総合型選抜は成績関係ない?評定が低い人の募集要項確認3ステップ

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評定が低いと、「総合型選抜も難しいのでは」と不安になる人は少なくありません。
総合型選抜は「成績が関係ない入試」でも、「評定が低ければ受けられない入試」でもありません。
大学・学部・選抜方式によって、評定が出願条件になる場合もあれば、数値基準を設けていない場合もあります。
大切なのは、評定の数字だけで判断せず、募集要項を「出願資格→調査書→選考方法・配点」の順に読むことです。
記事のポイント
- 成績だけで合否は決まりません
- 評定条件なしでも要確認です
- 募集要項は3点で確認できます
- 一般選抜の勉強も続けましょう
総合型選抜は成績関係ない?まず結論

総合型選抜で成績・評定がどこまで関係するかは、大学・学部・選抜方式によって異なります。
まず、「成績が関係あるか・ないか」の二択で考えないことが大切です。
成績・評定がまったく関係ないとは限らない
総合型選抜でも、成績が一切問われないとは限りません。
文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」では、大学入学者選抜において「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度」という学力の三要素を適切に把握することが示されています。
総合型選抜でも、書類審査や面接だけでなく、大学教育を受けるために必要な知識・技能などを評価する方法の活用が求められています。
評定に数値の下限を設けている方式もあれば、数値基準を設けていない方式もあります。
私が評定に不安のある生徒や保護者から相談を受けたときも、「評定が低いから総合型選抜は無理」と数字だけで可能性を閉ざさないように伝えていました。
評定によって選べる方式が狭まる場合があることも事実です。
「出願できる」と「合格しやすい」は別
相談でよくあったのが、「評定基準を満たしているなら、合格ラインにも届いている」という誤解です。
私は生徒に、「出願資格は入場ゲート、選考評価はゲートを通ったあとの採点」と説明していました。
出願資格を満たしたというのは、選考を受けられるようになったということです。
その後は、同じ条件を満たした受験生の中で選考を受けます。
| 比較項目 | 出願資格(出願基準) | 選考評価(合否判定) |
|---|---|---|
| 役割 | 選考を受けるための条件 | 合格者を選ぶための評価 |
| 確認場所 | 募集要項の「出願資格」など | 「選考方法」「配点」など |
| 評定の扱い | 数値基準がある場合・ない場合がある | 調査書などの扱いは方式ごとに異なる |
| 条件を満たすと | 出願できる | 合否はその後の選考で決まる |
「出願できる」と「合格しやすい」を分けるだけでも、評定の見方はかなり整理できます。
評定が低いと総合型選抜でどこに影響する?

評定が低い場合、まず考えたいのは「何点なら大丈夫か」ではありません。
評定が、出願前と出願後のどこで使われるのかを切り分けます。
評定が出願資格になるケース
大学によっては、「全体の学習成績の状況」に数値基準を設けています。
2027年度の慶應義塾大学法学部FIT入試B方式では、指定された各教科(外国語・数学・国語・地理歴史・公民)と、全体の学習成績の状況がそれぞれ4.0以上であることが出願資格に含まれています。
このような方式では、基準を満たしているかが最初の関門です。
「評定4.0」が総合型選抜全体の目安という意味ではありません。
あくまで、この年度・大学・学部・方式に設けられた条件です。
入試条件は変更されることがあります。
実際、慶應義塾大学法学部は2028年度からFIT入試のA方式・B方式を統合し、出願要件を変更する予定であることを公表しています。
過去の記事や大学名だけではなく、自分が受験する年度の募集要項を見る必要があります。
調査書が選考材料になるケース
出願資格に評定の数値基準がなくても、調査書などの書類が選考資料に含まれる場合があります。
ここで注意したいのは、「調査書を提出する」ことと、「評定が何点分評価されるか」は別だということです。
調査書を求める方式でも、
- 配点を公表している
- 総合評価の資料としている
- 詳細な評価方法を公表していない
など、扱いは一律ではありません。
調査書に評定や出欠などが記載されていても、それぞれを合否でどの程度評価するかは方式によって異なります。
募集要項に扱いが書かれていなければ、「評定が○割影響する」などと推測する必要はありません。
評定の配点・重みが非公表なら推測しない
総合型選抜では、評価項目は示されていても、細かな重み付けまで公表されていないことがあります。
立教大学も2027年度自由選抜入試のQ&Aで、総合評価における活動内容や英語資格・検定試験などの詳しい評価方法については回答していないとしています。
このような場合に、「ネットでは評定が一番重要と言われている」「実際は面接で決まるらしい」といった情報から重みを決めつけるのは避けます。
私が生徒と募集要項を見るときも、基準は公表されている情報でした。
分からないことは、分からないままにしておく。
そのうえで、出願資格や選考項目など、大学が公表している事実から受験方法を考える方が現実的です。
評定が低い人の募集要項確認3ステップ

評定に不安があるときは、募集要項を上から全部読む必要はありません。
私は生徒と一緒に、次の3つを順番に見ていました。
ステップ1|出願資格の評定基準を確認
最初に見るのは「出願資格」「出願要件」の欄です。
ここでは、
- 「全体の学習成績の状況」に数値条件があるか
- 特定教科にも評定条件があるか
- そのほかに満たす必要がある条件はないか
を見ます。
数値基準を満たしていなければ、その方式では出願できない場合があります。
自分の評定が条件を満たしているか確認する必要がある場合は、評定平均の出し方|自動計算ツール・3年間の計算・四捨五入を解説で計算方法を確認できます。
反対に、評定について数値条件が記載されていなければ、少なくとも「評定○以上」という理由だけで出願資格を失う方式ではないと読めます。
ステップ2|調査書の扱いを確認
次は「出願書類」「選考書類」などを見ます。
調査書が必要なら、その後に「選考方法」まで読み進めてください。
ポイントは、調査書の扱いについて、
- 点数が示されているのか
- 総合評価に使用すると書かれているのか
- 参考資料とだけ書かれているのか
- 詳しい重みは公表されていないのか
を分けることです。
「参考資料」とだけ記載されている場合、それだけでは評定が合否にどれだけ影響するかは分かりません。
提出されることと、各項目の影響度を同じものとして考えないようにします。
ステップ3|選考方法と配点を確認
3つ目は「選考方法」「配点」です。
総合型選抜では、方式によって選考内容がかなり違います。
例えば、
- 志望理由書
- 活動報告書
- 小論文
- 面接
- プレゼンテーション
- 口頭試問
- 基礎学力検査
- 大学入学共通テスト
などが使われます。
配点が公表されているなら、書類や当日試験が総合評価の中でどの程度を占めるか確認できます。
配点や評価の重みが非公表なら、「面接の方が重いはず」といった推測はしません。大学が募集要項で公表している選考項目までを判断材料にします。
募集要項を開いたら、次の順番でチェックしてください。
- ステップ1:出願資格
評定の下限や教科別条件があるか - ステップ2:調査書
提出の有無と、大学が公表している扱いを確認する - ステップ3:選考方法・配点
書類、面接、小論文、学力試験など何が評価されるかを見る
私が生徒と募集要項を見るときも、評定の数字だけを眺めるのではなく、この順番で確認していました。
「評定条件なし」なら成績は見られない?

ここは、実際の相談でも特に誤解が多かったところです。
「評定○以上」という条件がないことと、高校時代の成績を一切確認しないことは同じではありません。
評定基準なしと「調査書を見ない」は別
出願資格に評定の数値条件が書かれていなくても、調査書や成績証明書などを提出する方式があります。
そのため、
「評定基準なし=成績をまったく見ない」
とは一律に判断できません。
ただし、調査書を提出するからといって、「評定が合否に大きく影響する」とも限りません。
大学がどの書類を求め、どのような方法で評価するのかは、その方式の募集要項から読み取ります。
文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項でも、総合型選抜では詳細な書類審査と面接等を組み合わせ、さらに大学教育に必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力等を適切に評価することが示されています。
つまり、「評定基準がない」という1点だけでは、その方式の評価方法までは分からないということです。
大学名ではなく学部・選抜方式で確認する
「慶應は評定が必要」「立教は評定不要」といった大学名だけの覚え方はおすすめできません。
同じ大学でも、学部や方式によって条件が違うからです。
2027年度の慶應義塾大学法学部FIT入試では、B方式に「指定教科と全体の学習成績の状況4.0以上」という条件があります。
A方式にはB方式と同じ4.0という数値条件は設けられていません。
立教大学も、2027年度自由選抜入試について「学部・学科(専修)ごとに出願資格が異なる」と公式Q&Aで案内しています。
見る単位は「大学」ではなく、大学+学部・学科+選抜方式+年度です。
評定が低くても受けられる大学・方式はある?

評定に不安があっても、数値の下限を設けていない方式まで最初から除外する必要はありません。
「評定不要」という言葉だけで受験先を決めるのも避けたいところです。
評定の下限基準がない方式もある
実際に、評定の数値による下限を設けていない総合型選抜はあります。
筑波大学情報学群情報科学類は、AC入試について「調査書の成績基準もありません」と公式サイトで案内しています。
筑波大学の2027年度AC入試は、書類選考と面接・口述試験による自己推薦型の入試として実施されています。
慶應義塾大学法学部FIT入試A方式も、2027年度はB方式に設けられている4.0以上という数値条件とは異なる出願資格になっています。
ここで大学一覧を大量に集める必要はありません。
自分の志望分野に合う大学から募集要項を開き、評定の下限があるかを見る方が、実際の志望校選びにつながります。
評定以外に何を評価されるか確認する
評定の下限がない方式を見つけたら、次に見るのは「代わりに何を評価するのか」です。
具体的には、
- 英語資格・検定
- 学校内外での活動や探究
- 志望理由書などの提出書類
- 小論文や課題
- 面接・口頭試問
- プレゼンテーション
- 学力検査
などがあります。
すべての方式でこれらが必要という意味ではありません。
何を課すかは大学・学部・方式ごとに異なります。
私は「評定不要だから受けよう」とは決めさせず、その方式が評価するものと、その生徒がすでに持っている強みが合っているかまで一緒に見ていました。
英語資格を持っているだけで向いているわけでも、活動実績があれば評定を補えると決まっているわけでもありません。
まず募集要項から「この方式では何が評価されるのか」を確認することが先です。
評定が低い人が避けたい3つの誤解

評定に不安を抱える生徒や保護者の相談では、似た勘違いが何度も出てきました。
特に注意したいのが、次の3つです。
評定基準ギリギリなら合格圏だと思う
出願資格が「全体の学習成績の状況3.8以上」だったとします。
自分の評定が3.8なら出願条件は満たしています。
それだけで「合格圏に入った」とは言えません。
実際の相談でも、「基準を超えたから大丈夫ですよね」と安心してしまうケースがありました。
私は、「その数字は合格ラインではなく、入場ゲートを通るための条件です」と説明していました。
条件を満たした後は、書類、面接、小論文など、その方式で定められた選考を受けます。
評定不要なら受かりやすいと思う
「評定条件なし」を「簡単な入試」と読み替えるのも危険です。
評定の下限がなくても、
- 活動実績を示す書類が必要
- 英語資格など別の出願条件がある
- 面接や口頭試問がある
- 小論文などで学力・思考力を見る
といった方式があります。
だからこそ、評定条件の有無だけでは難易度を判断しません。
「自分が出願できるか」に続いて、「何を評価されるのか」まで見る必要があります。
成績が低いから総合型選抜一本に絞る
評定への不安から、「一般選抜は厳しそうなので総合型選抜だけにしたい」と相談されることもありました。
実際に、評定3.2で評定不問の総合型選抜一本を希望していた生徒にも、私は一般選抜の勉強を完全には止めさせませんでした。
文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜の判定結果は11月1日以降に発表するとされています。
結果が出てから一般選抜の学習をゼロから始めるのでは、立て直しが難しくなる場合があります。
総合型選抜を選ぶことと、一般選抜に備えることは両立できます。総合型選抜と一般選抜の違い|どっちが難しい?両立できる?では、どちらを軸にするか判断する基準と両立の考え方を整理しています。
評定が低くても一般選抜の勉強は止めない

総合型選抜に力を入れる場合でも、一般選抜を視野に入れているなら基礎学力の維持は続けたいところです。
これは不合格への備えだけが理由ではありません。
総合型選抜は受験機会の一つと考える
私は、総合型選抜を「一般選抜の勉強から逃げるための入試」として選ばないように伝えていました。
総合型選抜は、年内に挑戦できる受験機会の一つです。
一般選抜も受ける可能性があるなら、英語や国語、数学など必要な科目の学習を止める理由にはなりません。
総合型選抜の書類作成や面接対策にどれだけ時間を使うかは、生徒の学力、志望校、出願時期によって変わります。
一律に「総合型○割、一般○割」と決めるのではなく、一般選抜へ切り替えられる状態を残しておくことを重視していました。
学力試験を使う総合型選抜もある
総合型選抜だからといって、学力対策が不要になるわけでもありません。
文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜において、大学教育に必要な知識・技能や思考力・判断力・表現力等を評価するため、調査書等だけではなく、一定の評価方法を少なくとも一つ活用することが求められています。
方式によっては大学入学共通テストを利用したり、基礎学力検査や口頭試問を課したりします。
その意味でも、一般選抜のために続けている基礎学習が、総合型選抜の対策と切り離せないケースがあります。
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【Q&A】総合型選抜と成績・評定のよくある疑問

最後に、本文を読んだあとにも残りやすい成績・評定の疑問を整理します。
Q.評定平均3.0以下でも出願できる?
A. 一律に「出願できない」とは言えません。
募集要項に「全体の学習成績の状況○以上」という数値条件がない方式なら、評定3.0以下であることだけを理由に出願資格を失うとは限りません。
評定基準がないことと、成績が選考にまったく関係しないことは別です。
出願資格、調査書の扱い、選考方法の3点を志望する方式ごとに確認してください。
Q.評定は高い方が有利になる?
A. 評定をどのように評価するかによって異なります。
調査書の配点などが公表されている方式なら、公表されたルールの範囲で評定の影響を判断できます。
評価の重みが非公表なら、「評定が高ければ必ず有利」「○以上なら安心」とまでは言えません。
公表されていない評価方法は推測せず、募集要項に示された基準で考えるのが基本です。
Q.AO入試でも高校の成績は関係する?
A. 現在の総合型選抜では、高校までに身につけた学力を無関係とは考えられません。
旧AO入試は2021年度入試から「総合型選抜」という名称になりました。
現在の文部科学省の大学入学者選抜実施要項でも、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度」の学力の三要素を適切に把握する考え方が示されています。
評定を何点以上求めるかは各大学・学部・方式で異なります。
旧AO入試から現在の総合型選抜へ何が変わったのか、制度全体から確認したい場合は、総合型選抜とは?仕組み・選考方法・一般選抜との違いをわかりやすく解説で整理しています。
Q.「内申はいらない」と考えていい?
A. 「内申はいらない」と一括りに考えない方がよいでしょう。
大学入試では、募集要項に「全体の学習成績の状況」という表現が使われることがあり、調査書には各教科・科目の学習記録などが記載されます。文部科学省は令和9年度入試用の調査書様式も公表しています。
高校受験で使う「内申」という言葉だけで判断せず、大学の募集要項で「調査書」「全体の学習成績の状況」がどう扱われているかを見てください。
まとめ|評定だけで決めず募集要項の3点を確認

評定が低いからといって、総合型選抜を一律に諦める必要はありません。
「総合型選抜なら成績は関係ない」と考えるのも正確ではありません。
成績は出願条件と選考評価を分けて考える
最初に分けたいのは、出願資格と選考評価です。
出願資格は、選考を受けるための「入場ゲート」。
選考評価は、そのゲートを通った後に行われる「採点」です。
評定基準を満たしても合格が決まるわけではありません。
反対に、評定の数値条件がなくても、調査書などの書類や別の選考方法が使われることがあります。
「成績は関係ある・ない」だけで終わらせず、どの段階でどう関係するのかを見ることが大切です。
迷ったら募集要項を3ステップで確認する
自分の評定で受けられるのか迷ったら、志望大学の最新募集要項を開いてください。
見る順番は3つです。
- 出願資格
評定や教科別の数値条件があるか - 調査書の扱い
提出が必要か、評価方法が公表されているか - 選考方法・配点
書類、面接、小論文、口頭試問、学力試験など何が評価されるか
私は実際の相談でも、この順番で募集要項を一緒に確認していました。
評定の数字だけを見て「無理」「大丈夫」と決めるのではなく、大学が公表している条件から、自分が検討できる方式なのかを整理していきましょう。
執筆者プロフィール

※この記事は、総合型選抜・学校推薦型選抜に精通した神崎悠真が執筆しています。志望理由書や自己PR、活動報告書、面接、小論文など、出願から選考までに必要な対策について調査・分析した知見を記事に反映しています。
神崎悠真は、総合型選抜・学校推薦型選抜を中心に、大学ごとの入試制度や選考方法、出願書類、面接・小論文対策などの情報を整理・分析しています。受験生が「何を、いつまでに準備すればよいのか」を具体的に判断できる、わかりやすく実践的な情報提供を心がけています。
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