MARCH合格に必要な勉強時間は?高1・高2・高3別の目安と始める時期

MARCH合格に必要な勉強時間は?高1・高2・高3別の目安と始める時期

※この記事には一部PRが含まれます。

MARCHに受かるには、結局何時間勉強すればよいのでしょうか。

「3,000時間」などという数字を見て、今から始めて足りるのかと不安になっているかもしれません。

予備校などが公表している数字は、授業を含むものと、参考書の自習だけを数えたものが混ざっています。

約1,100時間から3,150時間まで開きがあります。

1,100時間前後は、ルートを最短で終えた場合の最低値であり、必要時間ではありません。

必要な量は、英語の基礎がどこまで固まっているか、残り期間でどれだけ純自習時間を確保できるかで変わります。

この記事では、公表値の違い、学年別の考え方、自分の勉強時間の決め方、時間が足りないときの見直し方を整理します。

記事のポイント

  • 公表された時間数の違いがわかる
  • 自分に必要な勉強時間の出し方
  • 学年ごとの考え方と夏休みの使い方
  • 時間が足りない時に見直すポイント

MARCH合格に必要な勉強時間は何時間?総時間の目安と前提

MARCH合格に向けた総勉強時間を、現在の学力・受験科目・残り期間の違いから考える図解

公表されている総時間は、提示元によって約1,100時間から3,150時間まで開きがあります。

数字そのものより、何を数えた時間なのかを整理します。

MARCH合格に必要な総勉強時間の目安

予備校や指導機関が公表している時間数を、計測範囲とあわせて並べます。

MARCH合格に関する勉強時間の公表例

※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。

提示元 勉強時間の目安 計測範囲・前提・注意点
興学社学園
東進衛星予備校
2025年公開記事
2,500〜3,000時間
高校3年間で積み上げるモデル
地方国公立大学・MARCHレベルを対象とした目安。 学校の通常授業を除く自習時間に、東進の映像授業・確認テスト・演習などを含む。 現役合格者へのアンケートや独自調査に基づくと説明されているが、調査方法の詳細は確認できない。
武田塾 拝島校
2022年公開記事
文系:1,080〜1,410時間
1.5倍の試算:1,620〜2,115時間
理系:1,290〜1,440時間
1.5倍の試算:1,935〜2,160時間
MARCHレベルまでの参考書ルートを完了するための、科目別所要時間の合計。 基本の数値は順調に進んだ場合の最低値。 途中のつまずきや確認テストなどを考慮し、約1.5倍の時間を見込むとしている。 過去問演習など、受験準備のすべての時間を含む数値ではない。
FAST-UP逆転塾
2025年公開記事
基礎ゼロから:2,100〜3,150時間
偏差値50から:1,400〜2,100時間
早慶GMARCHレベルの難関私立大学などを、3科目で受験する場合の独自試算。 学習開始時の学力によって必要時間を分けている。 最適な学習方法と適切な受験方式を前提とした目安であり、MARCH合格者だけの実測平均ではない。 学校の通常授業を含めるかどうかは明記されていない。

※2026年10月15日確認。各社の数値は対象者・学習開始時点の学力・計測範囲が異なります。統一条件で測定されたMARCH合格者の平均勉強時間ではなく、指定された時間を勉強すれば合格できるという意味でもありません。

数値は各機関の公表資料にもとづく目安です。

公表の年度は資料ごとに異なり、更新される場合があります。平均値でも、合格の保証でもありません。

授業や映像受講を含む数字と、参考書の自習だけの数字が並んでいます。

総時間と1日あたりの時間も、別のものです。

私が数字を見るときは、時間数の大きさより先に、何を数えた時間かを見ます。

2000時間・3000時間で合格できるとは限らない理由

知恵袋には、3,000時間は基礎ができている人の話なのか、基礎が不十分でも当てはまるのか、という趣旨の質問があります。

結論から言うと、時間数を達成しただけでは合否は決まりません。

例えば表の東進衛星予備校の数字は、高1から3年間かけて積み上げた累計です。

高3から始める人が、同じ時間数を1年で積む前提ではありません。

中学〜高校初期の英語に抜けがある場合は、積み上げの前に基礎の立て直しが要ります。

私はこの立て直しに、300〜500時間ほどを見込む目安で考えていました。

受験科目や英語外部検定の利用、残り期間でも、必要量は動きます。

この記事の旧版は「2000時間」を軸にしていました。

しかし私自身に、その数字の根拠や出典はありません。

一律の時間数は現在地で大きくずれると考え、固定の数字を結論にするのをやめました。

生徒から「何時間やれば受かりますか」と聞かれたときも、時間はすぐに答えず、前提を先に尋ねていました。

その3点は、後の章で示します。

勉強時間に学校の授業や定期テスト勉強は含める?

この記事で「勉強時間」と書くときは、学校の授業を除いた純自習時間を指します。

計算に入れる範囲は次のとおりです。

  • 学校の授業・補習:計算に入れない
  • 自習:入れる。自宅・自習室・塾での課題演習が対象
  • 復習・解き直し:自習に含める
  • 定期テスト対策:英数国など受験科目と重なる範囲は含める

この記事で「勉強時間」と数えるのは、授業の外で自分が学習した時間です。

表の数字には、映像授業や確認テストを含むものと、参考書の自習だけのものが混ざっています。

数字同士は単純に並べて比べません。

受験に直結しない範囲の定期テスト勉強まで含めると、受験勉強の量を多く見積もりやすくなります。

MARCHはいつから勉強する?高1・高2・高3別の勉強時間

高校1年から3年までの受験準備を、基礎固め・主要科目の学習・問題演習の段階で示した図

始める時期で残り期間が変わり、同じ時間数でも意味が違ってきます。

学年ごとの考え方を、必要時間ではなく、根拠のある一例で示します。

高1から始める場合|勉強時間と学習習慣の目安

高1の課題は、時間の長さより習慣づけです。

TOSHIN TIMESの調査(2020年受験)では、第一志望校の現役合格者の高1の学校外学習時間は、年間743時間でした。1日あたりに直すと、約2時間です。

合格した生徒の実績であり、高1に必要な時間ではありません。

私が受けていた相談では、高1は勉強習慣の定着と、部活との両立が話題になりました。

部活が忙しい時期は、英単語など短時間で積める作業を毎日続ける形が、現実的な選択肢の一つです。

高2から始める場合|主要科目の勉強時間を確保する

高2は、高3で社会・理科に時間を回すために、英語の土台を先に固める時期です。

武田塾の標準ルートでは、MARCHレベルの英語に約500時間(週6日×1日3時間で約28週)かかる設計です。

高2の冬までに英単語と文法の基礎を終えれば、高3の学習枠に余裕が出ます。

この時期は焦りが出始め、あれもこれもと手を広げがちです。

私なら、主要科目に時間を集中させる配分を勧めます。

高3春から始める場合|現在の学力と残り期間から逆算する

「高3からでも間に合うのか」には、一言で答えられません。

入試まで約300日あります。平日4〜5時間、休日8〜10時間を確保できた場合、単純計算でおよそ1,700時間が積み上がります(平日約215日×4.5時間+休日約85日×9時間)。

これは確保できた場合の計算であり、必要時間ではありません。

英語の基礎が固まっていれば、演習に回せる時間が増えます。

抜けがあれば、立て直しに時間を取られます。

高3の春には「今から間に合うか」という相談が出ていました。

そのときも、時間より先に現在地を尋ねていました。

高3夏以降から始める場合|優先する科目と課題を絞る

短期間で合格できる、とは言えません。

武田塾北久里浜校の試算(表の拝島校とは算出条件が異なります)では、8月中旬から約22週でMARCHルート(文系約1,480時間)を走り切るには、1日平均9.5時間が必要という計算でした。

全範囲を網羅する計画は、この時期には現実的ではありません。

今の学力と未完成の範囲を見て、英語の長文読解と配点の高い科目に絞る判断が要ります。

MARCH志望者の学年別・開始時期別の勉強時間

※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。

開始時期 勉強時間の考え方(一例) 優先する学習課題
高1から 年間743時間
1日平均:約2時間2分
TOSHIN TIMESの2020年合格発表直後アンケート。 難関大学を第一志望とする現役合格者の、 高1時点の学校授業以外の学習時間。
※MARCH合格者だけの平均ではありません。 また、現在の高1生に一律に必要な時間でもありません。
学習習慣と主要科目の基礎固め
英単語・英文法などの基礎学習を継続する。 学校で習った内容を復習し、 部活動と両立できる自習時間を確保する。
高1の段階から苦手分野を放置しないことを優先する。
高2から 英語:約500時間
週6日・1日3時間で約28週間
武田塾拝島校が2022年に公開した、 MARCHレベルの英語参考書ルートの所要時間。
※順調に進んだ場合の最低目安。 同校では学習のつまずきなどを考慮し、 約1.5倍の時間を見込むと説明しています。 過去問演習は含まれません。
英語の基礎完成と苦手分野の補強
高2の冬までに英単語・英文法などの 基礎を固めることを目指す。
志望学部の受験科目を確認し、 高3で演習に使う時間を確保できるよう、 主要科目の未完成範囲を減らす。
高3春から 約300日で約1,700時間
確保できた場合の独自計算例
平日215日 × 4.5時間 = 967.5時間
休日85日 × 9時間 = 765時間
合計:1,732.5時間
※平日・休日の時間配分を仮定した試算です。 学校行事や体調などで実際の勉強時間は変わります。 MARCH合格に必要な時間を示すものではありません。
現在地と残り期間から逆算する
英語の基礎完成度、志望学部の受験科目、 配点、未習範囲を確認する。
基礎に抜けがある場合は復習を優先し、 入試までに必要な課題を進められるか判断する。
高3夏以降から 約22週間で約1,494時間
1日平均:約9.7時間に相当
武田塾北久里浜校が2021年に公開した、 文系MARCH参考書ルートの所要時間の試算。
科目別時間の合計:1,494時間
22週間(154日)で割ると、 1日約9.7時間となります。
※原資料では合計1,496時間と記載されていますが、 科目別数値の合計は1,494時間です。 旧カリキュラムを用いた単純試算であり、 合格の必要条件や推奨時間ではありません。
受験科目と学習課題の優先順位を見直す
残り期間と現在の学力を確認し、 英語の基礎や志望学部で配点の高い科目を 優先する。
未完成の範囲を整理し、 必要な復習と問題演習に時間を配分する。 睡眠を削る前提で計画しない。

※2026年10月確認。 数値には難関大学現役合格者の調査値、参考書ルートの試算、 独自の時間計算が混在しています。 対象大学・学力・計測条件・対象年度が異なるため、 行同士の時間数を直接比較することはできません。 いずれもMARCH合格に必要な最低時間や合格保証を示すものではありません。

表の数字は、それぞれ出典か計算にもとづく一例です。

固定のノルマではありません。

現在地と残り期間から自分の勉強時間を決める方法

現在の学力、入試までの残り期間、確保できる自習時間を整理して学習計画を決める流れ

総時間を自分の数字に置き換えるには、現在地・残り期間・純自習時間を順に出します。

この章が、記事の中心となる手順です。

現在の学力・受験科目・残り期間の3つを確認する

私は「何時間やれば受かりますか」と聞かれたとき、時間を答える前に次の3点を尋ねていました。

  • 現在地:総合偏差値ではなく、英語の基礎がどこまで完成しているか
  • 残存リソース:開始時期と、学校・行事・通学を除いた純自習時間
  • 配点・科目:受験科目数、文系なら通史の進み具合、理系なら数学・理科の未習範囲

英語の基礎完成度は、2点で見ます。

基本レベルの単語をほぼ即答できるか。基本問題集をランダムに出されても、解答の根拠を言葉にできるか。

配点や外部検定の扱いは、大学・学部・年度で変わります。

例えば立教大学の一般選抜は、英語の大学独自試験を原則として行わず、外部検定のスコアか共通テストの英語を利用します。

志望年度の募集要項で調べます。

学校・通学・部活を除いて使える純自習時間を計算する

平日に使える時間は、1日24時間から、生活と学校に取られる時間を引いて出します。

次の式に、自分の数字を入れてみてください。

平日の純自習時間 = 24時間 −(睡眠 □時間 + 学校の授業・補習 □時間 + 通学往復 □時間 + 部活動 □時間 + 食事・入浴など □時間)

例えば、睡眠7時間、学校8時間、通学1.5時間、部活2.5時間、食事・入浴2時間なら、残りは3時間です。

部活の引退前は、3時間前後が上限になる人もいるでしょう。

睡眠を削る前提では計算しません。

継続して確保できる時間だけを数えます。

平日・休日・1週間の勉強時間を計算する

1日ごとではなく、1週間の合計で見ると、計画が崩れにくくなります。

平日3時間×5日で15時間、休日6時間×2日で12時間、合わせて週27時間です。

これは確保できる時間のモデルで、合格に必要な時間ではありません。

部活の有無で、数字は変わります。

  • 部活がある場合:平日は2〜3時間前後になりやすく、休日にまとめて積む形が多い
  • 部活がない場合:平日に4〜5時間を置ける日が増え、週の合計も大きくなる

自分の条件で週の合計を出したら、次の照合に進みます。

1週間で使える時間と優先する課題が決まったら、曜日ごとの予定へ落とし込みます。

高校生向け1週間勉強計画表の書き方と無料テンプレートを使うと、復習日や調整日も含めて整理できます。

必要な課題と確保できる時間を照らし合わせる

「残り週数×週間の純自習時間」が、使える総枠です。

例えば残り40週で週27時間なら、1,080時間です。

この枠に、英単語・文法・英文解釈・長文演習、地歴や数学などの課題がすべて入るかを並べます。

入らない分は、配点の低いものから削るのが私の考えです。

参考書ごとの標準的な所要時間は、塾や出版社が目安を公表しています。

次の項目で、自分の状況を点検します。

  • ☐ 英語の基礎完成度を、単語と文法で自己採点した
  • ☐ 受験科目と、まだ習っていない範囲を書き出した
  • ☐ 残り週数×週間の純自習時間で、総枠を出した
  • ☐ 課題を並べ、枠に入らない分を配点の低い順に削った

MARCH志望者の平日・休日の勉強時間の目安

平日の放課後と休日の生活時間を比較し、受験勉強に使える時間の違いを示した図

前章で出した時間を、日々どう配分するかの例を示します。

部活の有無と休日の使い方を分けて考えます。

部活がある平日|限られた自習時間をどう使う?

スポーツ庁の「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」(平成30年3月)は、活動を平日2時間程度、休日3時間程度、週2日以上の休養日としています。

笹川スポーツ財団の調査では、高校生の運動部の練習時間は平日平均約2.5時間、休日約3.9時間でした。

この枠を除いた自習時間は、2〜3時間前後になりがちです。

使い方の一例は、通学や朝の15分×4回(計1時間)を、単語など暗記系の確認に回すことです。

帰宅後の2時間は、英文解釈や文法の解き直しに充てます。

暗記と演習を分けると、短い時間でも作業が散らかりません。

部活がない平日|主要科目と復習時間を確保する

確保できる時間が増えても、長さそのものを成果の指標にはしません。

文部科学省の「第18回21世紀出生児縦断調査」(平成13年出生児)では、高校3年時に平日、家や塾で3時間以上勉強する層が27.5%、全く勉強しない層が28.4%でした。

平均値では見えない差があります。

放課後に5時間を確保できる場合の、配分の一例です。

  • 英語長文と解き直し:2時間
  • 選択科目(地歴・数学):2時間
  • 国語、または前日の復習:1時間

科目の比重は、志望学部の配点に合わせて調整します。

休日|まとまった時間を学習課題に配分する

休日を一つの塊にせず、3つのブロックに分けると、集中が続きやすくなります。一例です。

  1. 午前(3時間ほど):英語長文や数学など、考える作業
  2. 午後(4時間ほど):地歴や国語の過去問などの演習
  3. 夜(2〜3時間ほど):暗記と、その日間違えた問題の再現

合計は9時間前後ですが、全員に勧める量ではありません。休憩と復習の枠を先に組み込みます。

MARCHを目指す夏休みの勉強時間と優先順位

夏休みの残り日数と部活動の予定を確認し、基礎復習と問題演習の優先順位を決める図

夏休みはまとまった時間が取れる一方、使い方で差が出ます。

何時間やるかより、確保した時間を何に使うかを考えます。

夏休みは1日何時間勉強する?部活の有無と現在地で判断する

夏休みの勉強時間は、日数、部活の予定、今の学力から、確保できる時間を逆算して決めます。

例えば、夏休みが40日あり、毎日8時間を確保できるなら、合計は320時間です。

初日から10時間を狙って途切れるより、8時間を最後まで続ける設計のほうが続けやすい、というのが私の考えです。

「毎日10時間」のような数字は、必要条件ではありません。

時間は、確保したい量ではなく、使い切れる量で決めます。

基礎が完成していない場合|復習に使う時間を優先する

基礎に抜けがあるなら、夏は過去問より、基礎の穴埋めが中心です。

配分の一例は、模試の偏差値が50に届いていない場合、学習時間の大半を、英文法・単語・数学や地歴の基本事項の反復に充てることです。

応用問題に時間を使っても、解説を読むだけで時間が過ぎてしまいます。

参考書の具体的なルートは、この記事では扱いません。

基礎が完成している場合|演習と弱点補強に時間を使う

基礎が固まっているなら、過去問の初期演習で傾向をつかみます。

古文読解、文化史、正誤問題など、分野別の弱点補強にも時間を回します。

配分の目安は、解く時間と解き直す時間を、同じくらいにすることです。

解きっぱなしでは、時間が成果になりません。

過去問を本格的に始める時期は、基礎の定着度や入試方式によって変わります。

大学受験の過去問を始める時期と判断基準で、過去問演習へ進める状態か確認してください。

勉強時間を確保してもMARCHに届かない4つの原因

復習不足、講義視聴への偏り、難しすぎる教材、得意科目への偏りという4つのつまずきを示す図

夏休みに長時間やっているのにE判定、という相談を受けることがありました。

長時間机に向かっても伸びにくい生徒には、共通するつまずきが4つありました。

原因1|問題を解きっぱなしにして解き直さない

解いた問題数や時間が積み上がっても、解き直さなければ、身につきにくくなります。

エビングハウスの忘却曲線の実験(無意味な音節を覚える実験)では、時間がたつほど記憶が失われ、とくに学習直後の低下が大きいことが示されました。

この実験は受験の教材とは条件が違います。

覚えた直後に思い出す練習を入れる考え方の参考になります。

当日と翌日に、解答を見ずに自力で立式や和訳ができるかを試す時間を取ります。

何時間解いたかだけでは、理解できたかどうかは分かりにくいものです。

原因2|講義の視聴やノート作りだけで終わっている

映像授業を見て、きれいなまとめノートを作ると、分かったつもりになりやすいものです。

試験本番に必要なのは、何も見ずに自分で思い出して使える知識です。

認知心理学では、問題を解いて思い出す練習(テスト効果)のほうが、定着しやすいとされています。

講義やノートの時間を決めたら、自力で解く時間をセットで置きます。

原因3|現在の学力に合わない難しい教材を使っている

語彙や基本文法に穴があるまま応用教材に進むと、1問の解説を理解するだけで時間が過ぎます。

目安は、解説を読んで理解するのに1問15分以上かかる教材を、いったん中断することです。

一段平易な教材に戻るほうが、結果として早く進む場合があります。

教材の紹介やランキングは、ここでは扱いません。

原因4|得意科目ばかり勉強して重要科目が後回しになる

手応えのある現代文や、得意な歴史用語の暗記に時間が流れるのは、自然なことです。

英語の配点比率は学部によって大きく異なり、英語に重みを置く学部もあります。

時間配分は、志望学部の募集要項で科目ごとの配点を見て決めます。

次のリストで、4つの原因を自分に当てはめます。

  1. ☐ 解いた問題を、その日のうちに自力で解き直しているか
  2. ☐ 講義視聴やノート作りで満足していないか
  3. ☐ 解説を読んでも納得できない難度の教材に背伸びしていないか
  4. ☐ 配点の高い科目を後回しにしていないか

勉強時間が足りないときの軌道修正|増やす前の見直し方

勉強時間の不足、復習方法、教材の難しさを確認し、学習計画の修正方法を選ぶフローチャート

時間が足りないと感じたとき、最初に思いつくのは勉強時間を増やすことでしょう。

その前に見直せる点があります。

まずは配点の高い科目と未完成の範囲を見直す

志望学部の配点、模試の結果、問題演習の状況から、優先する課題を決め直します。

配点比率の高い主要科目(英語、理系なら数学)の基礎単元を先に仕上げ、配点の低い単元は後回しにします。

一度の模試でE判定が出ても、それだけで合格可能性は断定できません。

判定の中身を、科目別・分野別に分けて見ていきます。

勉強時間を増やす場合と学習内容を見直す場合の違い

前章の4つの原因と照らして、時間が足りないのか、進め方に問題があるのかを切り分けます。

MARCH志望者|勉強時間が足りないときの見直し方

※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。

現在の状況・症状 考えられる要因 見直しの方向・具体的な対処法
勉強時間を増やしても 模試の点数が伸びない 解き直し・知識の定着不足
学習した内容を、自力で再現できていない可能性
新しい問題を解く時間だけでなく、 間違えた問題の復習時間を確保する。 解説を閉じて自力で解き直し、 翌日や数日後、週末などに再確認する。
判断の目安: 同じ分野の問題を、解答の根拠まで説明して解けるか確認する。
参考書を開いても ページが進まない 教材の難易度と現在の学力のずれ
基礎知識の不足や、理解に時間がかかる状態
解説を読んでも理解できない問題が続く場合は、 必要な基礎事項へ戻る。 教材を変更する前に、 単語・文法・公式などの理解に 抜けがないか確認する。
判断の目安: 解説を理解した後、類題を自力で解けるか確かめる。1問15分以上かかる状態が続くなら、教材の難度を見直す。
平日にまとまった 勉強時間が取れない 生活時間と学習課題の配分のずれ
部活動・通学・学校行事などによる時間の制約
英単語や基本事項の確認など、 短時間でも取り組める学習を 通学・休み時間に配分する。 まとまった時間が必要な問題演習は、 放課後や休日に確保する。
判断の目安: 平日・休日を合わせた1週間の自習時間と、 予定した課題の完了状況を確認する。

※上記は学習状況を見直すための一般的な判断例です。 模試の成績が伸びない原因は一つとは限りません。 志望学部の受験科目・配点、現在の学力、 入試までの残り期間を踏まえて調整してください。

すでに平日4〜5時間を確保しているのに成績が伸びない場合、睡眠を削って増やすより、解き直しの有無と教材の難度を先に見直すほうが理にかなっています。

私ならそう助言します。

1週間ごとに進捗を確認して計画を修正する

週に一度、予定した学習が完了したかを見直します。

進まなかった場合は、量を減らすのか、教材の難度を下げるのかを決めます。

週の中に未達分を調整する日を、あらかじめ置いておく方法もあります。

計画倒れを防ぎやすくなります。

逆転コーチングは、現在地の確認から学習計画の見直しまでを個別に相談できる学習塾です。

勉強時間は完了基準で管理する|保護者の見守り方

受験生と保護者が勉強した時間だけでなく、予定した課題の完了状況や理解度を確認する様子

勉強した時間の長さは、進み具合を測る指標として十分ではありません。

決めた課題を自力で再現できたかという、完了基準で管理する考え方を紹介します。

勉強した時間だけでなく自力で解けるかを確認する

「英文法書を2時間読んだ」では、終わりの基準がありません。

「文法問題集の第3章からランダムに20問を選び、全問自力で根拠まで説明できた」なら完了です。

時間ではなく課題の単位で区切ると、座っているだけの時間が減ります。

暗記系は一度で終わらせず、平日に毎日15〜30分ずつ触れる分散学習で定着を支えます。

保護者は勉強時間より学習の進み具合を確認する

保護者面談では、時間の長さではなく、決めた課題を自力で再現できたかを基準にしてほしい、とお伝えしていました。

「○時間やりなさい」という声かけは、時間をこなすだけの勉強を招くことがあるからです。

見る対象も、授業の時間ではなく、自習・復習の時間と進み具合です。

声かけの置き換え例です(あくまで例示です)。

  • 時間を問う声かけ:「今日は何時間勉強したの?」
  • 進み具合を聞く声かけ:「今日決めた英単語100個のテストはどうだった?」

本人が聞かれる前に自分の完了基準を持っていれば、親子のやり取りも落ち着きます。

【Q&A】MARCHの勉強時間に関するよくある質問

部活動との両立、平日と休日の時間配分、早慶との違い、GMARCHの学部差を表す質問の図

本文で触れきれなかった疑問に、短く答えます。

部活との両立、平日と休日の偏り、早慶との違い、学部差の4つです。

Q. 部活やアルバイトと両立しながらMARCHを目指せますか?

A. 両立は可能です。

確保できる純自習時間と課題の優先順位で結果が分かれます。

平日2時間前後でも、高1・高2から英単語や教科書の基礎を毎日積んでいれば、引退後に増える時間を演習に回せます。

アルバイトがある場合も、シフトを除いて確保できる純自習時間で同じように考えます。

完全にゼロから始める場合は、時間の絶対量が足りなくなる点に注意が必要です。

Q. MARCHの勉強時間は平日と休日で偏ってもよいですか?

A. 偏っていてもかまいません。

毎日同じ時間数である必要はなく、1週間の合計と課題の進み具合で見ます。

ベネッセ教育総合研究所の高校生対象の調査では、「休日にまとめて勉強する」と答えた人が約7割(69%)でした。

これは実態であり、効果を示す数字ではありません。

暗記系だけは、忘却を抑えるために、平日も15〜30分は触れ続けます。

Q. MARCHと早慶では必要な勉強時間が違いますか?

A. 一律の時間差は示せません。

志望学部の科目構成や論述の有無で、取り組む課題が変わるためです。

表のFAST-UP逆転塾のように、早慶とMARCHをまとめて試算している提示元もあります。

MARCHだけの時間とは分けて読めない場合があります。

早慶を併願する場合は、志望学部の入試科目から課題を洗い出します。

Q. GMARCHや学部によって勉強時間は変わりますか?

A. 変わります。

学習院大学を含むGMARCHでも、大学・学部ごとに入試科目、配点、個別日程の出題が異なります。

理系は数学Ⅲや理科の演習が加わり、文系より取り組む課題が増える場合があります。

大学別の詳しい対策は、この記事では扱いません。

志望学部の最新の募集要項で、科目と配点を見てください。

自分の勉強時間の決め方に不安がある方は、まず相談から始められます。

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まとめ|MARCH合格に向けて自分の勉強時間を決めよう

現在の学力、入試までの残り期間、優先する学習課題を整理し、今日取り組む勉強を一つ決める図

MARCH合格に必要な時間は、2,000時間や3,000時間といった固定の数字では決まりません。

公表値は計測範囲が違い、自分に当てはまるかどうかは、現在地・残り期間・純自習時間で変わります。

時間が足りないと感じたら、増やす前に、4つの原因と配点を見直します。

今日取り組む優先課題を、1つだけ決めます。

例えば、今日解いた問題を自力で解き直すことです。

執筆者プロフィール

進路アドバイザー朝倉美緒

※この記事は、大手個別指導塾で27年間、小学生・中学生の学習指導や進路指導に携わってきた「予備校オンラインドットコム」編集長・橘誠一郎が執筆しています。長年の教育現場で培った経験と知見をもとに、記事内容をわかりやすくお伝えしています。

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