受験生にかける言葉|「頑張って」は逆効果?親の声かけの選び方

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受験生に何と声をかければいいのか、迷う保護者の方は少なくありません。
「頑張って」でいいのか、「大丈夫」は逆効果なのか。
受験メンタルトレーナーとして、言葉そのものより、お子さんの状態とタイミングを見て判断することを大切にしています。
今回ご紹介した内容をすぐに振り返ることができる「シチュエーション別の声がけ・NGワード一覧表・四字熟語・LINE用メッセージ例付き」を記事の末尾に掲載しています。
日々の声かけに迷ったときは、いつでもお守り代わりに活用してみてください。
記事のポイント
- 状態とタイミングで言葉を選ぶ
- 励ます前にまずは気持ちに共感する
- あえて声をかけない見守りも大切
- 模試後や前夜の適切な声かけがわかる
受験生にかける言葉は「状態×タイミング」で選ぶ

受験生に万能な「魔法の言葉」はありません。
お子さんの状態を見て、共感・励まし・見守りのどれが必要かを判断することが出発点になります。
まずお子さんの今の状態を確認する
言葉を探す前に、お子さんの状態を見ることが判断の起点になります。
私は、お子さんの状態を大きく3つに分けて考えることを勧めています。
- 不安や焦りを口にしているとき
- 疲れて黙り込んでいるとき
- 集中して勉強に向かっているとき
この3つは、それぞれ必要な関わり方が異なります。
不安を口にしているなら気持ちを受け止める必要がありますし、黙り込んでいるなら無理に言葉をかけない方がいい場合もあります。
表情や態度を観察するだけでも、判断の材料は集まります。
まずはそこから状態を確認してみてください。

「共感・励まし・見守り」から対応を選ぶ
状態が見えてきたら、次は「共感」「励まし」「見守り」のどれを選ぶかという段階に進みます。
この3つは状態に応じて使い分けるものであり、どれか一つが常に正解というわけではありません。
不安を言葉にしているお子さんには、まず気持ちを受け止める共感が必要です。
少し前向きな様子が見えているなら、これまでの努力を認める励ましが響きます。
疲れて黙り込んでいたり、集中して机に向かっていたりするときは、あえて言葉をかけずに見守るという選択肢も持っておいてください。
「今は何も言わない」というのも、対応の一つです。
| お子さんの状態 | 基本対応 | 一言・対応の方向性 |
|---|---|---|
| 不安や焦りを口にしている | 共感 | 「不安なんだね」と気持ちを受け止める |
| 疲れて黙り込んでいる | 見守り | 無理に話しかけず、必要なら行動で支える |
| 集中して勉強している | 見守り | 邪魔をせず環境面で支える |
なお、気持ちが落ち着き、本人に前向きな様子が見えてきたときは、これまでの努力を認める「励まし」へ切り替えることもできます。
この表は、迷ったときに立ち返れる早見表です。
判断に迷ったら、お子さんが今どの状態に近いかをこの3つから確認してみてください。
声をかける前に「誰を安心させる言葉か」を確認する
声をかける前に意識したいのが、その言葉がお子さんを安心させるためのものか、それとも保護者の方ご自身の不安を解消するためのものか、という視点です。
無意識のうちに保護者の方自身の焦りが混ざった言葉が出てしまうことがあります。
声をかける前に、次の4点を確認してみてください。
- 他の子と比べようとしていないか
- 焦らせて行動させようとしていないか
- 結果を約束させようとしていないか
- 今すぐ答えや反応を求めていないか
この4点に当てはまる言葉は、お子さんのためというより、保護者の方自身の不安から出ている可能性があります。
声をかける前に一度、この視点で見直してみてください。
「頑張って」「大丈夫」はいつ逆効果になる?

よく使われる3つの言葉が、どんな場面で受け取り方を変えるのかを見ていきます。
一律にNGとするのではなく、状態とタイミングで判断する考え方です。
「頑張って」は疲れているときほど慎重に
「頑張って」という言葉自体は、悪い言葉ではありません。
受験メンタルトレーナーとして、すでに努力を重ねて疲れている時期の「頑張って」は、「これ以上どう頑張ればいいのか」と感じさせる場合があると考えています。
そういうときは、「いつもよく頑張っているね」「無理しすぎないでね」というように、これまでの努力そのものを認める言葉に置き換えることを勧めています。
追加の努力を求めるのではなく、今の頑張りを承認する方向へ言葉を変えることで、受け取り方が変わる可能性があります。

「大丈夫」は不安を打ち消す言葉にしない
「落ちたらどうしよう」というお子さんの言葉に対して、反射的に「大丈夫だよ」と返してしまう保護者の方は少なくありません。
この「大丈夫」という即答が、本人にとっては不安そのものを否定されたように感じられる場合があります。
不安を口にした直後に「大丈夫」とすぐ打ち消すと、「気持ちをわかってもらえない」と感じられることがあるためです。
弱音を口にした直後は、まずその不安を認めることが先です。
「不安になるのも当然だよ」「何が一番心配か教えて」と聞く方が、本人の気持ちに寄り添えます。
まず不安を否定せずに聞くことで、「気持ちを受け止めてもらえた」と感じやすくなります。

「絶対受かる」は結果より積み重ねを認める言葉へ
「絶対受かるから」という言葉も、応援の気持ちから出るものです。
ただ、受験直前でこの言葉を受け取ると、結果を保証されたことへの重圧に変わる場合があります。
私は、結果ではなく、積み重ねてきた過程に焦点を当てる言葉に言い換えることを勧めています。
「ここまでやってきたことを出しておいで」という言い方であれば、結果そのものではなく、これまでの積み重ねに意識を向けやすくなります。
| 慣用フレーズ | 逆効果になる場面 | 適切な言い換え |
|---|---|---|
| 頑張って | 疲弊している時・限界まで努力している時 | 「いつもよく頑張っているね」 |
| 大丈夫 | 深刻な不安を告白された直後 | 「不安になるのも当然だよ」 |
| 絶対受かる | 受験直前・緊張がピークの時 | 「ここまでやってきたことを出し切っておいで」 |
この表からわかるのは、言葉そのものに良い悪いはなく、場面によって受け取り方が変わるということです。
迷ったときは、今お子さんがどれだけ余裕を持てているかを一つの目安にしてみてください。
「落ちたらどうしよう」と言われたら、励ます前に共感する

お子さんが不安を言葉にしたときは、共感から対策まで段階を追って進めることがポイントです。
最初は「不安なんだね」と気持ちを受け止める
「落ちたらどうしよう」「間に合わないかもしれない」。
こうした言葉を聞いたとき、正論や励ましより先に気持ちを受け止めることが大切です。
「そんなこと考えなくていい」「大丈夫だから」と感情を否定してしまうと、本人は「わかってもらえない」と感じ、それ以上話さなくなってしまう場合があります。
学習塾で私が実践しているのは、「そうか、そんな風に不安に感じているんだね」「それだけ本気で向き合っているからこそ怖いよね」という受け止め方です。
否定せず、まず受け止める。
この一言があるだけで、お子さんは次の言葉を続けやすくなります。

すぐ助言せず「何が一番不安?」と聞く
気持ちを受け止めたあと、つい「じゃあこうしたら」とすぐに解決策を出したくなるかもしれません。
その前に、「何が一番不安?」と聞いてみてください。
模試の判定なのか、特定の科目の遅れなのか、本人にしかわからない不安の中身があります。
保護者の方が問題を勝手に決めつけてしまうと、実は本人が気にしていた点とずれてしまうことがあります。
まずは本人の言葉で不安の中身を確認してみてください。

気持ちが落ち着いたら必要な対策を一緒に整理する
共感だけで終わらせず、気持ちが落ち着いたタイミングで具体的な対策へ進むことも大切です。
感情を受け止める段階と、対策を整理する段階をはっきり分けることを私は勧めています。
焦って一緒くたにすると、共感のつもりが説教に変わってしまう場合があるためです。
不安を口にされたときは、次の順番で考えると対応しやすくなります。
- 気持ちを受け止める
- 何が不安か聞く
- 落ち着いてから必要な対策を整理する
「間に合わないかもしれない」という不安であれば、何がどれくらい不足しているのかを本人と一緒に整理してみてください。
落ち着いてから取り組む方が、前向きに動き出しやすくなります。
声をかけず「見守る」方がよい場面もある

言葉をかけない方がいい場面もあります。無言のサポートも、支援の形の一つです。
模試後に黙っているときは言葉を急がない
模試の結果を見て黙り込んでしまうお子さんは少なくありません。
そんなとき、無理に言葉を足す必要はありません。
私は保護者の方に、「模試どうだった?」と詰め寄るより、温かい飲み物やちょっとした軽食を静かに用意することも一つの方法として勧めています。
言葉での介入を一旦控えて、行動で寄り添うという選択肢を持っておいてください。

受験期に親としてできることについては、高校生の親ができること|見守る・声をかけるを見極める4つの基準でも詳しくお伝えしています。
集中しているときは言葉より環境で支える
勉強に集中しているお子さんに対しても、声かけよりも環境を整えることの方が助けになる場合があります。
静かな環境を保つことや、食事のタイミングを合わせることといった、生活面での支えです。
「集中できてる?」と声をかけることが、かえって集中を途切れさせてしまうこともあります。

「見守る」と「放置する」は同じではない
ここで一つ整理しておきたいのが、「見守る」ことと「放置する」ことは違うという点です。
大切なのは、関心を持ちながら距離を保つという姿勢です。何も言わないからといって無関心になるのではなく、必要なときにはすぐ手を差し伸べられる位置にいることが「見守る」という対応です。
言葉以外の支え方については、高校生の親ができること|見守る・声をかけるを見極める4つの基準でも触れていますので、あわせて参考にしてください。
【シーン別】受験生にかける言葉|模試後・前夜・当日の朝

場面ごとに声かけの目的が変わります。
模試後、前夜、当日の朝で、意識するポイントが異なります。
模試の結果が悪かったときは「次に直せる点」へ目を向ける
模試の結果が思わしくなかったとき、点数や判定そのものを責めてしまう言葉は避けたいところです。
気持ちが落ち着いたタイミングで、「次に直せるポイント」に目を向けることを私はアドバイスしています。
「なんでこんな点数なの?」ではなく、「落ち着いたら、次に直せるポイントを一緒に見よう」という言葉に変えてみてください。
過去を責めるより、未来の修正点に意識を向ける方が、お子さん自身も次の行動につなげやすくなります。

受験前夜は気合いより「いつも通り」を優先する
受験前夜になると、つい気合いを入れる言葉をかけたくなるかもしれません。
新しいアドバイスや激励よりも、普段通りの安心感を優先することを私は勧めています。
「明日が人生の勝負だよ」「絶対ミスしないでね」といった言葉は、直前になるほど重く響いてしまう場合があります。
それよりも、「今日は早く休もうね」「いつも通りのリズムでいこう」という、日常のトーンを崩さない声かけの方が本人を落ち着かせやすくなります。
保護者の意識調査でも、笑顔でいることや普段通りの雰囲気で接することが、受験生の緊張をやわらげたという声が報告されています。

受験当日の朝は結果を背負わせず短く送り出す
当日の朝は、余計な言葉を重ねず、短く送り出すことがポイントです。
「絶対受かって帰ってきてね」という言葉は、結果への責任を本人に背負わせることになります。
代わりに、「いつも通りで大丈夫。いってらっしゃい」という短い一言の方が、余計なプレッシャーを与えずに送り出せます。
| シーン | 声かけの目的 | 推奨される声かけ | 避けたい声かけ |
|---|---|---|---|
| 模試の結果返却後 | 次の改善点へ目を向けさせる | 「落ち着いたら、次に直せるポイントを一緒に見よう」 | 「なんでこんな点数なの?」 |
| 受験前夜 | 平常心の維持と安心感の提示 | 「今日は早く休もうね」 | 「明日が人生の勝負だよ」 |
| 受験当日の朝 | 結果の重圧を外し、送り出す | 「いつも通りで大丈夫。いってらっしゃい」 | 「絶対受かって帰ってきてね」 |
この表を見て、迷ったときはどの場面かをまず確認してみてください。
場面によって声かけの目的が変わることを意識するだけで、選ぶ言葉も変わってきます。
受験生への応援メッセージ|LINE・付箋・手紙で使える一言

文字で気持ちを伝える方法についてです。
LINE、付箋、手紙、それぞれに合った伝え方があります。
LINEは短く、返信を求めない
LINEで励ましのメッセージを送る場合は、短く、返信を求めない形にすることがポイントです。
勉強中に長文のメッセージが届くと、返信をどうしようかと気を取られてしまうことがあります。
「今日も頑張ってるね。返信はいらないよ」というように、返信不要であることを添えるだけでも、負担が減ります。
「いつも見てるよ」「無理しすぎないでね」といった短い一言を、気軽に送ってみてください。

付箋は「頑張れ」より努力を認める一言にする
机やお弁当箱に添える付箋も、短い言葉でお子さんを支えられるツールです。
「頑張れ」よりも、これまでの努力を認める一言にすることをおすすめします。
「毎日よくやってるね」「今日もお疲れさま」といった言葉の方が、結果を求めるプレッシャーになりにくくなります。
友達から贈る場合や、名言・四字熟語を添えたい場合は、親子間ほど重く受け取られにくい分、結果を保証する言葉や過度な比較さえ避ければ、そのまま使っても問題ありません。

手紙やお守りには「味方でいる」と伝える
手紙やお守りに言葉を添える場合は、合格を保証する言葉よりも、結果にかかわらず味方であることを伝える言葉をおすすめします。
「結果がどうであれ、お父さんとお母さんはあなたの味方だし、これまでの頑張りを一番近くで見ているよ」という一言は、私がアドバイスしている具体的な声かけの一つです。
合否を条件にしない言葉は、本人にとって支えになりやすくなります。
親の不安が混ざりやすいNGワードを見直す

善意のつもりでも、保護者の方自身の不安が混ざってしまいやすい言葉があります。
お子さんのための言葉かどうか、一度確認してみてください。
「〇〇ちゃんは合格した」は比較になりやすい
他のご家庭のお子さんの話を出すことは、悪気がなくても比較として受け取られやすい言葉です。
他者の合格実績や模試結果との比較は、お子さんの自尊心を傷つける可能性があります。
「〇〇ちゃんは良かったらしいよ」という一言は、励ますつもりでも逆効果になる場合があります。

「もっとエンジンを」は親の焦りを渡しやすい
「もっとエンジンをかけないと間に合わないよ」という言葉も、注意しておきたい例です。
これは、保護者の方自身の焦りがそのままお子さんに『伝わってしまっている』言葉です。
本人はすでに十分頑張っているケースが多く、この言葉によって余計な圧迫感を与えてしまうことがあります。
保護者の意識調査でも、良かれと思った声かけが親子間の摩擦につながった事例が報告されています。
善意の言葉でも、次のように受け取られることがあります。
| 言ってしまいがちな言葉 | 親の意図 | 受け取り方の注意点 | 言い換え例 |
|---|---|---|---|
| 〇〇ちゃんは合格したらしいよ | 刺激を与えたい | 比較による劣等感につながりやすい | 「あなたのペースで積み重ねてきたことを見ているよ」 |
| もっとエンジンをかけないと | 早く行動してほしい | 親の焦りの転嫁と受け取られやすい | 「今できることを一緒に整理しよう」 |
| 絶対受かってね | 応援したい | 結果への責任を負わせやすい | 「結果がどうであれ、あなたの味方だよ」 |
受験生本人がどのような重圧を感じて身動きが取れなくなっているのかを理解するためには、受験生が抱えるプレッシャーの原因と気持ちの整理手順も合わせて知っておくと、声かけのズレを防ぎやすくなります。
結果を求める言葉より「あなたの味方」と伝える
親御さんが受験の合否をジャッジする「評価者」になるのではなく、どんなときも一番の味方でいる「無条件の支援者」として家庭にいてあげること。
それこそが、私が保護者の皆様にお伝えし続けている大切な姿勢です。
結果を求める言葉ではなく、「結果がどうであれ、あなたの味方だよ」と伝えることは、家庭を安心できる場所にする一つの方法です。
その言葉が、お子さんの安心のためのものか、保護者の方ご自身の安心のためのものか。
声をかける前に、一度立ち止まって確認してみてください。
勉強の進め方まで親が管理するのが難しいと感じたら、第三者に任せる方法もあります。
逆転コーチングでは、大学受験に向けた学習計画や日々の学習管理をオンラインでサポートしています。
【Q&A】受験生にかける言葉でよくある質問

迷う場面が出てきても、「状態を見る→対応を選ぶ」という基本の考え方に立ち返れば判断できます。
Q.お子さんが素っ気なく返事がないときはどうする?
返事が乏しいときは、無理に会話を引き出そうとしなくて大丈夫です。
必要なときにすぐ動ける距離感を保ちながら見守ってください。
反応がないからといって、関わりをやめる必要はありません。

Q.励まそうとして怒らせたときはどう伝え直す?
良かれと思った言葉でお子さんを怒らせてしまうことがあります。
まずは意図の説明より先に、「不安にさせてしまったね、ごめんね」と気持ちを受け止め直すことをおすすめします。

感情のぶつかり合いが続く場合は、受験でイライラが止まらない|親に当たる・泣く時の原因と対処法も参考にしてください。
Q.過去に言ってしまったNGワードはどうリカバリーする?
過去に言ってしまった言葉があっても、取り返しがつかないわけではありません。
一度言葉を撤回し、そのあとの日常の行動で信頼を積み直していくことが大切です。
一度の失敗より、その後の関わり方が重要になります。

Q.「頑張って」と言っても問題ない場面はある?
「頑張って」は禁止語ではありません。
本人が前向きで、励ましを求めているような状態であれば、そのまま伝えて問題ないと受験メンタルトレーナーとし考えています。
大切なのは言葉そのものではなく、そのときの状態や親子の関係性です。
まとめ:受験生にかける言葉|「頑張って」は逆効果?親の声かけの選び方

1.シチュエーション別の声かけ・関わり方一覧表
| シチュエーション(場面・状態) | 声かけの目的・方針 | おすすめの声かけ・対応例 | 避けるべき関わり方 |
|---|---|---|---|
| 不安や焦りを口にしているとき (「落ちたらどうしよう」など) | アドバイスを急がず、まず感情を丸ごと受け止める(共感) | 「そうか、そんな風に不安を感じているんだね」「それだけ本気で向き合っている証拠だよ」 | 即座に「大丈夫」「そんなこと考えるな」と不安を否定・打ち消す |
| 疲弊して黙り込んでいるとき (帰宅後や連日の勉強後) | 言葉を足さず、無言の行動で寄り添う(見守り) | (言葉はかけず、温かい飲み物や軽食を机の端にそっと置く) | 「なんで黙ってるの?」「今日どれくらい勉強した?」と問い詰める |
| 集中して机に向かっているとき | 思考を遮らないよう、生活環境の整備に徹する | (声をかけず、部屋の静けさや食事の時間を合わせる) | 「集中できてる?」「受かりそう?」と話しかけて集中を中断させる |
| 模試の結果が悪かったとき | 過去を責めず、未来の弱点対策へ目を向けさせる | 「落ち着いたら、次に直せるポイントを一緒に見よう」「今のうちに弱点が見つかってよかったね」 | 「なんでこんな点数なの?」「もっと勉強しなきゃダメでしょ」と責める |
| スランプで伸び悩んでいるとき | 結果ではなく、日々の小さなプロセスを認める | 「毎日コツコツ机に向かっている姿勢は、一番近くで見ていて本当にすごいと思うよ」 | 「いつになったら成績上がるの?」「やり方が間違ってるんじゃない?」 |
| 受験前日の夜 | 新しい緊張感を与えず、日常の安心感を提供する | 「今までやってきたことを出すだけだから、今日は温かくして早く寝ようね」 | 「明日は人生の勝負だよ」「絶対ミスしないでね」と気合いを入れ直す |
| 受験当日の朝 | 結果の重圧を背負わせず、普段通り送り出す | 「いつも通りの力を出してくればいいよ。いってらっしゃい!」 | 「絶対合格して帰ってきてね」「落ちたら困るよ」と結果責任を課す |
| 結果発表のあと(合格時) | 本人の努力を称え、ともに喜びを分かち合う | 「本当によく頑張ったね!これまでの努力が実を結んでお父さんも嬉しいよ」 | 「やっと安心した」「当たり前だよ」と親の安心感を優先する |
| 結果発表のあと(不合格時・次へ進む時) | 結果にかかわらず存在を肯定し、次の一歩を支える | 「ここまで泥臭くやり抜いた経験は絶対に君の財産になるよ。本当にお疲れ様」 | 「だから言ったのに」「あそこでああしていれば」と過去を責める |
2.避けるべきNGワードと言い換え一覧表
| 言ってしまいがちなNGワード | 親の心理・背景 | 子どもへの影響(NG理由) | 適切な言い換え例 |
|---|---|---|---|
| 「頑張って」 (すでに疲弊しているとき) | 励ましたい、応援したい | 「これ以上どう頑張ればいいのか」と追い詰められる | 「いつも本当によく頑張っているね」「無理しすぎないでね」 |
| 「大丈夫だよ」 (弱音を吐露された直後) | 不安を早く消して安心させたい | 「自分の恐怖を軽視された」「分かってもらえない」と心を閉ざす | 「不安になるのも当然だよ」「何が一番心配か教えて?」 |
| 「絶対受かるから」 (受験直前・緊張時) | 自信を持たせたい、勇気づけたい | 合格しなければならない強い呪縛・重圧(プレッシャー)になる | 「ここまで積み重ねてきたことを出し切っておいで」 |
| 「〇〇ちゃんは合格したらしいよ」 | 刺激を与えて発破をかけたい | 他者と比較されて自尊心が傷つき、強い劣等感や反発を生む | 「周りは気にせず、あなたのペースで積み重ねてきたことを見ているよ」 |
| 「もっとエンジンをかけないと間に合わないよ」 | 親自身の焦りや不合格への不安を解消したい | 親の焦燥感がそのまま伝染し、プレッシャーで頭が回らなくなる | 「焦る気持ちもあるよね。今できることを一緒に一つずつ整理しよう」 |
| 「合格しなきゃダメだよ」 | 子どもの将来を心配しすぎるあまり結果を求めてしまう | 失敗への恐怖心が膨らみ、本番で本来の実力を発揮しにくくなる | 「結果がどうであれ、お父さんとお母さんはあなたの味方だからね」 |
3.受験生を励ます四字熟語一覧表
| 四字熟語(読み) | 意味・解説 | 受験生への励まし・活用場面 |
|---|---|---|
| 初志貫徹 (しょしかんてつ) | 最初に決めた志や目標を、最後まで曲げずに貫き通すこと。 | 志望校選びで迷ったり、模試で判定が伸び悩んだりしたときに原点を思い出す言葉。 |
| 一意専心 (いちいせんしん) | 他に心を動かされず、ひたすら一つのことだけに全力を集中すること。 | スマホや周囲の誘惑を断ち切り、目の前の1問・今日の学習計画に集中したいときに。 |
| 点滴穿石 (てんてきせんせき) | 小さな水滴でも落ち続ければ石に穴を開けるように、わずかな努力も積み重ねれば大きな力になること。 | 単語暗記や基礎計算など、日々の地道な積み重ねが合格につながることを伝える言葉。 |
| 捲土重来 (けんどじゅうらい) | 一度失敗や敗北を喫した者が、勢いを盛り返して再び挑み勝負すること。 | 模試で思うような結果が出なかった生徒へ、次回の巻き返しを促す声かけに最適。 |
| 奮励努力 (ふんれいどりょく) | 気力を奮い立たせ、全力を尽くして目標に向かって励むこと。 | 直前期のラストスパートや、ここ一番の踏ん張りが必要な時期のモチベーション向上に。 |
| 明鏡止水 (めいきょうしすい) | 邪念がなく、澄み切った静かな落ち着いた心境のこと。 | 入試本番直前や前日、焦りや緊張を和らげて本来の実力を発揮させたいときに。 |
| 百折不撓 (ひゃくせつふとう) | 何度失敗しても、何度挫折を味わっても、決して意志を曲げずに立ち上がること。 | 難問につまずいたり、過去問で点数が取れず心が折れそうな受験生のメンタルケアに。 |
4.【LINEで送るメッセージ例】
| シチュエーション(LINEを送る場面) | おすすめのメッセージ文例 | ポイント・配慮点 |
|---|---|---|
| ① 疲れて帰ってくる夜・模試終わりのLINE | ・「今日もお疲れさま!今夜は温かいお風呂に入って早く寝てね(返信しなくていいよ)」 ・「模試お疲れさま。大変だったね。今夜は〇〇の好きなご飯にして待ってるよ〜」 ・「今日遅くまで自習室お疲れさま。無理しすぎてない?返信は不要だからね」 | 勉強や模試で疲弊しているため、返信の義務感を与えない(「返信不要」を添える)ことが何よりの思いやりになります。 |
| ② 不安や弱音を聞いたあとのフォローLINE | ・「さっきは話してくれてありがとう。焦る気持ちも全部受け止めるから、マイペースでいこうね」 ・「不安になったらいつでも話聞くからね。応援してるよ」 | 弱音を打ち明けてくれたことへの感謝と、感情を受け止める姿勢(共感)を短い言葉で伝えます。 |
| ③ 受験前夜・直前の励ましLINE | ・「今まで積み重ねてきた自分を信じておいで。何があってもずっと味方だからね」 ・「いよいよ明日だね。いつも通りのペースで力を出し切っておいで。おやすみ!」 | 新しいプレッシャーや気合いを入れ直す言葉は避け、これまでのプロセスへの承認と無条件の味方であることを伝えます。 |
| ④ 当日、試験会場に向かう子どもへのLINE | ・「今まで本当に頑張ってきたね。自信持って、いってらっしゃい!」 ・「深呼吸して、いつも通りの力を発揮してきてね。応援してるよ!」 | 結果責任を背負わせず、深呼吸していつも通りの力を出せばいいという安心感と背中を押すシンプルな一言にします。 |
記事の重要ポイント
受験生にかける言葉に、万能な正解はありません。
まずお子さんの状態を確認し、共感・励まし・見守りのどれが必要かを判断することが基本の考え方です。
「頑張って」「大丈夫」「絶対受かる」も、状態とタイミング次第で受け取り方が変わります。
迷ったときの判断基準と次の行動
迷ったら、何を言うかより「今、この子に必要なのは共感・励まし・見守りのどれか」を考えてみてください。
言葉を暗記するより、目の前のお子さんの様子を見ることが、良い声かけにつながります。
執筆者プロフィール

※この記事は、受験メンタルトレーナー資格を持つ篠原恵理が執筆しています。大手個別指導塾で3年間教室長を務め、生徒の学習や進路に関する相談・アドバイスに携わってきた経験をもとに、受験期のプレッシャーとの向き合い方を解説しています。
篠原恵理は、受験生が抱える不安や焦りを一括りにせず、気持ちの問題と具体的な学習上の課題を整理しながら、次に何をすればよいか考えられる情報を発信しています。
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