机から見えない場所に一時保管します。

処分に抵抗があると、整理そのものが止まりやすくなります。「今は使わない」と決めて視界から外すだけで、主教材に向き合う環境は整います。

主教材を終えて時間が残ったときに、保管した中から必要な本を選び直せます。

売却や処分は、受験が終わってからでも遅くありません。

まとめ|大学受験の参考書は冊数より役割・理解度・時間で判断

参考書の役割・理解度・残り時間を確認し、継続使用・一時保管・追加購入を選ぶ判断の流れを示す図解

大学受験の参考書は、冊数ではなく、役割・理解度・時間の3つで、買いすぎかどうかが決まります。

本文の要点、迷ったときの判断基準、次に取る行動を整理します。

記事の重要ポイント

冊数の平均は目安にとどまります。学研教育総合研究所「高校生白書Web版」(2018年9月調査)では、高校生の年間購入冊数は全体で平均2.2冊、高校3年生で2.6冊でした。

当時の高校生全体の数字で、受験生の適正な冊数ではありません。

買いすぎかどうかは、次の3つで判断します。

  • 役割の重複:同じ目的の教材が重なっていないか
  • 現在の理解度:今の学力で自力で解ける難易度か
  • 残り時間:入試までに学習と復習を終えられるか

整理の手順は、役割別に分ける、主教材を決める、解いて確かめて一時保管する、の3ステップです。

同じ目的の教材は主教材に絞り、役割が違う教材は併用できます。

買い足す前には、仕上がり・目的・残り時間の3点に答えます。目的は減らすことではなく、使える状態に戻すことです。

迷ったときの判断基準と次の行動

迷ったときは、手持ちの教材を1冊ずつ、次の3択のどれにあたるかで決めます。

選択肢当てはまる状態次の行動
① 継続する教材の役割が明確で、解説を理解でき、入試までに学習と復習を進められる。今の教材を優先し、間違えた問題を自力で解けるようになるまで復習する。
② 一時保管するほかの教材と学習内容が重複している、または現在の学力では難しすぎて学習が進まない。今は使わない教材を箱や本棚に保管する。すぐに処分せず、必要になったときに見直す。
③ 追加購入する主教材の学習が進み、手持ちの教材では補えない弱点が明確で、追加教材の復習時間も確保できる。不足している単元や演習内容に合う教材を選び、必要な範囲を学習したら主教材の復習も続ける。

今日できる行動は、手持ちの参考書を机に並べて、講義・演習・暗記の3つの山に分けることです。

分け終えた時点で、残す本、しまう本、足す本の見通しが持てます。

判断に迷う教材は、いったん一時保管に回して構いません。

参考書が増えたこと自体を責める必要はありません。

次に何を使うかを決めれば、勉強は再開できます。

入試までの期間が縮まったときや、模試の結果が出たときには、状況が変わります。

そのときは、同じ3択でもう一度見直してください。

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執筆者プロフィール

進路アドバイザー朝倉美緒

※この記事は、大手個別指導塾で27年間、小学生・中学生の学習指導や進路指導に携わってきた「予備校オンラインドットコム」編集長・橘誠一郎が執筆しています。長年の教育現場で培った経験と知見をもとに、記事内容をわかりやすくお伝えしています。

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