給料がもらえる大学はある?大学校5校を学費・給与で比較

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給料がもらえる大学は実際にあります。
ただし、本記事で扱うのは一般的な大学ではなく、採用試験などを経て国家公務員として働きながら学ぶ「省庁大学校」です。
対象となる5校について、2026年時点の給与・学費・学位・卒業後の進路を比較します。
金銭面だけでなく、学生生活や将来の仕事まで見たうえで、自分の進路候補にできるか考えていきましょう。
記事のポイント
- 給料が出る大学校5校の学費と最新手当がわかる
- 一般大学との身分や生活ルールの違いを整理できる
- 卒業後の早期離職時に生じる償還制度や進路まで確認できる
- 自分に合う進学先か4つの手順で冷静に判断できる
給料がもらえる大学はある?まず5校と仕組みを確認

「給料がもらえる大学」という言葉だけでは、一般大学の奨学金や企業内の訓練校まで含んでしまいます。
ここでは最初に、本記事で比較する5校の範囲と、なぜ在学中に給与や手当が支給されるのかを押さえます。
本記事で比較する大学校5校の対象基準
本記事では、高校卒業後に受験でき、採用試験などを経て国家公務員として採用され、その身分で教育・訓練を受ける大学校を比較対象とします。
一般的な大学のように「学生として入学して授業料を払う」のではなく、国の職員を養成する機関として設置されている点が大きな違いです。
対象とするのは、次の5校です。
- 防衛大学校
- 防衛医科大学校
- 海上保安大学校
- 航空保安大学校
- 気象大学校
この基準は、給付型奨学金のある一般大学や、採用後の職員研修を目的とする研修機関とは分けて考えています。
「日本でお金を受け取りながら学べる教育機関が5つしかない」という意味ではありません。
給料をもらいながら学べる大学校は5校
本記事の基準に該当するのは、防衛大学校・防衛医科大学校・海上保安大学校・航空保安大学校・気象大学校です。
共通しているのは、採用後に国家公務員等の身分で学び、入学金・授業料等を徴収されず、給与や学生手当を受け取れることです。
卒業後の仕事は同じではありません。
防衛大学校なら幹部自衛官、海上保安大学校なら幹部海上保安官、気象大学校なら気象庁職員というように、教育内容は卒業後の職務と強く結びついています。
「どこが一番多く給料をもらえるか」だけでなく、「その先の仕事を自分が選びたいか」まで見る必要があります。
大学校の給与はアルバイト代とは違う
大学校で受け取るお金は、一般大学に通いながら行うアルバイトの収入とは性質が違います。
採用後は国家公務員等の身分となり、その立場に伴って学生手当や給与が支給されます。
服務上の義務があり、兼業にも制限があります。
例えば、気象大学校では、学生は気象庁職員として国家公務員の身分を持ち、アルバイトは禁止されています。
防衛大学校も、学業や訓練に専念すること自体が仕事だと公式に説明しています。
「学費がかからず、お金までもらえる」という部分だけを切り取るのではなく、職員を育成する制度の中で給与が支給されると捉えるのが正確です。
給料がもらえる大学校5校を学費・給与で比較

5校は、給与額だけでなく、在学中の身分、取得できる学位、卒業後の職業にも大きな違いがあります。
まずは全体像を比較してから、それぞれの学校を詳しく見ていきます。
| 学校・課程 | 所管 | 在学中の身分 | 月額給与・手当 | 入学金・授業料 | 学位 | 卒業後 | 償還・注意点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 防衛大学校 | 防衛省 | 特別職国家公務員 | 166,400円 (2026年4月現在) | 納入なし | 学士 (人文科学・社会科学・理学・工学) | 卒業後は陸・海・空曹長に任命され、各自衛隊の幹部候補生学校へ進学。約1年後に3等陸・海・空尉へ昇任 | 4年間、全員が学生舎で生活。食事・被服・寝具などは貸与または支給 |
| 防衛医科大学校 医学科 | 防衛省 | 特別職国家公務員 | 161,000円 (2026年1月1日現在) | 徴収なし | 学士(医学) | 卒業後、医科幹部候補生として教育を受け、自衛隊医官として勤務 | 卒業後の勤務年限が9年未満で離職する場合は償還対象。令和7年3月卒業生の最高額は4,421万円 |
| 防衛医科大学校 看護学科・自衛官コース | 防衛省 | 特別職国家公務員 | 161,000円 (2026年1月1日現在) | 徴収なし | 学士(看護学) | 幹部候補生学校などで教育を受け、自衛隊病院や衛生科部隊などで看護官として勤務 | 卒業後の勤務年限が6年未満で離職する場合は償還対象。令和7年3月卒業生の最高額は980万円 |
| 防衛医科大学校 看護学科・技官コース | 防衛省 | 特別職国家公務員 (非常勤職員) | 勤務時間に応じた 非常勤職員手当 | 徴収なし | 学士(看護学) | 防衛医科大学校病院で保健師・看護師である技官として勤務 | 卒業後の勤務年限が6年未満で離職する場合は償還対象。令和7年3月卒業生の最高額は979万円。希望者は有料で入寮可能 |
| 海上保安大学校 | 海上保安庁 | 一般職国家公務員 | 208,312円 (2026年4月現在) | 不要 | 学士(海上保安) | 本科卒業後、専攻科・国際業務課程などを経て、初級幹部として巡視船等で海上保安業務に従事 | 全員が学生寮で生活。教科書・食費・身の回り品などは自己負担 |
| 航空保安大学校 | 国土交通省 | 一般職国家公務員 | 222,333円程度 (2026年4月1日現在) | 不要 | 学位取得不可 | 修了後は全国の航空官署へ配属され、所定の研修・訓練や試験を経て航空管制運航情報官・航空管制技術官などに任命 | 本科は2年制。修了しても学士号は取得できない |
| 気象大学校 | 気象庁 | 一般職国家公務員 (気象庁職員) | 216,324円 (2026年4月1日現在) | 不要 | 学士(理学) | 卒業後は気象庁本庁や地方気象台などで技術系職員として勤務 | 学生寮費は無料。教科書代・食費などは自己負担 |
※給与・手当は2026年9月18日時点で確認できる防衛省、防衛医科大学校、人事院、海上保安大学校、航空保安大学校、気象大学校の公式情報をもとに掲載しています。防衛医科大学校の学生手当は2026年1月1日現在、それ以外の掲載給与は2026年4月時点の公表額です。給与・手当や制度は法改正等により変更される場合があります。
※スマートフォンでは表を左右にスクロールしてご覧ください。
防衛大学校|給与・学費・学位・卒業後
防衛大学校は、将来の幹部自衛官を養成する防衛省の大学校です。
学生は特別職国家公務員の身分で、4年間の教育・訓練を受けます。
| 項目 | 基本情報 |
|---|---|
| 所管 | 防衛省 |
| 修業年限 | 4年間 |
| 学生の身分 | 特別職国家公務員 |
| 学生手当 | 月額166,400円(2026年4月現在) |
| 期末手当 | 年2回(6月・12月) |
| 期末手当の実績 | 令和7年度実績: 1学年 年366,275円 2〜4学年 年563,500円 |
| 入学金・授業料 | 納入なし |
| 生活 | 全員が学生舎で生活 |
| 食事・被服など | 食事・被服・寝具などを貸与または支給 |
| 取得できる学位 | 学士(人文科学・社会科学・理学・工学)のいずれか |
| 卒業後 | 卒業後は陸・海・空曹長に任命され、各自衛隊の幹部候補生学校へ進みます。教育・部隊勤務等を経て、卒業から約1年後に3等陸・海・空尉へ昇任するのが基本的な流れです。 |
※学生手当・期末手当は2026年9月18日時点で確認できる防衛大学校公式情報をもとに掲載しています。学生手当や制度は法改正等により変更される場合があります。
学生手当は2026年4月現在で月額166,400円です。
6月と12月には期末手当が支給されます。
入学金・授業料の納入はなく、学生舎での食事や被服、寝具なども貸与または支給されます。
本科4年間を卒業し、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構の審査に合格すると、人文科学・社会科学・理学・工学のいずれかの学士号を取得できます。
卒業後すぐに3等陸・海・空尉になるわけではありません。
陸・海・空曹長に任命され、各自衛隊の幹部候補生学校へ進みます。
その後、教育・訓練などを経て、防衛大学校卒業から約1年後に3等陸・海・空尉へ昇任するのが基本的な流れです。
進路として検討するときは、学費や学生手当だけでなく、「4年間の学生舎生活と教育・訓練を経て、将来は幹部自衛官として働きたいか」まで考えることが大切です。
防衛医科大学校|給与・学費・償還制度
防衛医科大学校には医学科と看護学科があり、看護学科はさらに「自衛官コース」と「技官コース」に分かれます。
身分や手当、卒業後の進路が異なるため、分けて確認しておきましょう。
| 項目 | 医学科 | 看護学科・自衛官コース | 看護学科・技官コース |
|---|---|---|---|
| 修業年限 | 6年間 | 4年間 | 4年間 |
| 身分 | 特別職国家公務員 | 特別職国家公務員 | 特別職国家公務員 (非常勤職員) |
| 学生手当等 | 月額161,000円 (2026年1月1日現在) | 月額161,000円 (2026年1月1日現在) | 勤務時間に応じた 非常勤職員手当 |
| 期末手当 | 年2回(6月・12月) | 年2回(6月・12月) | 勤務時間に応じて支給 |
| 入学金・授業料等 | 徴収なし | 徴収なし | 徴収なし |
| 寮・学生舎 | 全員が学生舎で生活 | 全員が学生舎で生活 | 希望者は有料で入寮可能 |
| 取得できる学位 | 学士(医学) | 学士(看護学) | 学士(看護学) |
| 卒業後の主な進路 | 自衛隊医官として勤務 | 幹部候補生学校等を経て、自衛隊病院・衛生科部隊などで看護官として勤務 | 防衛医科大学校病院で、保健師・看護師である技官として勤務 |
| 償還対象となる勤務年限 | 卒業後9年未満で離職する場合 | 卒業後6年未満で離職する場合 | 卒業後6年未満で離職する場合 |
| 償還最高額の例 | 4,421万円 (令和7年3月卒業生) | 980万円 (令和7年3月卒業生) | 979万円 (令和7年3月卒業生) |
※学生手当、身分、期末手当、償還制度は2026年9月18日時点で確認できる防衛医科大学校公式情報をもとに掲載しています。医学科・看護学科自衛官コースの学生手当は2026年1月1日現在です。制度や金額は今後変更される場合があります。
※償還最高額は令和7年3月卒業生の例です。実際の償還額は離職時期などにより異なります。
医学科と看護学科自衛官コースの学生手当は、2026年1月1日現在で月額161,000円です。
看護学科技官コースは固定の学生手当ではなく、勤務時間に応じて非常勤職員手当が支給されます。
卒業後の進路も異なります。
医学科は自衛隊医官、看護学科自衛官コースは幹部候補生学校を経て自衛隊病院や衛生科部隊などで勤務します。
技官コースは、防衛医科大学校病院の保健師・看護師などとして勤務するのが基本です。
特に出願前に確認したいのが、卒業後の勤務年限と償還金です。
医学科では、卒業後の勤務年限が9年未満の場合、卒業までに要した経費を償還する規定があります。
令和7年3月卒業生の償還最高額は4,421万円です。
看護学科は6年未満が対象で、同時期の最高額は自衛官コース980万円、技官コース979万円となっています。
防衛医科大学校は「医学部・看護学部相当の学費負担を抑えられるか」だけで判断する学校ではありません。
卒業後にどの立場で、どの仕事を、どの程度の期間続けることになるのかまで理解したうえで進路候補に入れることが大切です。
海上保安大学校|給与・学費・卒業後
海上保安大学校は、将来の幹部海上保安官を養成する海上保安庁の大学校です。
本科の学生は、一般職国家公務員である海上保安庁職員として4年間学びます。
| 項目 | 基本情報 |
|---|---|
| 所管 | 海上保安庁 |
| 修業年限 | 本科4年間 |
| 在学中の身分 | 一般職国家公務員(海上保安庁職員) |
| 採用当初の給与 | 月額208,312円(2026年4月現在) |
| 期末・勤勉手当 | 年2回(6月・12月) |
| 入学金・授業料 | 不要 |
| 寮・生活 | 全員が学生寮で生活。寮費は不要 |
| 支給・貸与 | 制服類・寝具などを支給または貸与 |
| 自己負担 | 教科書・食費・身の回り品・パソコン・インターネット利用料など |
| 取得できる学位 | 学士(海上保安) |
| 本科卒業後 | 専攻科6か月、国際業務課程3か月へ進みます。本科を含めた教育期間は計4年9か月です。 |
| 主な卒業後の進路 | 初級幹部海上保安官として、全国の巡視船などへ配属 |
| 身体条件 | 身長・体重制限は2025年度の学生採用試験から撤廃。視力・色覚・聴力などの基準や体力検査はあります。 |
※給与・待遇は2026年9月18日時点で確認できる人事院・海上保安庁・海上保安大学校の公式情報をもとに掲載しています。給与や制度は法改正等により変更される場合があります。
※2025年度の学生採用試験から身長・体重の基準は廃止されましたが、視力・色覚・聴力などの身体検査や体力検査は引き続き実施されています。
2026年度の人事院資料では、採用当初の給与は月額208,312円です。
入学金・授業料、寮費は不要ですが、教科書や食費、身の回り品、パソコンなどは自己負担となります。
本科4年間を修了すると「学士(海上保安)」の学位を取得できます。その後は専攻科6か月、国際業務課程3か月などの教育を経て、初級幹部海上保安官として全国の巡視船などへ配属されます。
受験資格では、古い情報に注意が必要です。
海上保安大学校では、2025年度の学生採用試験から身長・体重の制限が撤廃されました。
視力・色覚・聴力などの身体基準は現在も設けられています。
以前の受験情報を見て「身長や体重の条件で受験できない」と判断するのではなく、志望年度の最新募集要項を基準に確認してください。
進路として考えるときは、給与や学費だけでなく、「卒業後に海上保安官として働きたいか」「船上勤務や全国配属を含む仕事を希望しているか」まで考えることが大切です。
航空保安大学校|給与・学費・卒業後
航空保安大学校は、航空の安全を支える専門職員を養成する国土交通省の大学校です。
高卒程度の学生採用試験では、航空情報科と航空電子科の2つの学科があります。
| 項目 | 基本情報 |
|---|---|
| 所管 | 国土交通省 |
| 学科 | 航空情報科・航空電子科 |
| 修業年限 | 2年間 |
| 在学中の身分 | 一般職国家公務員 |
| 採用当初の給与 | 月額222,333円程度(2026年4月1日現在) |
| 期末・勤勉手当 | 年間で俸給等の約4.65月分 |
| 入学金・授業料 | 不要 |
| 学生寮 | 原則として学生寮に入寮。家賃は無料で、各室はバス・トイレ付きの個室 |
| 自己負担 | 食費・水道光熱費・日用品・業務に必要な国家資格の申請費用など |
| 教科書代 | 不要 |
| 取得できる学位 | 学士号は取得できない |
| 卒業後の主な職種 | 航空情報科:航空管制運航情報官など 航空電子科:航空管制技術官など |
| 主な配属先 | 全国の空港などの航空官署 |
| 卒業後の就職活動 | 国家公務員として採用されたうえで入校するため、研修課程修了後に改めて就職活動を行う必要はありません |
※給与・待遇は2026年9月18日時点で確認できる国土交通省航空保安大学校・人事院の公式情報をもとに掲載しています。給与は2026年4月1日時点の額で、制度や金額は法改正等により変更される場合があります。
※航空保安大学校本科は2年制で、修了しても学士号は取得できません。
採用されると、一般職国家公務員として給与を受け取りながら2年間学びます。
2026年4月1日時点の給与は月額222,333円程度で、入学金・授業料はかかりません。
修了後は全国の航空官署へ配属され、所定の研修・訓練や試験を経て、航空情報科は航空管制運航情報官、航空電子科は航空管制技術官などとして勤務します。
一般大学のように、卒業前に民間企業を中心とした就職活動を行う進路ではありません。
入校時点から航空の安全を支える専門職へ進むことを前提にした教育と考えると分かりやすいでしょう。
もう一つ、進路を決める前に確認したいのが学位です。
航空保安大学校本科は2年制で、修了しても学士号は取得できません。
防衛大学校や気象大学校など、学士を取得できる大学校とはこの点が異なります。
給与額だけで比べるのではなく、「2年間で専門職へ進む進路を希望しているか」「学士号を取得しないことに納得できるか」まで含めて検討することが大切です。
気象大学校|給与・学費・学位・卒業後
気象大学校は、気象庁の技術系職員を養成する大学校です。
採用されると気象庁職員となり、一般職国家公務員として4年間学びます。
| 項目 | 基本情報 |
|---|---|
| 所管 | 気象庁 |
| 修業年限 | 4年間 |
| 在学中の身分 | 一般職国家公務員(気象庁職員) |
| 採用当初の給与 | 月額216,324円(2026年4月1日現在) |
| 期末・勤勉手当 | 年2回支給 |
| 入学金・授業料 | 不要 |
| 学生寮 | 智明寮(ちめいりょう)。原則として学生は全員入寮 |
| 寮費 | 無料 |
| 自己負担 | 教科書代・食費など |
| 取得できる学位 | 学士(理学) |
| 卒業後の主な進路 | 気象庁本庁、管区気象台、地方気象台などで、観測・予報・防災・調査・技術開発等の業務に従事 |
| 卒業後の就職活動 | 入校時点で気象庁職員として採用されているため、卒業時に一般的な就職活動を行う仕組みではありません |
※給与・待遇は2026年9月18日時点で確認できる人事院・気象大学校の公式情報をもとに掲載しています。採用当初の給与216,324円は2026年4月1日時点の額です。給与や制度は法改正等により変更される場合があります。
※智明寮は原則として全員入寮で、学生寮費は無料です。ただし、教科書代・食費などは自己負担となります。
2026年度の人事院資料では、採用当初の給与は月額216,324円です。
入学金・授業料はかからず、毎月の給与に加えて期末・勤勉手当なども支給されます。
敷地内には学生寮「智明寮」があり、寮費は無料です。
食費や教科書代などは自分で負担します。
気象大学校の寮生活は、防衛大学校の学生舎生活と同じではありません。
智明寮は学生による自治寮として運営されており、門限はありません。
勤務時間外は比較的自由に過ごすことができ、希望すれば寮以外から通学することも可能です。
4年間の課程を修了すると学士(理学)を取得できます。
卒業後は、気象庁本庁や管区気象台、地方気象台などで、予報・観測・防災に関わる技術系職員として勤務します。
進路として考えるときは、給与や学費だけでなく、「気象や防災を専門的に学び、卒業後も気象庁職員として働きたいか」まで含めて考えることが大切です。
一般大学と省庁大学校は何が違う?4項目で比較

一般大学との違いは、「学費が安いか高いか」だけではありません。
在学中の身分、お金の性質、学位、卒業後の進路を見ると、省庁大学校が一般大学とは異なる進路であることが分かります。
在学中の身分|学生と公務員等の違い
一般大学では、在学中の立場は基本的に「学生」です。
本記事で紹介している大学校では、採用後に国家公務員等の身分で教育を受けます。
大学校によって在学中の身分は異なります。
| 大学校・課程 | 国家公務員としての身分 |
|---|---|
| 防衛大学校 | 特別職国家公務員 |
| 防衛医科大学校・医学科 | 特別職国家公務員 |
| 防衛医科大学校・看護学科 自衛官コース | 特別職国家公務員 |
| 防衛医科大学校・看護学科 技官コース | 特別職国家公務員(非常勤職員) |
| 海上保安大学校 | 一般職国家公務員 |
| 航空保安大学校 | 一般職国家公務員 |
| 気象大学校 | 一般職国家公務員 |
※在学中の身分は2026年9月18日時点で確認できる防衛大学校、防衛医科大学校、海上保安庁、航空保安大学校、気象大学校・人事院の公式情報をもとに整理しています。
同じ「大学校」でも身分は完全に同一ではありません。
公務員としての服務や仕事と結びついた教育を受ける点は、一般大学との大きな違いです。
学費と給与|支払う費用と受け取るお金
一般大学では、原則として入学金や授業料を学生側が負担します。
本記事で扱う大学校では、入学金・授業料等を徴収せず、採用後は給与や学生手当が支給されます。
「学校生活にお金が一切かからない」とは限りません。
海上保安大学校では教科書・食費・身の回り品など、気象大学校では教科書代や食費などが自己負担です。
防衛医科大学校の技官コースも、希望して寮を利用する場合は有料となります。
比較するときは「授業料0円」だけでなく、在学中に自分で負担する費用まで見るのが実用的です。
国公立大学と私立大学の一般的な学費差については、本記事では深掘りしません。
省庁大学校との制度差に絞って考えます。
省庁大学校だけでなく一般の大学も候補にしている場合は、授業料だけで判断せず、通学費や一人暮らしの費用まで含めて比較します。
一般大学については、国公立大学と私立大学の学費や受験条件の違いも確認しておきましょう。
学位|大学校でも学士を取れる場合がある
「大学校は大学ではないから、大卒の学位は取れない」とは限りません。
防衛大学校、防衛医科大学校、海上保安大学校、気象大学校では、所定の課程を修了することで学士号を取得できます。
航空保安大学校の本科では学位を取得できません。
この違いは、卒業後ずっと同じ職場で働く場合だけを見ると意識しにくい部分です。
将来、大学院進学や別のキャリアを検討する可能性があるなら、取得できる学位まで含めて進路を考えてください。
卒業後|職業との結びつきが一般大学と違う
一般大学では、在学中に就職先や進学先を探し、卒業後の進路を決めるのが一般的です。
省庁大学校では考え方が違います。
防衛大学校なら幹部自衛官、海上保安大学校なら幹部海上保安官、気象大学校なら気象庁職員など、入校時点から育成する職業がはっきりしています。
就職活動をしなくてよいことだけを見るとメリットに感じるかもしれません。
裏を返せば「大学に入ってから将来の仕事を考える」という進路ではありません。
何を学びたいかと同じくらい、「卒業後、その仕事に就きたいか」が大切になります。
給料がもらえる大学校を選ぶ前の注意点

進路相談で私が特に気をつけていたのは、金銭面の魅力だけで話を終わらせないことでした。
学校によって生活環境も卒業後の条件も違います。
ここからは、出願前に見落としやすい部分を見ていきます。
寮・規律・訓練など学生生活が異なる
大学校の生活環境は、学校ごとにかなり差があります。
防衛大学校では全員が学生舎で生活し、学業だけでなく訓練課程も組み込まれています。
海上保安大学校も学生寮で生活し、授業や訓練を「課業」として受けます。
外出できる時間などには一定のルールがあります。
気象大学校の智明寮は自治寮で、門限もありません。
同じ「寮生活」でも、防衛大学校と同じ厳しさだとは言えません。
「大学校だから全部厳しい」と一括りにするのではなく、志望校の1日の生活、寮の規則、訓練内容まで具体的に見ることが大切です。
卒業後の早期離職で償還する場合がある
卒業後に早期離職した場合の償還制度は、学校や課程によって異なります。
特に制度が明確なのが防衛医科大学校です。
医学科は卒業後の勤務年限が9年未満、看護学科は6年未満で離職する場合、卒業までの経費を償還する規定があります。
令和7年3月卒業生の最高額は医学科4,421万円、看護学科979万〜980万円です。
この金額は、進路を決めてから初めて知る内容ではありません。
医学科・看護学科を候補に入れた段階で、卒業後の勤務条件と一緒に見ておきたい情報です。
他の大学校についても、退校・退職時の取扱いを防衛医科大学校と同じだと考えず、出願年度の募集要項や規程で個別に確認してください。
給料だけで選ぶと進路ミスマッチになりやすい
進路相談では、「学費がかからず、毎月お金も受け取れるから」という理由だけで大学校を候補にしていないかを見ていました。
ここで確認したいのは、給与額そのものではありません。
- 卒業後にどんな仕事をするのか
- 学生舎や寮でどんな生活をするのか
- 訓練や実習が自分に合うのか
- 途中で進路を変える場合にどんな条件があるのか
こうした点を知らずに「経済的だから」と決めると、入校後に想像していた進路との違いが大きくなります。
大学校の給与は、一般大学に通いながらアルバイト代を受け取る感覚とは違います。
金銭面は候補を知るきっかけにして、その後は必ず仕事内容と生活条件へ視点を移してください。
進路相談では費用より卒業後の仕事を確認した
個別指導塾で教室長をしていた頃、省庁大学校について相談を受けることがありました。
最初に多かったのは、「本当に毎月手当が出るのですか」「学費や寮費はかからないのですか」といった費用の質問です。
ところが制度を説明していくと、質問は変わっていきました。
「卒業後はどんな仕事をするのですか」
「民間企業に進むことはできますか」
こうした将来の職業に関する相談が増えていったのです。
私は面談でも、給与や学費の話だけで進路を決めないよう伝えていました。
最終的に考えてほしいのは、「卒業後の職務を、自分が希望する仕事として選べるか」です。
検索の入口が学費や給料でも、進路を決める出口は仕事です。
この順番を逆にしないことが、大学校を検討するときの大切なポイントだと考えています。
省庁大学校の難易度は?偏差値だけで判断しない

大学校の難易度を調べると、偏差値や倍率が気になると思います。
大学校は一般大学と選考方法が同じではありません。
学力だけでなく、人物試験や身体条件も含めて受験できるかを見る必要があります。
偏差値は難易度を見る一つの参考にする
省庁大学校についても、予備校や受験情報サイトが偏差値の目安を掲載している場合があります。
ただ、偏差値が示すのは主に学力試験の難しさです。
大学校によっては募集人数が少なく、人物試験や身体検査もあります。
「偏差値が届いているから合格できる」「偏差値が低いから受かりやすい」と単純には判断できません。
偏差値は学力面を見る一つの参考資料にとどめ、最終的には志望校の募集要項と試験内容を基準に考えてください。
学力試験・面接など選考内容も確認する
選考方法は大学校によって異なります。学力試験だけでなく、面接や身体検査、身体測定、体力検査などが行われる学校もあります。
防衛大学校のように受験方式によって試験内容が変わる学校もあるため、志望年度の募集要項を確認することが大切です。
| 大学校 | 第1次試験 | 第2次試験 | 主なポイント |
|---|---|---|---|
| 防衛大学校 (一般採用試験) | 学力試験・小論文 | 口述試験・身体検査 | 人文・社会科学専攻と理工学専攻では、学力試験の科目が異なります。いずれも第1次試験で小論文が実施されます。 防衛大学校公式|受験要項 |
| 防衛医科大学校 | 医学科: 学力試験・小論文試験 看護学科・自衛官コース: 学力試験・小論文試験 | 医学科: 口述試験・身体検査 看護学科・自衛官コース: 口述試験・身体検査 | 医学科と看護学科では試験内容が異なります。看護学科技官コースは自衛官コースとは別の採用試験として実施されるため、志望するコースごとの受験要項を確認してください。 防衛省公式|医学科 防衛省公式|看護学科 自衛官コース |
| 海上保安大学校 | 基礎能力試験 学科試験(数学・英語) 作文試験 | 人物試験(個別面接) 身体検査 身体測定 体力検査 | 学力だけでなく、人物面や身体条件、体力も選考対象です。身体測定では視力・色覚・聴力などを確認します。身長・体重制限は2025年度の学生採用試験から廃止されています。 海上保安大学校公式|本科学生採用試験 |
| 航空保安大学校 | 基礎能力試験 学科試験 航空情報科:数学・英語 航空電子科:数学・物理 | 人物試験(個別面接) 身体検査 身体測定 | 航空情報科と航空電子科では学科試験の科目が異なります。身体測定も、航空情報科は色覚・聴力、航空電子科は色覚など、学科によって基準が異なります。 航空保安大学校公式|学生採用試験 |
| 気象大学校 | 基礎能力試験 学科試験 (数学・物理・英語) 作文試験 | 人物試験 身体検査 | 学科試験には多肢選択式と記述式があり、数学・物理・英語が出題されます。第2次試験では人物試験と身体検査が行われます。 気象大学校公式|学生採用 |
※試験内容は2026年9月18日時点で確認できる各大学校・省庁の2026年度採用試験情報をもとに整理しています。試験科目・選考方法は年度や試験区分によって変更される場合があります。出願時は必ず最新の受験要項をご確認ください。
※防衛大学校は一般採用試験を掲載しています。推薦採用試験・総合選抜採用試験は試験内容が異なります。また、防衛医科大学校看護学科の技官コースは自衛官コースとは別の採用試験です。
「省庁大学校はすべて面接と小論文がある」といった一括りの理解はできません。
自分が受験する学校の最新年度の試験科目を基準に準備しましょう。
年齢・身体検査など受験資格にも注意する
省庁大学校は、学力試験の準備を始める前に受験資格も見ておく必要があります。
特に違いが大きいのが、高校卒業後に受験できる期間と身体検査の内容です。
2026年度に実施される主な学生採用試験を整理すると、次のようになります。
| 大学校 | 主な受験資格 | 身体検査・身体条件のポイント |
|---|---|---|
| 防衛大学校 | 一般採用試験は、高等学校・中等教育学校卒業者、高等専門学校3年次修了者等(見込みを含む)で、 21歳未満。 自衛官は23歳未満。 | 第2次試験で身体検査を実施。身長・体重・視力・色覚・聴力などについて、 自衛官等の採用のための身体検査基準が適用されます。 |
| 防衛医科大学校 | 医学科・看護学科 自衛官コース: 高卒者・高専3年次修了者等(見込みを含む)で、 18歳以上21歳未満。 看護学科 技官コース: 2027年4月1日現在で18歳以上24歳未満。 高校・中等教育学校卒業者、高専3年次修了者等(見込みを含む)が対象。 | 医学科・看護学科自衛官コースは、第2次試験で自衛官等の身体検査基準に基づく身体検査を実施。 技官コースも第2次試験で身体検査があり、視力・聴力・血圧・尿検査・胸部X線検査などを確認します。 |
| 海上保安大学校 | 2026年4月1日時点で、高校・中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して 2年を経過していない人、または2027年3月までの卒業見込み者等。 高専3年次修了者等についても同様の基準があります。 | 身体検査・身体測定・体力検査を実施。 身長・体重の制限は2025年度試験から撤廃されています。 視力・色覚・聴力などには基準があり、2026年度から体力検査の判定基準も改正されています。 |
| 航空保安大学校 | 2026年4月1日時点で、高校・中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して 3年を経過していない人、または2027年3月までの卒業見込み者等。 高専3年次修了者や高卒認定試験合格者等にも所定の資格があります。 | 第2次試験で身体検査・身体測定を実施。 航空情報科:色覚・聴力などを測定。 航空電子科:色覚などを測定。 学科によって身体測定の判定基準が異なります。 |
| 気象大学校 | 2026年4月1日時点で、高校・中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して 2年を経過していない人、または2027年3月までの卒業見込み者等。 高専3年次修了者等についても同様の基準があります。 | 第2次試験で身体検査を実施します。 海上保安大学校のような体力検査や、航空保安大学校のような学科別の身体測定は試験種目に含まれていません。 |
※受験資格・身体検査の内容は、2026年9月18日時点で確認できる防衛省、防衛医科大学校、人事院、海上保安庁、航空保安大学校、気象大学校の2026年度実施試験・2027年度入校に関する公式情報をもとに整理しています。受験資格や身体検査基準は変更される場合があるため、出願時は最新の受験要項をご確認ください。
※防衛大学校は一般採用試験の資格を掲載しています。推薦採用試験・総合選抜採用試験では応募条件が一部異なります。また、防衛医科大学校看護学科の技官コースは、自衛官コースとは別の採用試験です。
※いずれも日本国籍など、各採用試験で定められた資格要件があります。防衛大学校・防衛医科大学校は試験区分によって条件が異なるため、志望する区分の受験要項を確認してください。(防衛大学校公式|受験要項)
海上保安大学校では、以前設けられていた身長・体重の制限が2025年度の学生採用試験から撤廃されています。視力・色覚・聴力の検査や体力検査は引き続き実施されます。(海上保安大学校公式|本科学生採用試験)
航空保安大学校は航空情報科と航空電子科で身体測定の基準が同じではありません。航空情報科では色覚と聴力、航空電子科では色覚などが合否判定の対象となります。(航空保安大学校公式|学生採用試験)
受験資格や身体基準は改定されることがあります。
数年前の記事を見て「自分は受験できない」と決めるのではなく、出願する年度の公式募集要項を基準にしてください。
自治医科大学・産業医科大学は給料と仕組みが違う

「学費の負担を抑えて学べる大学」を調べると、自治医科大学や産業医科大学も候補として出てきます。
この2校は省庁大学校の給与制度とは別の仕組みです。
ここを混同すると、卒業後の条件を読み違えてしまいます。
給与・修学資金・授業料減免を区別する
自治医科大学や産業医科大学で利用される中心的な仕組みは「給与」ではなく「修学資金」です。
自治医科大学医学部では、学生納付金相当額などを入学者へ貸与し、所定の勤務条件を満たした場合に返還が免除されます。
2026年度の制度では、6年間の貸与総額は入学時学業準備費を含め2,300万円です。
産業医科大学医学部も、学生納入金の一部を修学資金として貸与する制度です。
給与として毎月自由に受け取る仕組みではありません。
省庁大学校の「国家公務員として受け取る給与」と、大学の「将来の勤務条件によって返還免除を受けられる貸与金」は分けて考えましょう。
身分・お金の性質・卒業後の条件で見分ける
進路相談では、このような制度を3つの軸に分けて説明していました。
- 「在学中の身分」
- 「受け取るお金の性質」
- 「卒業後の条件」
省庁大学校では、国家公務員等の身分で給与・手当を受けます。
自治医科大学や産業医科大学では、大学生として修学資金の貸与を受け、卒業後に定められた勤務条件を満たせば返還が免除されます。
名前や「学費負担が軽い」という結果だけを見ると似ていますが、制度は別物です。
迷ったときは、「これは給与なのか、貸与なのか」「卒業後に何をすると返還不要になるのか」の2点から読むと違いが見えてきます。
学費負担が軽くても返還条件を確認する
自治医科大学の医学部では、修学資金を6年間借りた場合、一般的な義務年限は9年間です。
その期間、出身都道府県に戻り、知事の指示に基づいて病院・診療所などで勤務します。
条件を満たせば修学資金の返還が免除されます。
産業医科大学医学部も、6年間貸与を受けた場合は9年間が返還免除に必要な期間です。
現在の制度では、その期間内に2年以上の産業医勤務が必要とされています。
どちらも「学費が安い医学部」とだけ捉えると、卒業後の条件が抜け落ちます。
貸与額だけでなく、「どこで、何年間、どのように働く必要があるのか」まで一緒に読んでください。
進路相談で確認した大学校選び4つの判断基準

私が大学校について相談を受けたときは、給与額の高い順には見ていませんでした。
次の4つを順番に確認すると、進路として自分に合うかを整理しやすくなります。
- □ 卒業後の職業を自分が希望している
- □ 志望校の寮・規律・訓練を受け入れられる
- □ 年齢・身体条件などの受験資格を満たしている
- □ 学位と将来のキャリアに納得している
1.卒業後の職業を本当に希望しているか
最初に見るのは給与ではなく、卒業後の仕事です。
防衛大学校なら幹部自衛官、海上保安大学校なら幹部海上保安官、航空保安大学校なら航空管制運航情報官・航空管制技術官など、気象大学校なら気象庁職員へとつながっています。
「興味のある分野を大学で学び、就職先は後で考える」という一般大学の選び方とは異なります。
進路相談でも、私は最初に「その仕事を将来自分の仕事として選びたいですか」と考えてもらっていました。
ここで迷うのであれば、給与や授業料の条件だけで出願を急ぐ必要はありません。
2.寮・規律・訓練の生活に適応できるか
次に見るのは、在学中の生活です。
「大学校=すべて厳しい寮生活」と決めつけるのも正しくありません。
防衛大学校には学生舎生活と訓練があり、海上保安大学校にも寮生活や課業としての訓練があります。
気象大学校の智明寮は自治寮で門限がないなど、生活ルールはかなり異なります。
志望校について、起床から就寝までの生活、外出、寮、訓練の内容を具体的に調べてみてください。
「この生活を数年間続けられそうか」と考えると、自分との相性が見えてきます。
3.身体検査を含む受験資格を満たすか
3つ目は、そもそも受験条件を満たしているかです。
募集要項には、年齢や学歴だけでなく、身体検査・身体測定の基準が設けられている試験があります。
条件は学校ごとに違い、改定されることもあります。
海上保安大学校の身長・体重制限が2025年度から撤廃されたことは、その代表例です。
受験勉強を本格化させる前に、志望年度の公式募集要項で出願資格と身体条件を読んでください。
過去のブログや数年前の受験情報だけで判断しないことが大切です。
4.学位と将来のキャリアに納得できるか
最後は、卒業後をもう少し長い目で考えます。
防衛大学校、防衛医科大学校、海上保安大学校、気象大学校では学士号を取得できます。
航空保安大学校本科では学位を取得できません。
今は「ずっとこの職業で働きたい」と思っていても、将来、大学院への進学や別の仕事を考える可能性はあります。
そのときに、取得する学位や専門性がどのような意味を持つのかも考えておきましょう。
給与・学費だけでなく、10年後、20年後まで納得できるかを見るのが4つ目の基準です。
大学校が向いている人・向いていない人
大学校が向いているかは、「学費を払えるか」だけでは決まりません。
向いている人の目安は、次のような人です。
- 卒業後に就きたい職業が具体的に決まっている
- 志望校の生活環境や訓練内容を理解している
- 受験資格や身体条件を満たしている
- 給与が出る理由を理解し、公務員として学ぶことに納得している
- 取得できる学位と将来のキャリアを確認している
反対に、慎重に考えた方がよいのは次のような場合です。
- 最大の志望理由が「学費無料・給与あり」だけになっている
- 大学に入ってから将来の職業を幅広く探したい
- 志望校の寮生活や規律、訓練をまだ調べていない
- 自由なアルバイトや一般的な大学生活を強く希望している
- 卒業後の勤務条件や償還制度を理解していない
一つでも当てはまったから不向きという意味ではありません。
気になる項目があれば、その部分を調べてから出願する方が、進路のミスマッチを防ぎやすくなります。
「志望校の決め方から相談したい」「今の成績から受験までの学習計画を立てたい」という高校生は、大学受験の学習管理をサポートする東大毎日塾も選択肢の一つです。
【Q&A】給料がもらえる大学校のよくある質問

給料が出る専門学校の有無やボーナス支給、合格後の採用手続き、退学時の返還義務など、受験生や保護者からよく寄せられる疑問をQ&A形式でわかりやすく解説します。
Q. 給料がもらえる専門学校もありますか?
A. 在学中に手当が支給される企業内の訓練校はあります。
例えば、トヨタ工業学園などが知られています。
こうした施設は一般的な学校教育法上の専門学校とは制度が異なります。
企業が自社の人材を育成する訓練施設と、省庁大学校の国家公務員養成制度は別のものです。
「給料がもらえる専門学校」を探している場合は、企業内訓練校、専門学校、大学校を同じカテゴリーとして比較しないようにしてください。
Q. ボーナスや期末手当も支給されますか?
A. 支給されますが、名称や扱いは学校・身分によって異なります。
防衛大学校では6月・12月に期末手当があり、令和7年度実績で2〜4学年は年563,500円でした。
防衛医科大学校も年2回の期末手当があります。
航空保安大学校の2026年度案内では、期末・勤勉手当として年間に俸給等の約4.65月分と案内されています。
入校初年度などは在職期間によって支給額が変わる場合があるため、月給だけを12倍して年間収入を考えない方が正確です。
Q. 合格すれば必ず公務員として採用されますか?
A. 「最終合格=自動的に全員採用」と一括りにはできません。
学校・試験区分ごとに採用までの手続きを見る必要があります。
例えば、海上保安大学校では、最終合格者の中から採用予定数に応じて内定者が決まり、公式FAQでも最終合格者全員が必ず採用されるわけではないと説明されています。
気象大学校も、人事院の学生採用試験に合格したうえで「採用される必要がある」と公式に案内しています。
そのため、「試験に受かった瞬間に自動的に公務員になる」と考えず、志望校の採用手続きまで読んでおきましょう。
Q. 途中で辞めたら全員が返還対象ですか?
A. いいえ。全員が一律に同じ返還制度の対象になるわけではありません。
防衛医科大学校では、医学科は卒業後の勤務年限9年未満、看護学科は6年未満で離職する場合に、卒業までの経費を償還する制度が公式に定められています。
退校・退職時の扱いは学校や課程ごとに異なります。
「大学校なら途中で辞めると必ず数千万円を返す」「防衛医科大学校以外は何も返さなくてよい」といった一括りの理解は避けてください。
出願年度の規程や募集案内で、自分が受験する学校・課程の扱いを個別に見るのが確実です。
まとめ:給料がもらえる大学はある?大学校5校を学費・給与で比較

給料がもらえる大学校5校の重要ポイント
本記事の基準で「給料をもらいながら学べる大学校」として比較したのは、防衛大学校、防衛医科大学校、海上保安大学校、航空保安大学校、気象大学校の5校です。
共通しているのは、採用後に国家公務員等の身分で学び、入学金・授業料等を徴収されず、給与や学生手当が支給されることです。
中身は同じではありません。
防衛医科大学校は課程・コースによって待遇が異なり、勤務年限を満たさず離職した場合の償還制度もあります。
航空保安大学校本科では学位を取得できません。
海上保安大学校では2025年度から身長・体重制限が撤廃されました。
給与額だけを横並びにするより、「身分・自己負担・学位・卒業後の仕事・退職時の条件」をセットで比べる方が、進路選択には役立ちます。
迷ったら職業・生活・条件・将来の順で確認
大学校に興味を持ったら、私は次の順番で考えることをおすすめします。
- 卒業後の職業を本当に希望しているか
- その学校の生活・規律・訓練を受け入れられるか
- 年齢や身体検査を含む受験条件を満たしているか
- 学位と将来のキャリアに納得できるか
進路相談でも、入口は「学費はいくらですか」「給料はいくらもらえますか」という質問でした。
制度が分かってくると、最終的には「卒業後にどんな仕事をするのか」という話へ変わっていきます。
給料や学費は、大学校を知るきっかけとしては大切です。
その先にある仕事と生活まで自分で選びたいと思えるか。
そこまで考えてから最新の募集要項を読み、出願するかを決めてください。
大学校が自分に合うか迷った場合は、給与の有無だけで決めず、学びたい内容・卒業後の進路・生活環境まで含めて比較することが大切です。
一般大学も含めて検討する場合は、学費だけでなく学びや将来まで含めて大学を選ぶ方法から候補を整理しましょう。
執筆者プロフィール

※この記事は、進路アドバイザー資格を持つ朝倉美緒が執筆しています。大学受験の進路選択や入試制度、学校選びに関する知識をもとに、進路選びに役立つ情報を記事に反映しています。
朝倉美緒は、大学受験の進路選択や学校選び、入試制度について、受験生や保護者が迷いやすいポイントをわかりやすく整理・解説しています。
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