・高校英語文法の全体像と学年別カリキュラム

・効率的な学習のための単元別優先順位

・多くの人がつまずく重要単元とその攻略法

・やってはいけないNG勉強法と具体的な対策

高校英語文法の難しい単元・重要単元とは？（全体像）

文の種類／文型／品詞と単語の役割

英文法を理解するためには、文を作る最小単位である「品詞」と、それを組み合わせる「文型」の仕組みを知ることが欠かせません。

例えば、主語＋動詞＋目的語の第3文型を理解すれば「I study English.」の構造が明確になります。

文型は英文の骨組みなので、最初に重点的に学ぶことをおすすめします。

時制と完了形（現在・過去・未来・進行形・完了形）

時制は単に時間を表すだけでなく、話し手の視点や状況を伝える重要な文法です。

例えば「I have been to Japan.」は経験を、「I have been living in Japan for 3 years.」は継続を表します。

現在完了は多くの受験生がつまずく単元なので、例文で繰り返し確認しながら整理していきましょう。

助動詞（基本用法／推量・義務・許可）

助動詞は「動詞の意味にニュアンスを加える部品」です。

例えば「can」は能力を表すだけでなく、「場合によって〜することもある」という推量も示します。

一つの助動詞に複数の意味があるため、文脈ごとの使い分けが理解のカギになります。

受動態（be動詞＋過去分詞）

受動態は「〜される」という受け身を表す文型で、「be動詞＋過去分詞」で作られます。

基本形に加えて、「be known to」「be interested in」など特定の語と結びつく表現もよく出ます。

受験頻出の定型表現は丸ごと暗記しておくと効率的です。

不定詞（名詞的・形容詞的・副詞的用法）

不定詞（to＋動詞の原形）は「名詞的・形容詞的・副詞的」な役割を持ちます。

例えば「I want to study.」は目的（名詞的用法）を表し、「something to eat.」は形容詞的に名詞を説明します。

それぞれの働きを例文で確認しながら習得しましょう。

動名詞（使い分け・to不定詞との違い）

動名詞は「〜すること」という意味で名詞の役割をします。

似た働きを持つto不定詞と区別が必要です。

例えば「enjoy」は動名詞しか取れません。

このように、動詞ごとのパターンをセットで覚えることが効率的な学習法です。

分詞（現在分詞／過去分詞）

分詞は名詞を修飾する形容詞の働きを持ちます。

現在分詞（-ing）は「〜している」、過去分詞（-ed）は「〜された」という違いがあります。

例：「sleeping baby（眠っている赤ちゃん）」「broken vase（壊れた花瓶）」。

能動と受動の違いを意識しましょう。

分詞構文（省略と意味の捉え方）

分詞構文は「時・理由・条件」などを簡潔に表す表現です。

例えば「Walking along the street, I met my friend.」は「通りを歩いていて、友人に会った」という意味です。

主語が同じときに省略できるルールを覚えると、長文読解でスピードが上がります。

関係代名詞・関係副詞（制限用法・非制限用法）

関係詞は名詞を詳しく説明する役割を持ちます。

「This is the book that I bought.」は制限用法で限定的に説明し、「My brother, who lives in Tokyo, is a doctor.」は非制限用法で補足説明を加えます。

カンマの有無で意味が変わる点は入試でも重要です。

比較（原級・比較級・最上級・強調）

比較は「as〜as（原級）」「〜er than（比較級）」「the〜est（最上級）」の3つが基本です。

さらに「much」「far」などで比較級を強調できます。

基本形＋強調表現をセットで学習すると応用力が高まります。

仮定法（過去・過去完了・if省略）

仮定法は「現実と異なる仮定」を表す単元です。

「If I were you, I would study harder.」は仮定法過去で、「もし私があなたならもっと勉強するのに」という意味になります。

形と意味をセットで暗記することが克服のポイントです。

接続詞（等位・従属）と前置詞（基本イメージ）

接続詞は「文と文をつなぐ」、前置詞は「名詞の前に置いて関係を示す」働きがあります。

「in＝中」「on＝接触」というように、コアイメージで覚えると応用が効くため、丸暗記より理解型学習がおすすめです。

いろいろな構文（It〜that構文／強調／倒置・省略・挿入）

構文は文章の意味を強調したり、リズムを変えたりする表現です。

「It is A that B」は「BなのはAだ」という強調構文として頻出です。

長文読解や英作文で得点源になりやすい単元なので、早めに慣れておきましょう。

英文法 単元の優先順位と学習の順番（高校 英語 単元 順番）

「どの単元から勉強すればいいの？」と悩んでいませんか？

高校英文法は、単元ごとに難易度が異なるため、効率的な学習のためには優先順位を付けて取り組むことが大切です。

ここでは、文法学習を「基礎→頻出→難関」の3段階に分けて、おすすめの学習順序をご紹介します。

はじめに：基礎→頻出→難関の三層で考える

英文法の学習は、まるで家づくりと同じです。

基礎が弱いと、その上にどれだけ知識を積んでも崩れてしまいます。

最初に「基礎単元」を徹底し、その上に「頻出単元」を積み上げ、最後に「難関単元」を仕上げるという三層構造を意識することで、無理なく理解を深められます。

参考記事：大学受験で必要な英語のレベルについて解説！大学入試の英語を攻略

優先順位① 基礎の土台（文型・時制・不定詞・動名詞）

基礎となる4つの単元（文型・時制・不定詞・動名詞）は、英語学習における出発点です。

特に文型は、英文を解読する際の「地図」となり、理解の方向性を示してくれます。

時制は正確な時間軸を表し、不定詞や動名詞は文中での役割を多様に担います。

ここをおろそかにすると、難しい単元に進んだときに必ず混乱します。まずはこの土台を完璧に固めましょう。

優先順位② 入試頻出（関係詞・比較・助動詞・受動態）

（関係詞・比較・助動詞・受動態）の単元は定期テストや大学入試で必ずと言っていいほど出題されます。

基礎固めが終わったら、最優先で取り組むべき分野です。

単にルールを覚えるだけでなく、実際に問題演習を繰り返し、パターンに慣れることが大切です。

頻出分野を攻略すれば、短期間で点数を伸ばしやすく、効率的に実力を高められます。

優先順位③ 難しい単元（仮定法・分詞構文・It〜that構文）

（仮定法・分詞構文・It〜that構文）の単元は難易度が高く、理解に時間がかかります。

だからこそ、克服すれば他の受験生との差を広げられる分野です。

仮定法は事実と異なる状況を表し、分詞構文は文を簡潔に表現し、It〜that構文は強調の役割を担います。

単なる暗記ではなく、長文読解での使われ方に注目すると、理解がより深まります。

反復の設計：短サイクル復習と到達度チェック

文法は一度学んだだけではすぐに忘れてしまいます。

だからこそ、短いサイクルで繰り返すことが大切です。

例えば学習後に1日後・3日後・7日後と復習する仕組みを作ると、記憶が定着しやすくなります。

定期的に問題集を解き、間違えた箇所を分析することで、自分の弱点を発見できます。

復習と自己チェックのループが学習効果を最大化します。

勉強法について知りたい方、勉強の仕方がわからない高校生を解決！勉強の基本はこれだ！

重要＆難しい単元TOP10（英文法で大事な単元は？）

英文法の中でも特に多くの高校生がつまずく「重要かつ難しい単元」を10個取り上げます。

重要単元・難しい単元を克服することで、入試や模試での得点力が一気に上がります。

ここでは、それぞれの特徴や学習のポイントを例文とともに整理しました。

1.仮定法

仮定法は「現実と異なる状況」を表す表現で、多くの受験生が苦手とする単元です。

例えば「If I were you, I would study harder.（もし私があなただったら、もっと勉強するのに）」のように、事実とは違う仮定を示します。

過去形＝現在の非現実、過去完了形＝過去の非現実を表すのが基本ルールです。

まずは形を正しく暗記し、長文読解の中で使われ方を確認することが理解の近道です。

入試頻出のif省略表現も併せて押さえると得点力が上がります。

2.分詞構文

分詞構文は「時・理由・条件」などを簡潔に表す表現で、主語が同じ場合に使われます。

例えば「Walking along the street, I met my friend.（通りを歩いていて、友人に会った）」のように、接続詞＋主語を省略するのが特徴です。

分詞構文＝文章を簡略化する仕組みと捉えると理解しやすく、長文読解でのスピードアップに直結します。

特に、和訳問題や英作文でも自然な表現力を求められるため、早めに慣れておくことが重要です。

3.関係代名詞

関係代名詞は「名詞を詳しく説明する役割」を持ちます。

「This is the book that I bought.（これが私が買った本です）」のように、先行詞を限定して情報を追加します。

who・which・thatの使い分けや、主格・目的格の違いを理解することが重要です。

制限用法と非制限用法の違いにも注意して、正確な意味を読み取れるようにしましょう。

省略可能な関係代名詞のパターンを知っておくと読解がスムーズになります。

4.関係副詞

関係副詞は「when, where, why, how」などを用いて、名詞を説明する表現です。

例えば「This is the place where I was born.（ここが私の生まれた場所です）」のように、場所・時間・理由を補足します。

関係代名詞と混同しやすいので、代名詞＝人や物を説明、副詞＝状況を説明と整理すると理解が進みます。

加えて、入試では省略形や慣用的な表現も出るため、練習問題で慣れておきましょう。

5.比較

比較は「as〜as（原級）」「〜er than（比較級）」「the〜est（最上級）」の3つが基本です。

例えば「She is taller than I am.（彼女は私より背が高い）」のように使います。

「much」「far」で比較級を強調する表現や、「no less than（〜も）」などの慣用表現も頻出です。

基本形＋応用表現をセットで学習するのが得点力を高めるコツです。

特に、文法問題よりも長文読解や英作文での自然な使い方が重要です。

6.助動詞のニュアンス

助動詞は文に微妙なニュアンスを加える役割を持ちます。

例えば「must」は「〜しなければならない」だけでなく、「〜に違いない」という推量の意味もあります。

同じく「can」は「〜できる」以外に「〜することもある」という意味も表します。

一語多義であることを意識し、文脈で判断する力を養うことが大切です。

特に、過去形や完了形の助動詞は入試頻出なので注意が必要です。

7.It〜that構文（強調構文）

It〜that構文は「BなのはAだ」という形で、文中の特定部分を強調する表現です。

例えば「It was yesterday that I met him.（私が彼に会ったのは昨日だ）」のように使います。

入試の長文読解や英作文で頻出し、見抜けるかどうかで理解度に差が出る単元です。

強調したい部分を意識しながら、例文を繰り返し練習すると定着します。

倒置や省略と組み合わせた出題形式もあるので注意しましょう。

8.前置詞のコアイメージ

前置詞は「位置や関係」を表す重要な単元です。

「in＝中」「on＝接触」「at＝一点」といったコアイメージを理解すると、暗記に頼らず応用が効きます。

例えば「on the desk（机の上に）」は「接触」をイメージすると覚えやすいです。

多義的に見える表現も、根本イメージを押さえれば整理できます。

入試問題では熟語的な使い方も問われるため、パターン学習が有効です。

9.受動態の特殊表現

受動態は「be動詞＋過去分詞」で作られますが、特殊表現も多く存在します。

例えば「be interested in（〜に興味がある）」「be known to（〜に知られている）」などです。

これらは一つのまとまりとして覚えるのが効果的です。

通常の受動態＋慣用表現をセットで学習すると、表現力が広がります。

特に、受動態＋前置詞の形は丸暗記推奨です。

10.不定詞の意味上の主語

不定詞は「to＋動詞の原形」で作られますが、その動作を誰が行うのかを示す「意味上の主語」があります。

例えば「It is important for you to study English.（あなたが英語を勉強することは大切だ）」の「for you」がそれにあたります。

to不定詞を正しく使いこなすための重要ポイントなので、例文とともに理解しておきましょう。

受験では意味上の主語を問う問題が頻出するため、注意深く確認する必要があります。

参考記事：不定詞の用法！見分け方は超簡単！高校生にわかりやすく例文で解説

高校生の英語！定期テスト対策：直前1〜2週間のプラン

定期テストが近づいてきて、どこから復習すればいいか分からないと焦っていませんか？

ここでは、テスト直前の限られた時間で、効率よく得点を上げるための復習プランをご紹介します。

このプランに沿って学習すれば、短期間でも大きな成果が期待できます。

単元ごとの要点まとめ（暗記事項チェックリスト）

まずは、テスト範囲の単元ごとに、必ず覚えておくべきルールや例外表現を整理しましょう。

チェックリスト化すると、自分の理解があいまいな部分を客観的に確認できます。

例えば、助動詞「can」には「〜できる」という能力の意味だけでなく、「〜することもある」という推量の用法があります。

関係代名詞では「目的格の省略」がよく出題されます。

こうした知識は出る確率が高い＝得点に直結する部分なので、曖昧なままにせず、一つひとつ潰していくことが重要です。

勉強計画の立て方について知りたい方、【学習計画表を作成】高校生が計画通りに勉強できるコツ！

例文で確認（ミスしやすいポイントの見抜き方）

ルールを暗記しただけでは実力は定着しません。

次のステップとして、例文を通じて「本当に理解できているか」を確認しましょう。

例えば、仮定法過去完了の「If I had known it, I would have told you.」（もしそれを知っていたら、あなたに伝えていたでしょう。）では、仮定法＝非現実の表現と過去完了＝過去の事実に反する表現が組み合わさっています。

このように、例文を読むたびに「なぜこの形になるのか？」と自分に問いかけると、応用力が養われます。

特にテスト直前は、例文暗記＋理由づけの確認が効果的です。

演習→見直し→やり直しのループ設計

文法の定着には、アウトプット（演習）→理解の再確認（見直し）→弱点克服（やり直し）のサイクルが欠かせません。

問題集を解いて答え合わせをして終わるのではなく、間違えた原因を分析し、再度解き直すことが大切です。

この反復の中で「自分が弱い文法分野」や「勘違いしやすいルール」が浮き彫りになります。

間違いノートを作り、繰り返しチェックすると定着が早まります。試験までの限られた時間を効率的に使うために、このループを習慣化しましょう。

英文法の効率的な勉強法（具体ステップ）

英文法は、ただやみくもに問題集を解くだけでは、なかなか定着しません。

ここでは、インプットとアウトプットのバランスを意識した、効率的な学習ステップを具体的にご紹介します。

このステップを実践すれば、文法を論理的に理解し、応用できるようになるでしょう。

まとめ：高校英語文法の単元一覧！学年別カリキュラムと重要＆難しい単元を解説

高校英語の文法は量が多く、どこから学ぶべきか迷う人も多いはずです。

本記事では、学年別の学習カリキュラムと重要・難しい単元を整理し、効率的に勉強を進めるための優先順位と勉強法をまとめました。