私立大学の併願パターン|何校受ける?安全校の決め方と失敗しない併願戦略

※この記事には一部PRが含まれます。
私立大学の併願は、偏差値順に大学を並べれば完成するものではありません。
第一志望の対策時間を守りながら、挑戦校・実力相応校・安全校の役割を分け、模試・過去問・科目・日程まで見て組み合わせることが大切です。
私は進路指導で、併願校を秋に一度決めて終わりにはしていませんでした。
9〜10月に候補を広げ、11〜12月に絞り、共通テスト後にも必要なら修正します。
この記事では、その決め方を具体的に解説します。
記事のポイント
- 挑戦校・相応校・安全校の組み方がわかる
- 何校受けるかの決め方がわかる
- 模試だけに頼らない安全校の選び方
- 秋から共通テスト後までの見直し方
私立大学の併願パターンはどう組む?

併願パターンを考えるときは、何校受けるかを先に決めるのではなく、それぞれの大学にどの役割を持たせるかを整理します。
そのうえで、第一志望の勉強を邪魔しない科目・方式・日程になっているかを見ていきましょう。
挑戦校・実力相応校・安全校の役割を比較する
私立大学の併願校は、挑戦校・実力相応校・安全校の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
| 区分 | 主な役割 | 模試の見方 | 過去問の見方 | 校数の考え方 |
|---|---|---|---|---|
| 挑戦校 | 第一志望を含め、合格を狙って挑戦する大学 | 厳しい判定でも科目相性などを含めて残す | 合格最低点との差と、残り期間で埋められる科目を確認 | 対策が分散しないよう少数に絞る |
| 実力相応校 | 現在の学力で十分に合格を狙える大学 | 複数回の判定推移を見る | 合格最低点との距離が近いかを見る | 併願の中心として配置する |
| 安全校 | 第一志望が不合格だった場合の進学先候補として考える大学 | 良い判定が安定しているかを見る | 初見の過去問で合格最低点に届くか確認する | 実際に進学できる大学を候補にする |
河合塾の全統模試では、A判定は合格可能性80%以上、B判定65%、C判定50%、D判定35%、E判定20%以下とされています。
これはあくまで模試の合格可能性評価です。
どこまでを安全校・実力相応校・挑戦校とするかは、模試判定だけでは決まりません。
私が進路指導で安全校を決めるときも、A判定が出たからそこで確認を終えることはありませんでした。
次に見るのが過去問です。
初見の過去問で合格最低点に届くか、届かなければあと何点必要なのか。その不足を英語で埋めるのか、配点の高い得意科目で埋められるのかまで見て、初めて「安全校として考えてよいか」を判断していました。
第一志望対策を崩さない組み合わせを優先する
併願校選びで私が最も避けたいのは、合格への不安から受験校を増やしすぎ、第一志望の勉強時間を削ってしまうことです。
大学が1校増えるだけでも、過去問を解き、出題傾向を調べ、間違えた分野を復習する時間が必要になります。
英作文や小論文など第一志望にはない問題形式が加われば、その大学専用の対策まで発生します。
併願校を追加するときは、
「この大学に出願すると、第一志望の過去問を解く時間がどれくらい減るか」
まで考えてください。
第一志望の合格可能性を下げてまで併願校を増やすのであれば、本来の目的と逆になってしまいます。
併願校は、第一志望を軸にして組むのが基本です。まだ第一志望や大学候補そのものが固まっていない場合は、先に第一志望を含めた大学候補の選び方を整理してから併願校を考えましょう。
偏差値だけでなく科目・日程も含めて決める
同程度の偏差値の大学でも、自分にとっての受けやすさは同じではありません。
併願校を選ぶときは、偏差値だけでなく、次の4点も確認しておきましょう。
- 入試科目が第一志望と大きく違わないか
- 得意科目・苦手科目の配点はどうなっているか
- 記述式や自由英作文など特別な対策が必要か
- 試験日が重なったり連続したりしていないか
例えば、第一志望がマーク式中心なのに、併願校だけ長い記述問題や自由英作文を課す場合、その大学のために別の対策時間が必要になります。
英語が得意な受験生なら英語の配点が高い大学は力を発揮しやすい一方、苦手科目の配点が高ければ、偏差値では安全圏に見えても実際には受けにくい場合があります。
試験日程も同じです。
受験日が重なったり連続したりすると、勉強以外に移動や体力面の負担も増えます。
「偏差値が低いから安全校」と決めるのではなく、今の勉強を生かして実際の入試で点を取りやすい大学かどうかまで見て選んでください。
私立大学は何校受ける?校数より配分で決める

私立大学を何校受ければよいかに、すべての受験生に共通する正解はありません。
私立専願か国公立志望か、入試方式、学力、体力、家庭の費用負担によって適切な数は変わります。
平均校数をそのまま正解にせず、役割と対策負担から決めることが大切です。
挑戦校・相応校・安全校の配分から校数を決める
私立大学を何校受けるか迷ったときは、挑戦校・実力相応校・安全校が偏らないように配置し、第一志望対策を続けられる範囲で最終的な校数を決めます。
3つの区分を同じ数ずつ受ける必要はありません。挑戦校を増やしすぎると対策が分散し、安全校を増やしすぎても過去問演習や受験日程の負担が増えます。
私は進路指導でも、最初から出願校数を固定せず、時期ごとに候補を絞っていました。
| 時期 | 候補校数の目安 | 取り組み・位置づけ |
|---|---|---|
| 9〜10月 | 8〜10校程度 | 科目・配点・試験日程を見ながら、受験候補を広めに洗い出します。 |
| 11月中旬〜12月上旬 | 5〜7校前後 | 模試の推移や初見の過去問、三者面談をもとに候補を絞ります。 |
| 12月下旬〜共通テスト後 | 最終出願校を決定 | 共通テストの結果や出願期限を踏まえ、必要に応じて出願校を差し替えます。 |
※8〜10校、5〜7校という数字は、私が教室長として進路指導をしていた際の候補整理の一例です。
すべての受験生に当てはまる受験校数ではありません。
「5〜7校受ければ安心」と考えるのではなく、第一志望対策を続けられるか、実力相応校と安全校が確保できているか、無理な受験日程になっていないかを見ながら最終的な校数を決めてください。
受験校を増やしすぎると第一志望対策が薄くなる
受験校を増やすほど負担になるのは、試験当日だけではありません。
問題になるのは、その前の過去問対策です。
実際の進路指導では、不安から個別学部日程、全学部日程、外部英語検定利用、共通テスト利用などへ次々と候補を広げ、直前期に10大学分を超える過去問対策を抱えたケースがありました。
当然、すべてを十分に仕上げることは難しくなります。
私は出願候補を増やしたいと相談されたとき、「その大学の対策を増やしても、第一志望の勉強は予定どおりできますか」と確認していました。
答えが「難しい」であれば、出願校を増やすより、科目や形式の近い大学へ絞る方が現実的です。
私立専願と国公立志望では併願の組み方が異なる
私立専願と国公立志望では、私立大学に求める役割が違います。
私立専願では、第一志望と近い科目・方式の大学を複数組み合わせながら、挑戦校・相応校・安全校を配置できます。
国公立志望では、私立大学のために個別対策を増やしすぎると、共通テスト後の二次試験対策に影響します。
そのため、私立の候補を考えるときも、
「国公立の二次試験で使っている科目や記述対策を、そのまま生かせるか」
という視点が欠かせません。
本記事では国公立と私立のどちらがよいかという進路比較には踏み込まず、すでに第一志望が決まっている受験生の併願設計に絞って解説します。
安全校・実力相応校は模試だけで決めない

模試でA判定が出ると、「ここなら大丈夫」と考えたくなるかもしれません。
模試と大学ごとの個別試験は同じ問題ではありません。
安全校を決めるなら、模試の推移に過去問・配点・出題形式を重ねて見ていきます。
模試判定は単発ではなく秋以降の推移を見る
一度だけA判定が出たから安全校、一度E判定だったから受験を諦める、といった決め方はおすすめしません。
河合塾の全統模試でも、A判定は「合格可能性100%」ではなく80%以上という評価です。
大切なのは、秋以降の複数回の結果を並べることです。
例えば、
- 10月も11月も安定して良い判定が出ている
- 判定は同じでも得意科目の偏差値が上がっている
- 一度だけ良かったが、その前後では判定が低い
では意味が変わります。
模試は一回のアルファベットを見るのではなく、成績の推移を見る材料として使ってください。
過去問の得点と合格最低点との差を確認する
模試判定の次に見たいのが、過去問と合格最低点との差です。
私は11〜12月になると、併願候補の過去問を初見で解いてもらい、次の点を確認していました。
- 合格最低点まであと何点か
- どの科目で点を落としているか
- 得意科目で不足分を補えそうか
- 残り期間で改善できる内容か
模試では良い判定でも、過去問で大きく届かず、苦手科目の配点も高い場合は、安全校として扱うか慎重に考えます。
得点調整を行う大学では、素点と合格最低点を単純比較できない場合があります。
受験年度の募集要項や大学公式資料も確認してください。
得意科目の配点と出題形式との相性も確認する
安全校を選ぶときは、自分の得意科目が生かせるかも見てください。
例えば、英語が得意な受験生なら、英語の配点が大きい入試方式は力を発揮しやすくなります。
逆に、苦手科目の配点が大きければ、偏差値では安全圏に見える大学でも本人にとっては戦いにくくなります。
出題形式も同じです。
第一志望では出ない自由英作文、小論文、特殊な正誤問題などがある場合、その大学のためだけに別の準備が必要になります。
偏差値の上下だけでなく、「今の勉強をそのまま生かせる入試か」という視点を持ってください。
安全校でも合格後に進学できる大学を選ぶ
三者面談で私が必ず聞いていたのが、
「もし第一志望が不合格で、この大学だけ合格したら進学しますか」
という質問です。
ここで本人も保護者も「絶対に行かない」と答える大学なら、合格可能性が高くても安全校として機能しません。
受験料を払い、合格を取った後で改めて進学先を探すことになるからです。
安全校は単に「受かりやすい大学」ではなく、「第一志望が不合格だった場合に実際に進学できる大学」と考えてください。
進学する最低ラインを秋から冬の段階で本人と保護者が共有しておくと、その後の出願判断もぶれにくくなります。
文系・理系・国公立志望別の併願パターン

併願パターンは、文系・理系・国公立志望で同じにはなりません。
ここでは大学名を偏差値順に並べるのではなく、第一志望の勉強をどこまで流用できるかという視点で組み方を考えます。
私立文系は科目を広げすぎない組み方にする
私立文系では、第一志望で使っている3科目をできるだけ崩さないことが基本です。
例えば、第一志望を「英語・国語・日本史」で対策しているなら、併願校も同じ科目で受けられる大学を中心に考えます。
併願校を選ぶときは、次の点を確認してください。
- 第一志望と同じ科目で受験できるか
- 国語に漢文が含まれるか
- 英語外部検定を利用できるか
- 併願校だけの特別な対策が必要ないか
候補を増やすために科目や問題形式を広げすぎると、直前期の学習が分散します。
大学群だけで判断せず、学部・入試方式ごとの募集要項まで見て組み合わせてください。
私立理系は数学・理科の指定科目と配点を確認する
理系では、大学名だけを見て「このレベルなら併願できる」と判断しないことが大切です。
同じ大学でも、学部や入試方式によって数学の出題範囲や理科の指定科目は異なります。
例えば、第一志望が「英語・数学・物理」なのに、併願先だけ化学が必要なら、その分だけ対策時間が増えます。
併願校を選ぶときは、次の点を確認してください。
- 第一志望と同じ数学・理科で受験できるか
- 数学の出題範囲が大きく違わないか
- 理科の指定科目や科目数は合っているか
- 苦手科目の配点が高すぎないか
理系は科目の違いが学習負担に直結しやすいため、大学名ではなく学部・入試方式ごとに募集要項を確認して組み合わせてください。
国公立志望は私立一般選抜も含めて組み合わせる
国公立志望の場合、共通テスト利用だけで私立の安全校を確保しようとするのは慎重に考えたいところです。
私が担当した受験生にも、共通テスト利用で合格できると考えて一般選抜の安全校を減らしたものの、自己採点後に想定していたラインへ届かず、急いで出願先を探したケースがありました。
私立の併願校を選ぶときは、次の点を確認してください。
- 共通テスト利用だけに安全校を任せていないか
- 私立一般選抜の候補も残しているか
- 国公立二次と科目・出題形式が近いか
- 私立対策が二次試験の勉強を圧迫しないか
国公立志望では、私立の受験機会を増やすことより、二次試験の対策を崩さない組み方を優先してください。
まだ受験方針を整理できていない場合は、国公立大学と私立大学の学費・受験科目の違いも確認しておきましょう。
大学入学共通テスト利用と一般選抜は役割を分ける
私立大学の共通テスト利用方式には、共通テストの成績を使って選抜する方式があります。
大学独自試験を課さず共通テストの結果だけで判定するケースが一般的ですが、一部には共通テストと大学独自試験などを組み合わせる方式もあります。
必要科目、募集人数、難易度は大学・学部・方式によって異なります。
そのため、
「共通テスト利用だから一般選抜より受かりやすい」
「共通テスト利用に出せば安全校になる」
とは一律に考えないでください。
共通テスト利用は受験機会を増やす手段、一般選抜は過去問との相性を確認したうえで自分の力を出す手段、と役割を分けると整理しやすくなります。
併願校はいつ決める?秋から共通テスト後まで見直す

私が進路指導をしていたとき、併願校は一度で確定させていませんでした。
9〜10月は候補を広げ、11〜12月に絞り、共通テスト後にも必要なら調整します。
時期ごとにやることを分けると、直前になって慌てにくくなります。
| 時期 | 現場で行っていたこと | 候補校の目安 |
|---|---|---|
| 9〜10月 | 科目・日程を見ながら候補を広く出す | 8〜10校程度 |
| 11月中旬〜12月上旬 | 模試・過去問・三者面談で絞る | 5〜7校前後 |
| 12月下旬〜共通テスト後 | 自己採点・出願期限を見て最終調整 | 必要に応じて差し替え |
※上記の校数は、私が教室長として進路指導をしていた際の候補整理の一例です。すべての受験生に当てはまる出願校数ではありません。
9〜10月は併願候補を広く洗い出す
9〜10月は、いきなり5校に絞る時期ではありません。
私の進路指導では、この段階で8〜10校程度まで候補を出していました。
確認するのは、主に次のような内容です。
- 第一志望と同じ科目で受けられるか
- 配点に大きな不利がないか
- 試験日が重なっていないか
- 合格した場合に進学候補になり得るか
ここでは「受験する」と決める必要はありません。
後から模試や過去問の結果を見て絞れるよう、選択肢を残しておく段階です。
11〜12月は模試と過去問で候補を絞る
11月中旬〜12月上旬になると、模試の判定だけでなく過去問も使って候補を絞ります。
私の教室では、この時期の三者面談で5〜7校前後まで候補を整理することがありました。
ここで見ていたのは、
「模試ではどうか」
だけではありません。
「過去問で最低点まであと何点か」
「その不足はどの科目で埋めるのか」
「この大学を残すことで第一志望の勉強が増えすぎないか」
まで本人・保護者と一緒に確認します。
一度候補に入れた大学でも、対策負担が大きすぎるなら外して構いません。
12月下旬から共通テスト後に最終調整する
12月下旬には、一般選抜の出願日程や入学手続期限まで含めて具体的な予定を作ります。
共通テストを利用する受験生は自己採点後にも見直します。
想定より得点できたから挑戦校を追加する、反対に安全校を厚くする必要が出るなど、結果によって判断が変わることがあるからです。
私も共通テスト自己採点後には、出願可能な大学の日程をもう一度確認していました。
大学によって締切は異なるため、「共通テスト後でも必ず変更できる」と考えるのではなく、あらかじめ差し替え候補と出願期限を控えておくのが現実的です。
「今の学習計画で間に合うか」「併願対策まで手が回らない」と悩んでいる場合は、学習計画や受験戦略を個別に相談できる東大毎日塾も選択肢の一つです。
第一志望対策を崩さない併願校の最終チェック

候補が決まったら、出願前に科目・日程・費用・入学手続をまとめて確認します。
ここで問題が見つかった大学は、「一度決めたから」という理由で残す必要はありません。
第一志望へ集中できる形になっているかを最後に見直しましょう。
入試科目・配点・出題形式を第一志望に近づける
出願直前には、各大学の入試要項と過去問を横に並べて見ます。
確認したいのは、「この大学のためだけに新しい対策が発生していないか」です。
例えば、
- 第一志望では出ない小論文が必要になる
- 併願校だけ自由英作文の対策が必要になる
- 苦手科目だけ配点が高い
こうした大学を何校も入れると、直前期の勉強が細切れになります。
候補が多くて迷ったら、第一志望の勉強をそのまま生かせる大学から優先してください。
本命日に実力を出せる受験日程になっているか確認する
日程表では受験できても、本人の体力がもつとは限りません。
私が実際に見たケースでは、2月上旬に4日連続の受験を組み、3日目以降に疲労と集中力低下が出た受験生がいました。
しかも4日目が本命校でした。
この経験から、私は単に連続日数を数えるのではなく、
- 「本命校が何日目に来るか」
- 「前日の移動はどの程度あるか」
- 「休める日を入れられるか」
まで確認するようにしていました。
連続受験の日数に一律の正解はありません。
3日続いても問題ない受験生もいれば、移動を伴う2日間でも疲れることがあります。
本命日に一番良い状態を持ってこられる日程か、という基準で組んでください。
合格発表日と入学手続期限を確認する
併願校は試験日だけを並べても完成しません。
合格発表日と入学手続期限まで同じ表に入れてください。
安全校の手続期限が第一志望の合格発表より前なら、第一志望の結果を待つために入学金などを先に納める必要が出る場合があります。
大学によっては、入学手続時の納付を段階的に行える制度もあります。
例えば武蔵野大学の2027年度全学部統一選抜では、第一次手続で入学金、第二次手続で入学金以外の納入金を支払う2段階手続が案内されています。
制度や期限は大学・学部・方式・年度で変わります。
出願年度の募集要項を見て、「第一志望の結果が出る前に何円必要になるか」まで確認してください。
受験料と入学金を保護者と確認する
併願校数は、学力だけでなく家庭の費用負担とも関係します。
検定料は大学・方式によって異なります。
一般選抜で3万円台、共通テスト利用で1〜2万円台に設定されている例がありますが、併願割引が使える大学もあります。
一例として、清泉女子大学の2027年度入試では、一般選抜の入学検定料が35,000円、共通テスト利用入試は1領域15,000円で、複数出願時の割引も設定されています。
入学後の費用も無視できません。
文部科学省の令和7年度調査では、私立大学学部の入学料平均は240,365円、初年度学生納付金等の平均は1,507,647円です。
私が三者面談で確認していたのは、「安全校を確保するためなら、どこまで先に納付できるか」でした。
第一志望の発表前に併願校の手続期限が来ることもあります。
金額を知ってから家族で慌てるのではなく、12月頃までには保護者と話しておく方が安心です。
出願前最終チェックリスト
| 出願前最終チェックリスト | |
|---|---|
| □ | 第一志望と受験科目が大きくずれていない |
| □ | 配点が自分の苦手科目に偏っていない |
| □ | 第一志望にはない特殊な対策が増えすぎていない |
| □ | 本命校の前後に無理な連続受験がない |
| □ | 試験日・合格発表日・入学手続期限を一覧にした |
| □ | 入学手続で必要な金額と納付時期を確認した |
| □ | 受験料の総額を保護者と共有した |
| □ | 合格した場合に実際に進学できる大学だけを残した |
進路指導で見た失敗しやすい併願パターン3例

併願で失敗しやすいのは、受験校そのものより「組み方」に問題があるケースです。
私が進路指導で経験した3つの例を、原因と修正方法に分けて整理します。
| 失敗した組み方 | 起きたこと | 修正の方向性 |
|---|---|---|
| 4日連続で試験を入れた | 後半に体力・集中力が低下した | 本命校の位置と移動負担を見て日程を分散する |
| 科目・方式を広げすぎた | 過去問対策が10大学分を超えた | 第一志望と科目・形式が近い方式へ絞る |
| 共通テスト利用だけを安全校にした | 想定どおり合格を確保できなかった | 一般選抜にも安全校候補を残す |
4日連続受験で本命校の集中力が落ちたケース
ある受験生は、受験できる大学を日程順に並べた結果、4日連続で試験を受ける計画になっていました。
最初の2日は問題なく受けられましたが、3日目以降は移動と試験の疲れが重なり、集中力が落ちていきました。
そして4日目が本命校でした。
問題だったのは「4日」という数字だけではありません。
本命校を最も疲れている日に置いてしまったことです。
出願日程を作るときは、「空いている日に受けられる大学を入れる」のではなく、本命校を中心に前後の日程を逆算してください。
科目・方式を広げすぎて過去問対策が破綻したケース
別のケースでは、不合格への不安から出願方式を増やしすぎた受験生がいました。
個別学部日程、全学部日程、英語外部検定利用、共通テスト利用などへ広げた結果、直前期には過去問対策の対象が10大学分を超えていました。
形式が違えば、同じ英語でも対策は同じではありません。
要約、自由英作文、小論文などが加われば、その分だけ第一志望への時間が減ります。
出願先を増やして安心するより、「第一志望と同じ勉強で何校まで対応できるか」を考える方が、直前期の負担を抑えられます。
共通テスト利用を安全校と考えすぎたケース
共通テスト利用だけで安全校を確保しようとした受験生もいました。
「個別試験を受けなくてよいから、ここで滑り止めを取れるだろう」と考え、一般選抜の安全校を減らしていたケースです。
ところが、共通テスト後に想定していた大学の合格ラインへ届かず、一般選抜で出願できる大学を急いで探すことになりました。
共通テスト利用方式は便利ですが、それだけで安全校が確定するわけではありません。
この経験からも、共通テスト利用だけに安全校の役割を任せず、必要に応じて一般選抜の候補も残しておくことが大切だと考えています。
【Q&A】私立大学の併願でよくある疑問

本文を読んだあとに残りやすい疑問をまとめます。
大学ごとに入試制度は異なるため、制度に関する最終判断は必ず受験年度の募集要項で行ってください。
同じ大学の複数学部を併願してもよいですか?
A. 併願できますが、入試方式と進学意思の両方を確認してください。
同じ大学の複数学部で問題形式や受験科目が近ければ、別大学を増やすより対策を共通化しやすい場合があります。
大学によっては複数学部・複数方式への出願で検定料の割引を設けていることもあります。
「受かりやすそうだから」という理由だけで、進学する意思のない学部まで増やすのはおすすめしません。
合格したら本当に通うのかまで考えて選んでください。
併願校の過去問はいつから取り組めばよいですか?
A. 私の進路指導では、11〜12月にまず直近の過去問を1年分解き、候補として残すかを判断していました。
この段階の目的は、何年分も仕上げることではありません。
時間を計って初見で解き、
「合格最低点までどれくらいか」
「問題形式が自分に合うか」
「不足分をどの科目で埋められそうか」
を見るためです。
第一志望の過去問時間を削って、秋から併願校ばかり何年分も解く必要はありません。
同じ大学で共通テスト利用と一般選抜を併用できますか?
A. 併用できる大学・学部は多くありますが、可否や条件は大学ごとに異なります。
同じ学部でも、共通テストの成績だけで判定する方式、大学独自試験と組み合わせる方式など、仕組みが異なる場合があります。
「同じ大学だから当然併願できる」と決めつけず、受験年度の募集要項で出願条件・必要科目・検定料を確認してください。
受験日が連続する場合は必ず避けるべきですか?
A. 必ず避ける必要はありません。本人の体力、移動時間、本命校が何日目にあるかで判断します。
実際に私が担当した受験生では、4日連続受験の後半で集中力が落ちた例がありました。
連続日程に耐えられるかどうかには個人差があります。
見るべきなのは「何日なら大丈夫」という数字ではなく、本命校の日に一番良い状態を作れるかです。
受験日だけでなく、前日の移動や帰宅時間も含めて予定表に書き込んでみてください。
まとめ:私立大学の併願パターン|何校受ける?安全校の決め方と失敗しない併願戦略

私立大学の併願は校数より組み合わせと見直しが重要
私立大学の併願で大切なのは、受験校を多くすることではありません。
挑戦校・実力相応校・安全校に役割を分け、第一志望対策を崩さない範囲で組み合わせることです。
安全校も模試判定だけで決めず、過去問、合格最低点との差、科目・配点、出題形式まで見てください。
試験日程、入学手続期限、費用、実際に進学する意思まで確認して初めて、現実的な併願パターンになります。
一度決めた併願校を最後まで固定する必要はありません。
9〜10月に候補を広げ、11〜12月に絞り、共通テスト後にも必要なら修正する。
この流れで考えると、成績の変化にも対応しやすくなります。
模試・過去問・科目・日程から自分の併願表を作る
この記事を読み終えたら、候補大学を頭の中だけで比較せず、一度表にしてください。
最低限、次の項目を1行ずつ整理します。
- 大学名・学部
- 入試方式
- 挑戦校・実力相応校・安全校のどれに置くか
- 入試科目・配点
- 過去問の得点と合格最低点との差
- 試験日
- 合格発表日
- 入学手続期限
- 受験料と手続時に必要な金額
- 合格した場合に進学する意思があるか
9〜10月に作った表を、11月の模試返却時、三者面談、共通テスト自己採点後にもう一度見直してください。
「この大学は本当に安全校か」「増やしたことで第一志望の時間を削っていないか」と一校ずつ問い直すだけでも、併願校の選び方はかなり整理できます。
併願パターンは、一度作って終わる予定表ではありません。
第一志望へできるだけ多くの時間を残しながら、結果が思うようにいかなかった場合にも進学先を確保できる形へ、入試直前まで調整していくものです。
執筆者プロフィール

※この記事は、進路アドバイザー資格を持つ朝倉美緒が執筆しています。大学受験の進路選択や入試制度、学校選びに関する知識をもとに、進路選びに役立つ情報を記事に反映しています。
朝倉美緒は、大学受験の進路選択や学校選び、入試制度について、受験生や保護者が迷いやすいポイントをわかりやすく整理・解説しています。
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