総合型選抜のボランティアは必須?評価・証明書・経験なしを解説

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総合型選抜を検討していて、「ボランティアをしていない自分は不利なのでは」と不安になっている高校生もいるでしょう。
結論からいうと、総合型選抜でボランティアが一律に必須と決められているわけではありません。
大切なのは、志望大学・学部・方式でどのように扱われているかを確認することです。
特に高3から活動を始めようとしている場合は、「実績を増やした方がよい」と急ぐ前に、今までの経験や残り時間も整理する必要があります。
この記事では、ボランティアの評価、経験がない場合の考え方、高3から始める判断基準、単発・活動時間、証明書の扱いまで、自分の場合にどう判断すればよいかを解説します。
記事のポイント
- ボランティアは一律必須ではない
- 経験なしでも受験できる
- 高3から始める判断基準がわかる
- 証明書の必要性は大学ごとに違う
総合型選抜でボランティアは必須?最初に確認すること

総合型選抜でボランティアが必要かどうかは、大学・学部・方式によって異なります。
「総合型選抜だからボランティアをしなければならない」と考えるのではなく、まず自分が受ける方式での位置づけを確認しましょう。
総合型選抜でボランティアは一律必須ではない
総合型選抜において、ボランティア活動がすべての受験生に共通する出願資格として定められているわけではありません。
文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」では、総合型選抜について、各大学のアドミッション・ポリシーに基づき、志願者の能力や適性などを多面的・総合的に評価する選抜としています。
ボランティア経験そのものを全国共通の必須条件とはしていません。
ボランティアをしていないからといって、それだけで総合型選抜を諦める必要はありません。
特定の選抜方式では社会活動が出願条件に含まれるケースもあります。
自分が受ける大学・学部・方式での扱いを確認することが出発点です。
出願条件・評価材料・証明資料は分けて考える
総合型選抜について調べると、「出願条件」「評価材料」「証明資料」という言葉が出てきます。
この3つは役割が違います。
| 区分 | 意味 | 受験生が確認すること |
|---|---|---|
| 出願条件 | 満たすことが出願の前提となる条件 | 活動日数や資格などの指定があるか |
| 評価材料 | 選考時の判断に使われる情報 | 活動実績がどのように扱われるか |
| 証明資料 | 活動内容や実績を裏づける資料 | 指定様式や第三者証明が必要か |
例えば、関東学院大学法学部の「社会活動評価型」では、一定の社会活動実績が出願要件になっています。
活動を評価材料として提出できても、証明方法が別に指定されている大学もあります。
「ボランティアをしたかどうか」だけを見るのではなく、
- 出願するために必要なのか
- 選考で使われる材料なのか
- 事実を証明する資料が必要なのか
を分けて考えることが大切です。
募集要項でボランティアの扱いを確認する
志望大学での扱いを知るには、インターネット上の一般論より、最新年度の募集要項を優先します。
特に次の3か所を確認してください。
- □ 出願資格に社会活動・ボランティアの条件があるか
- □ 提出書類に活動証明書や指定様式があるか
- □ 選考方法で活動実績がどのように扱われるか
実際の指導でも、ボランティアを始めるかどうかを考える前に、まずこの3点を確認しています。
出願資格に活動条件がなければ、少なくともその活動が出願そのものの必須条件ではないと判断できます。
提出書類や評価方法について別の指定が置かれていることがあります。
募集要項だけでなく、必要に応じてアドミッション・ポリシーや大学の入試FAQまで確認してください。
総合型選抜でボランティアはどう評価される?

ボランティアが選考材料になる場合でも、全国共通の評価基準があるわけではありません。
ここでは「どんな活動なら有利か」ではなく、活動経験を整理するときの考え方を解説します。
評価方法は大学・学部・方式によって異なる
ボランティア活動の扱いは、大学・学部・方式によって異なります。
同じ教育系や福祉系の学部であっても、社会活動を出願条件とする方式もあれば、活動報告書などを通じて幅広い経験を見る方式もあります。
そのため、
「教育学部なら学習支援ボランティアが有利」
「長く続ければ評価される」
といった一般論だけで判断するのは避けたいところです。
志望大学が何を評価するかは、アドミッション・ポリシー、募集要項、選考方法に記載された内容を基準に考えます。
活動名より動機・行動・気づきを整理する
実際の指導では、活動の規模や肩書きだけを見るのではなく、
- なぜ参加したのか
- 自分は何をしたのか
- 現場で何を見たのか
- 何に気づいたのか
まで整理しています。
こうした内容を整理しておくと、書類や面接で活動を具体的に説明しやすくなるからです。
例えば、有名な団体の活動に参加していても、「参加した」「勉強になった」だけでは本人の考えが伝わりにくくなります。
反対に身近な地域活動であっても、自分が何を考えて参加し、どのような課題に気づいたのかを具体的に説明できれば、その経験を整理する材料になります。
大学側の評価基準そのものは方式によって異なりますが、受験生側では「活動名」だけでなく、活動の中身まで言語化しておくことが必要です。
活動で生まれた問いと大学での学びをつなげる
ボランティアを新しく始める場合は、その活動が大学で学びたいこととどうつながるのかも考えます。
例えば、子どもの学習支援に参加したことで、家庭環境による学習機会の違いに関心を持ったとします。
そこで終わらせず、
「なぜ違いが生まれるのか」
「どのような支援が必要なのか」
「大学で何を学べば、その問題をさらに考えられるのか」
まで発展させると、活動と大学での学びの関係が整理できます。
実際の指導では、
「関心を持ったこと」
→「なぜ活動したか」
→「現場で確認したこと」
→「そこから生まれた問い」
→「大学で学びたいこと」
という流れに無理がないかを見ています。
活動の数を増やす前に、このつながりを作れる経験がすでにないかを振り返ることも大切です。
ボランティア経験なしでも総合型選抜を受けられる?

ボランティア経験がないからといって、総合型選抜を受けられないとは限りません。
目立つ実績が少ないと感じている場合ほど、最初にこれまでの高校生活を整理してみてください。
ボランティアなしだけで一律に不利とはいえない
ボランティア経験がないことだけで、一律に不利になるとはいえません。
文部科学省が示す活動報告書のイメージ例では、学内の活動として「総合的な探究の時間」、部活動、生徒会活動などにおける課題研究等が示されています。
学外活動としては、ボランティア活動、各種大会・コンクール、留学・海外経験などが例示されています。
ボランティアだけが全国共通の活動実績というわけではありません。
何を選考材料として扱うかは大学ごとに異なるため、ボランティアがなくても、まず自分が受ける方式の出願条件と提出書類を確認してください。
活動実績がないと思ったら既存経験を棚卸しする
25年以上の入試指導の中で、「活動実績がありません」と相談された生徒の経験を一緒に振り返ると、本人が実績と認識していなかった経験が見つかることは少なくありません。
例えば、
- 部活動で工夫したこと
- 委員会で担当した役割
- 学校行事の準備や裏方の経験
- 探究学習で調べ続けたテーマ
- 日常生活で継続して取り組んだこと
などです。
ここで大切なのは、華やかな実績を探すことではありません。
「何をしたか」に加えて、「どんな課題があり、自分がどう対応したか」まで振り返ります。
新しいボランティアを探す前に、自分がすでに持っている経験を一度棚卸ししておくと、その後の判断がしやすくなります。
部活を途中退部した生徒の経験整理から学ぶ
実際の指導では、高2で部活動を途中退部し、「調査書に書ける実績がない」と考えていた生徒の相談を受けたことがあります。
新しいボランティアを急いで増やすのではなく、
- なぜ部活動を辞めたのか
- 辞めた後の時間をどう使ったのか
- 組織や人間関係について何を感じたのか
を一つずつ整理しました。
その生徒は振り返る中で、組織の意思決定のあり方に関心を持っていたことに気づき、大学で学びたい内容との接点を整理していきました。
「退部すれば評価される」という意味ではありません。
伝えたいのは、「退部した=経験が何もない」と決めつけなくてよいということです。
新しい実績を探す前に、これまでの経験の中に自分の関心や問題意識につながる材料がないかを振り返る価値があります。
高3からボランティアを始めるべき?4つの判断基準

25年以上の入試指導では、春から夏前になると「活動実績が少ないので、高3からボランティアを始めた方がよいですか」という相談を毎年受けてきました。
その際、すぐに新しい活動を勧めることはしていません。
志望理由とのつながり、すでにある経験、出願までの残り時間、ほかの受験対策との優先順位を見て判断します。
志望理由につながる活動かを確認する
新しく始めるなら、最初に「なぜその活動なのか」を考えます。
「総合型選抜で使えそうだから」
「実績欄を埋めたいから」
だけでは、活動を選ぶ理由として弱くなりがちです。
実際の指導では、その活動への参加理由を志望理由と結びつけて説明できるかを確認しています。
地域課題に関心があり、その実態を自分の目で確かめるために地域活動へ参加するのであれば、活動する目的があります。
志望理由との接点を説明できない活動を数合わせで増やすのであれば、別の準備を優先した方がよい場合もあります。
新しい活動より既存経験を優先する場合もある
活動実績が少ないと感じると、「何か新しいことを始めなければ」と考えやすくなります。
実際の指導では、新しい活動を増やす前に、高校生活で経験してきたことを掘り下げるケースも多くあります。
部活動、探究活動、学校行事などに、自分の問題意識や行動が表れているのであれば、その経験を整理する方が優先度の高い場合があります。
高3では、志望理由書、小論文、面接、学力対策にも時間が必要です。
「新しい活動をするか」だけでなく、「その時間をどこに使うのがよいか」という視点を持って判断してください。
出願までの残り時間と受験対策を比較する
文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜の入学願書受付は2026年9月1日以降、判定結果の発表は2026年11月1日以降とされています。
実際の出願日や試験日は大学によって異なります。
高3の春から夏に新しい活動を検討する場合は、志望大学の出願日から逆算してください。
出願までに何をいつ進めるか整理したい場合は、総合型選抜はいつから準備?募集要項から逆算する合格スケジュールで、準備の順番を確認できます。
そのうえで、新しい活動以外にも同時に必要な準備があります。
- 志望理由や提出書類の整理
- 小論文対策
- 面接・口頭試問対策
- 学校の学習や一般選抜に向けた学力対策
新しい活動へ時間を使うことで、これらの準備が大きく圧迫されるのであれば、活動を増やさない選択もあります。
始める・既存経験を使う・増やさないで判断する
ここまでの判断軸と総合型選抜の日程をもとに、高3生が考えやすいよう3つの選択肢に整理すると、次のようになります。
| 現在の状況 | 考え方 | 選択肢 |
|---|---|---|
| すでにボランティア経験があり、志望理由との接点もある | 新しい活動を増やす必要性を先に検討する | 既存経験を使う |
| 部活動や探究など、説明できる既存経験がある | 現在の経験を深掘りする余地を確認する | 既存経験を優先する |
| 活動経験が少なく、現場で確かめたい明確な問題意識がある | 出願準備と両立できるか検討する | 目的を絞って新しく始める |
| 出願が近く、活動を増やすと他の対策が圧迫される | 書類・小論文・面接・学力対策との優先順位を見る | 無理に増やさない |
これは入試制度上の判定基準ではありません。
神崎悠真が実際の相談で確認してきた「志望理由とのつながり」「既存経験」「残り時間」「他の受験対策との優先順位」を、判断しやすい形に整理したものです。
最終的には、志望大学の募集要項と現在の準備状況を照らし合わせて決めてください。
高3から活動を増やすべきか、今ある経験を活かすべきか迷っている場合は、総合型選抜専門のホワイトアカデミー高等部に相談する方法もあります。
総合型選抜ではどんなボランティアを選べばいい?

新しくボランティアを始めると決めた場合も、「おすすめ一覧」から活動名だけで選ぶ必要はありません。
自分の問題意識と志望理由につながっているかを基準に考えます。
おすすめ活動より先に3つの選択基準を確認する
活動を探す前に、次の3点を考えてください。
- 志望大学・学部の方針と大きくずれていないか
- 自分自身がその課題に関心を持っているか
- 活動を通じて確かめたいことがあるか
実際の指導でも、「教育学部だから学習支援」と活動名から決めるのではなく、「なぜそのテーマに関心を持ったのか」を先に整理しています。
参加理由を自分の言葉で説明できなければ、その活動を選ぶ目的から考え直した方がよい場合があります。
教育・福祉・地域・環境などの活動例を確認する
高校生が参加できるボランティアには、さまざまなものがあります。
代表例としては、
- 子ども食堂や学習支援
- 福祉・地域支援活動
- 地域イベントやまちづくり活動
- 河川・森林などの環境保全活動
などがあります。
「教育系だから子ども食堂」「経済系だから地域イベント」と機械的に対応させる必要はありません。
活動例は、自分が関心を持つ社会課題を考えるための参考です。
活動ジャンルそのものが有利・不利を決めるわけではないため、自分がその活動で何を確かめたいのかまで考えて選びましょう。
志望学部だけを理由に活動を選ばない
志望学部と活動ジャンルが一致していても、参加理由を説明できなければ、活動とのつながりは表面的になります。
例えば、
「教育学部を受けるから学習支援ボランティアをする」
だけで終わらせるのではなく、
「学習環境による差に関心があり、現場でどのような課題があるかを知りたい」
といった自分自身の問題意識があるかを考えます。
活動を選ぶ段階で「なぜ参加するのか」を整理しておけば、後から無理に志望理由と結びつける必要もありません。
ボランティアは単発でもいい?回数・時間の考え方

「1回しか参加していない」「何時間やれば足りるのか」と不安になる受験生もいます。
回数や時間についても、全国共通の基準と大学独自の条件を分けて考える必要があります。
単発だから評価されないとは一律にいえない
単発のボランティアだからという理由だけで、全国一律に評価対象外になるわけではありません。
大学や方式によっては継続性や活動期間について独自の条件があります。
単発の経験しかない場合は、回数を増やすことだけを考えるのではなく、
- なぜ参加したのか
- 何を見たのか
- 参加後に何を考えたのか
を整理しておくと、その経験を具体的に説明しやすくなります。
大学側が何を評価するかは募集要項によって異なるため、「1回なら大丈夫」「単発は弱い」と一律に判断しないことが大切です。
全国共通の必要回数・活動時間は決まっていない
総合型選抜全体に共通する「○回以上」「○時間以上」という最低基準はありません。
必要な活動日数や時間を設定している場合、その条件は各大学・学部・方式の募集要項などで示されます。
そのため、「何時間やれば十分ですか」という問いに、全国共通の数字で答えることはできません。
活動時間を先に決めるのではなく、志望大学の条件に数値指定があるかを調べてください。
大学独自の活動日数・時間条件がある場合もある
大学独自の条件が設定されている例として、関東学院大学法学部の総合型選抜「社会活動評価型」があります。
2027年度案内では、対象となる社会活動について、
- 満15歳以降に参加した活動
- 1つの活動につき活動日数3日間以上
- 活動時間18時間以上
という要件を定めています。
アルバイトとしての活動や、参加者の一員として参加する大会等の催事で運営スタッフを務めた活動は対象外とされています。
この例からも分かるように、「全国共通の時間基準はない」ということと、「個別大学にも条件がない」ということは別です。
▶関東学院大学「社会活動評価型の社会活動実績証明書及び評価の視点」
活動回数を増やすこと自体を目的にしない
高3になると、「実績を増やさなければ」と焦って、短期間に複数の活動へ参加しようとする相談もあります。
実際の指導では、活動数を増やすこと自体を目的にはしていません。
1つの経験について、
「なぜ参加したのか」
「自分は何をしたのか」
「何に気づいたのか」
まで整理できているかを見ます。
新しい活動をいくつも追加すると、その分だけ志望理由書、小論文、面接、学力対策の時間も減ります。
活動数ではなく、目的と残り時間の両方から考えてください。
総合型選抜のボランティア証明書は必要?

ボランティア証明書が必要かどうかも、全国一律ではありません。
ここは大学による違いが大きいため、一般論ではなく公式情報で確認する必要があります。
証明書の必要性は大学・方式によって異なる
「大学受験ではボランティア証明書を必ずもらうべき」と考える必要はありません。
大学・方式によって、
- 指定された証明書を求める
- 客観資料や第三者による証明を求める
- 団体からの証明を求めない
など対応が異なります。
重要なのは、「証明書」という名称だけを見ることではありません。
募集要項の提出書類一覧や注意事項で、何をどの形式で提出する必要があるのかを確認してください。
大学公式情報で証明方法の違いを比較する
2026年9月時点で確認できる大学公式情報を比べると、証明方法の違いが分かります。
| 大学・方式 | 証明の扱い | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 関東学院大学 法学部・社会活動評価型 | 社会活動実績証明書が出願要件 | 3日以上かつ18時間以上などの条件あり |
| 関西学院大学 総合型選抜 | 活動を評価対象とする場合、客観資料または活動を知る人による証明が必要 | 証明がない活動は評価対象としない |
| 日本社会事業大学 総合型選抜 | 活動団体等からの活動内容・期間の証明は不要 | 活動報告書で活動実績を自分の言葉で説明する |
関西学院大学は、ボランティア活動について客観的な資料を求めています。
資料がない場合は、活動をよく知る人から活動内容・時間数を含む証明を得るよう案内し、証明がない活動は評価対象としないとしています。
日本社会事業大学の公式FAQでは、ボランティア先の団体などによる活動内容や期間の証明は必要ないとしています。
同じ総合型選抜でも証明方法は大きく異なります。
▶関西学院大学「2027年度 総合型選抜」
▶日本社会事業大学「社会福祉学部 Q&A」
証明書を頼む前に提出書類一覧を確認する
私は大学ごとの募集要項を確認する中で、証明方法が大学・方式によって異なることを長年見てきました。
実際の指導では、活動先へ証明書発行をお願いする前に、志望大学の「提出書類一覧」を確認するよう伝えています。
大学指定の様式があれば、その形式に合わせる必要があります。
反対に、団体からの証明自体を求めていない大学なら、先に活動先へ証明書を依頼する必要はありません。
順番は、
- 志望大学の募集要項を読む
- 提出書類と指定様式を調べる
- 必要な場合だけ活動先へ依頼する
と考えると整理しやすくなります。
証明書がない場合は大学指定の方法を確認する
活動先が証明書を発行していない場合も、自己判断で写真やSNS投稿を提出するのは避けてください。
大学によって認める証明方法が違うからです。
関西学院大学のように、活動を客観的に示す資料や、活動を知る第三者からの証明を求めるケースがあります。
日本社会事業大学のように、団体からの活動証明を必要としない大学もあります。
証明書が用意できないときは、
「代わりに何を出せばよいか」
をインターネット上の一般論だけで決めず、募集要項や入試FAQを確認してください。
それでも分からなければ、志望大学の入試担当窓口へ問い合わせる方法が確実です。
総合型選抜でボランティアの嘘・誇張を書かない理由

ボランティア経験を少しでも大きく見せたいと考える受験生もいます。
役割・活動期間・成果は事実の範囲で伝えることが基本です。
活動期間・役割・成果は事実の範囲で伝える
出願書類に事実と異なる内容を書くことには大きなリスクがあります。
大学によっては、出願書類に虚偽の記載や詐称があった場合、合格や入学を取り消す旨を募集要項で定めています。
東京国際大学の2027年度入試要項には、出願書類等に虚偽の記載や詐称があった場合、合格・入学を取り消すことがあると記載されています。
具体的な取り扱いは大学によって異なるため、志望大学の募集要項を確認してください。
ボランティアについても、
「参加した」
「運営した」
「企画した」
「責任者だった」
では意味が違います。
実際に担当していない役割まで大きく書かず、自分が行った範囲を正確に整理することが前提です。
役割を盛って説明できなくなった指導事例
面接練習や書類添削では、一般参加者だったにもかかわらず、「企画・運営を主導した」と実際以上に大きく書いていた受験生を見てきました。
活動内容を詳しく確認すると、
「どのように進めたのか」
「自分は何を担当したのか」
「周囲とどのように調整したのか」
といった活動プロセスを説明できなくなってしまいます。
「面接官なら嘘を必ず見抜く」という話ではありません。
事実以上の内容を書くと、書類と本人の説明との間に整合性を保ちにくくなるということです。
実際の指導では、役割を大きく見せるより、自分が本当にしたことを具体的に整理するよう伝えています。
実績の大きさより自分の行動と気づきを整理する
ボランティア経験を振り返るときは、実績の大きさを競う必要はありません。
神崎悠真の指導では、少なくとも次の点を整理します。
- 自分が実際に担当したこと
- なぜその行動を取ったのか
- 活動中に気づいた課題
- 活動後に考えるようになったこと
この4点が整理されていれば、自分の経験を事実に沿って具体的に説明しやすくなります。
ボランティア経験を実際の出願書類へまとめる段階では、総合型選抜の活動報告書の書き方|構成・例文・活動の選び方で、活動の選び方から文章化まで確認できます。
本記事でまず押さえておきたいのは、実績を大きく見せるのではなく、自分が実際に行ったことを正確に整理することです。
【Q&A】総合型選抜のボランティアで残る疑問

旧AO入試との違いや募集要項に記載がない場合など、受験生が抱きがちな細かい疑問をQ&A形式で整理しました。
Q. AO入試でもボランティアの扱いは同じですか?
A. 現在の「総合型選抜」は旧AO入試から名称が変更されたものですが、ボランティアの扱いは大学・方式ごとに確認する必要があります。
文部科学省の高大接続改革では、AO入試は総合型選抜へ名称変更されました。
調査書などの書類だけでなく、小論文、プレゼンテーション、口頭試問、教科・科目テスト、大学入学共通テストなどを用い、学力の3要素を多面的・総合的に評価する方向が明確にされています。
「旧AO入試は活動実績があればよい」といったイメージだけで判断せず、現在の志望大学がどの資料・評価方法を用いているかを募集要項で確認してください。
Q. 募集要項にボランティアの記載がない場合は?
A. 出願資格にボランティアの記載がなければ、少なくともその活動が出願条件として指定されているわけではありません。
ただし、提出書類や活動報告書の指定まで確認する必要があります。
ボランティアという言葉が出願資格になくても、幅広い活動経験を記載できる書類を設けている大学はあります。
その経験を使うかどうかは、志望大学の指定と、自分の志望理由との関係から考えてください。
Q. ボランティア以外の経験も評価材料になりますか?
A. 評価材料になり得ます。ただし、何を選考材料として扱うかは大学・方式によって異なります。
文部科学省の活動報告書イメージ例では、「総合的な探究の時間」、部活動、生徒会活動などにおける課題研究等のほか、ボランティア、各種大会・コンクール、留学・海外経験などが示されています。
実際の指導でも、部活動、学校行事、委員会活動などを含めて高校生活を棚卸ししています。
「ボランティアをしていない=書ける経験がない」と決めつけず、まず自分がこれまで何に取り組んできたかを整理してください。
Q. 活動先が証明書を発行しない場合はどうする?
A. まず、志望大学がその活動について証明を求めているかを確認してください。
証明が必要な方式で活動先が一般的な証明書を発行していない場合は、自己判断で写真やメモを代用せず、大学が指定する方法を確認します。
関西学院大学のように、客観資料がない場合は活動を知る人から証明を得る方法を示している大学もあります。
日本社会事業大学のように、団体等からの活動内容・期間の証明を求めない大学もあります。
募集要項やFAQで判断できない場合は、大学の入試担当窓口へ事前に問い合わせてください。
まとめ|自分にボランティアが必要か判断する

記事の重要ポイント
総合型選抜のボランティアについて、特に押さえておきたいのは次の5点です。
- ボランティアは総合型選抜全体で一律必須ではない
- 出願条件・評価材料・証明資料は分けて考える
- ボランティア経験がなくても、既存経験を見直す余地がある
- 高3から始めるかは、目的・既存経験・残り時間で考える
- 証明書や証明資料の条件は大学・方式によって異なる
「何回やれば有利か」「どの活動なら受かりやすいか」という全国共通の答えを探すより、自分が受ける方式の条件を確認することが先です。
迷ったときの判断基準と次の行動
迷った場合は、次の順番で整理してください。
- 志望大学の最新募集要項を開く
- 出願資格・提出書類・選考方法を確認する
- 部活動や探究など、今までの経験を棚卸しする
- 志望理由につながる経験がすでにないか考える
- 必要性があり、他の受験対策と両立できる場合に新しい活動を検討する
高3で活動実績が少ないと感じても、「今から何か増やさなければ」と急ぐ必要はありません。
志望大学の条件を確かめ、自分がすでに持っている経験を整理したうえで、それでも必要なら目的を持ってボランティアを追加する。
この順番で考えることが、限られた受験準備の時間を使ううえで大切です。
一人で判断するのが難しい場合は、総合型選抜専門塾へ相談する選択肢もあります。
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執筆者プロフィール

※この記事は、総合型選抜・学校推薦型選抜に精通した神崎悠真が執筆しています。志望理由書や自己PR、活動報告書、面接、小論文など、出願から選考までに必要な対策について調査・分析した知見を記事に反映しています。
神崎悠真は、総合型選抜・学校推薦型選抜を中心に、大学ごとの入試制度や選考方法、出願書類、面接・小論文対策などの情報を整理・分析しています。受験生が「何を、いつまでに準備すればよいのか」を具体的に判断できる、わかりやすく実践的な情報提供を心がけています。
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