【大学受験】世界史おすすめ漫画7選|目的・残り時間別の選び方と進め方

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世界史の教科書を読んでも、オリエントからギリシア、ローマ、インドへと地域が変わるたびに話がつながらなくなる。
用語は覚えているのに「なぜその出来事が起きたのか」が説明できず、焦っている受験生は少なくありません。
世界史漫画から始めても、大学受験に間に合うケースはあります。
全員が全巻を読む必要はありません。
この記事では、大学受験に使える世界史漫画・関連教材を、目的と残り時間別に紹介しながら、自分に漫画が必要か、選び方、進め方を、指導現場の経験を元に解説します。
記事のポイント
- 因果関係を説明できるかで漫画の必要性を判断する
- 学年と残り時間に合わせて最適なタイプを選ぶ
- 読んで終わりにせず問題演習につなげて定着させる
- 理由を言えるようになったら次の教材へ進む
世界史漫画は大学受験に必要?向く人と不要な人の判断基準

世界史漫画は世界史が苦手な受験生全員に必要な教材ではありません。
次の基準で、自分がどのタイプに当てはまるか確認してください。
用語が記号に見えて因果関係を説明できないなら漫画を使う
指導現場では、教科書や一問一答のカタカナ用語が「ただの記号」に見えてしまう生徒に、世界史漫画を導入することがあります。
用語は暗記できているのに、なぜその戦争や革命が起きたのかを自分の言葉で説明できない状態です。
活字だけを追っても因果関係が頭の中でつながらない生徒に対して、時代背景の骨組みを作る最初の教材として漫画を使っていました。
判断の分かれ目は、成績の良し悪しではなく「因果関係を自分の言葉で説明できるかどうか」です。
まずはこの1点で自分の状態を確認してください。

地域が変わるたびに前後の流れを見失う人は漫画が向く
オリエント、ギリシア、ローマと進んだあと、インドや中国に入った途端に「また最初から」という感覚に陥る受験生は多くいます。
世界史は章が変わるごとに舞台となる地域が切り替わる構造を持っています。
この切り替えのたびに、それまで積み上げた理解が途切れてしまうのが典型的なつまずき方です。
漫画は人物や出来事を場面として追えるため、地域ごとの流れをつかみ直しやすくなります。
以下のような状態に心当たりがあれば、漫画を導入する価値があります。
- 模試の正誤判定問題で、時代や地域を混同して失点することが多い
- 活字の参考書を読むと強い拒否感や眠気を感じる
- 用語の丸暗記はできても、歴史の流れがストーリーとして頭に入っていない

すでに歴史の流れを説明できるなら漫画を優先しない
主要な出来事の因果関係をすでに自力で説明でき、教科書の通読や一問一答が滞りなく進んでいる生徒には、漫画を優先させません。
このタイプが漫画に時間を使うと、本来アウトプット演習に充てるべき時間を消費してしまいます。
指導現場でよく伝えるのは「漫画は流れを作るための教材であり、流れがすでにできている人には不要」という判断基準です。
直前期では、残り時間と現在の理解度を見て過去問を優先するケースが多くなります。
自分に漫画が必要かどうかは、次の2つの条件で判断できます。
- 因果関係を口頭で説明できない、地域が変わると混乱する→漫画を検討する
- 因果関係を説明でき、通読や暗記が順調に進んでいる→漫画より演習を優先する
大学受験向け世界史漫画は目的と残り時間で選ぶ

漫画にはいくつかのタイプがあり、どれが一番良いかではなく、学年や残り時間、目的によって適した教材が変わります。
7つの教材の違いは、価格より「誰に向くか」「どのくらい時間が必要か」を見ると判断しやすくなります。巻数・価格・刊行情報は各出版社の公式情報をもとに確認しています。
| 教材名 | タイプ | 向いている人 | 情報量 | 残り時間との相性 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 学習まんが 世界の歴史(集英社) | 通史型(漫画・全巻) | 近現代まで含めて通史をじっくり固めたい高1〜高2生、時間に余裕のある高3生 | 全18巻(近現代史10巻) | 数か月単位で余裕がある人向け | 全巻通読には時間がかかるため、早めに着手する |
| 角川まんが学習シリーズ 世界の歴史(KADOKAWA) | 通史型(漫画・全巻) | 隙間時間を使いたい高1〜高2生、地域間のつながりを意識したい受験生 | 全20巻+別巻1冊 | 数か月単位で余裕がある人向け | セットの分量が多く、全巻読了には計画が必要 |
| 小学館版学習まんが 世界の歴史(小学館) | 通史型(漫画・全巻) | 教科書に沿った流れで基礎から固めたい高1・高2生 | 本編18巻+別巻4巻(全22巻) | 数か月単位で余裕がある人向け | 山川出版社編集協力。巻数が多いため、通読には時間が必要 |
| 大学入試 マンガで世界史が面白いほどわかる本(KADOKAWA/佐藤幸夫) | 講義コミック(1冊完結) | 高3など時間が限られている受験生、国・地域ごとの流れを整理したい人 | 全1巻416頁 | 残り時間が少ない人向け | 詳細な入試知識は一問一答や問題集などで補う |
| マンガゼミナール 世界史 新版(Gakken) | 大学受験向け学習漫画(2冊) | 全巻型の学習漫画を読む時間はないが、世界史の流れを漫画で整理したい受験生 | 「古代~近代へ 新版」「近現代 新版」の2冊 | 短期間で通史の骨組みを確認したい人向け | 世界史探究に対応。細かな入試用語や問題演習は別教材で補う |
| 一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書(山﨑圭一/SBクリエイティブ) | 漫画ではなく文章中心の教科書 | 因果関係をストーリーとして文章で理解したい受験生 | 全10章構成 | 通史の骨組みを短期間で確認したい人向け | 年号を扱っていないため、この1冊だけで年号知識までは補えない |
| 世界史の勉強法をはじめからていねいに(加藤和樹責任監修/東進ブックス) | 勉強法解説+漫画 | 世界史の勉強の始め方自体に迷っている受験生 | 全1巻312頁 | これから学習を始める人向け | 大きな流れは扱うが、入試レベルの詳細知識は別教材で補う必要がある |
この7つは大きく3つのタイプに分かれます。通史を漫画で広く学ぶタイプ、短期間で流れを確認する講義コミックタイプ、漫画以外の要素で骨組みを補う補助教材タイプです。自分の学年と残り時間を先に確認したうえで、それぞれの特徴を見てください。
通史を漫画で幅広く学ぶなら集英社版・角川版・小学館版
古代から近現代まで世界史の流れをじっくり学びたいなら、全巻型の学習漫画が向いています。
集英社・角川・小学館の特徴と向いている人を比較します。
学習まんが世界の歴史
集英社の『学習まんが 世界の歴史』は、2024年10月に22年ぶりの全面リニューアルを迎えました。
全18巻のうち10巻を近現代史に充てているため、古代から現代までの流れをつかみながら、近現代を厚めに学べる構成です。
総合アドバイザーは、世界史の授業動画などで知られる山﨑圭一氏(ムンディ先生)が務めています。
向いているのは、高1・高2から世界史の流れをじっくり理解したい人や、受験まで時間に余裕があり、近現代まで通史を固めたい人です。
全18巻あるため、受験直前に最初から全巻を読む使い方には向きません。
残り時間が少ない場合は、苦手な時代だけ読むか、1〜2冊で学べる講義コミックを優先するほうが現実的です。
角川まんが学習シリーズ世界の歴史
KADOKAWA版の『角川まんが学習シリーズ 世界の歴史』は、全20巻で世界史の流れを学べる学習漫画です。
羽田正氏が監修しており、各地域の歴史を別々に覚えるのではなく、同じ時代の世界を横につなげて見る「グローバル・ヒストリー」を意識した構成になっています。
向いているのは、国や地域が変わるたびに流れを見失いやすい人や、タテの流れだけでなく、同時代の地域同士のつながりも意識して学びたい人です。
コンパクトな四六判のため、通学時間や空き時間に少しずつ読み進めたい高1・高2生にも使いやすいでしょう。
全20巻あるため、受験直前に一から通読するには時間がかかります。
残り時間が少ない場合は、苦手な時代や地域に絞って活用するほうが現実的です。
学習まんが世界の歴史
小学館版の『学習まんが 世界の歴史』は、歴史教科書で知られる山川出版社の編集協力のもと、世界史を学べる学習漫画です。
2025年12月には『新装版』として全22巻(本編18巻+別巻4巻)にリニューアルされ、持ち運びやすいA5判ソフトカバー仕様になりました。
山川出版社の教科書『詳説世界史』などの著作者が監修しているため、教科書の記述順や内容に最もシンクロしやすい点が特徴です。
最新の18巻ではロシアのウクライナ侵攻やトランプ関税といった令和の時事まで網羅されており、学校の定期試験や受験対策の副読本として極めてスムーズに活用できます。
向いているのは、漫画で世界史の流れをつかんだあと、教科書や一問一答へスムーズに移りたい人や、学校の授業と並行して通史をじっくり学びたい高1・高2生です。
特に、教科書を読んでも人物や出来事の関係が頭に入りにくい人は、先に漫画で場面をイメージしてから教科書へ戻る使い方ができます。
巻数が多いため、受験直前に全巻を一から読む使い方には向きません。時間が限られている場合は、流れをつかめていない時代や地域に絞って活用するとよいでしょう。
3社とも本格的な通史を扱う点は共通していますが、重視する軸が異なります。
指導現場では、近現代の比重を重視したい生徒には集英社版、隙間時間や地域間のつながりを意識したい生徒にはKADOKAWA版、教科書との対応を重視したい生徒には小学館版を、実際に案内していました。
いずれも全巻を読み切るには数か月単位の時間が必要になるため、受験までの余裕を先に確認してください。
短期間で流れを確認するなら講義コミック・らくらくブック
受験まで時間が限られているなら、全巻型より少ない冊数で学べる教材が向いています。
短期間で世界史の流れを整理したい人向けの2冊を紹介します。
大学入試 マンガで世界史が面白いほどわかる本
『改訂版 大学入試 マンガで世界史が面白いほどわかる本』は、予備校講師の佐藤幸夫氏が手がけた大学受験向けの教材です。
国別に世界史の流れを整理し、漫画と講義形式の解説を組み合わせて学べる点が特徴です。
向いているのは、全巻型の学習漫画を読む時間がない受験生や、国・地域ごとの流れを短期間で整理したい人です。
特に、人物名や出来事は覚えていても「その前後で何が起きたのか」がつながらない場合に、通史の骨組みを作る教材として使いやすいでしょう。
1冊で世界史を扱うため、細かな入試用語までこの教材だけで仕上げるのには向きません。
流れをつかんだ後は、一問一答や問題集へ移る使い方がおすすめです。
マンガゼミナール 世界史 古代~近代へ 新版(世界史探究対応)
『マンガゼミナール 世界史 古代~近代へ 新版』は、斎藤整氏監修の大学受験向け学習漫画です。
2025年3月に全面リニューアルされ、現行の「世界史探究」に対応しています。
古代から近代までをストーリーで追いながら、人物像や時代背景を理解できる構成です。
向いているのは、全巻型の学習漫画を読む時間はないものの、世界史の流れを漫画で短期間に整理したい受験生です。
特に、用語は覚えていても出来事の前後関係がつながらない人や、受験勉強を始める前に古代から近代までの骨組みを作りたい人に使いやすいでしょう。
近現代については、同時に刊行された『マンガゼミナール 世界史 近現代 新版』が「歴史総合・世界史探究」に対応しています。
古代から現代まで漫画で一通り学びたい場合は、2冊を組み合わせて使えます。
漫画で歴史の流れや背景を理解することが中心なので、細かな入試用語までこの教材だけで仕上げるのではなく、その後は一問一答や問題演習へ進む使い方がよいでしょう。
どちらも全巻型の学習漫画より短期間で取り組みやすい教材です。
国・地域ごとの流れを整理したいなら『大学入試 マンガで世界史が面白いほどわかる本』、漫画を中心に古代から近現代までの流れをつかみたいなら『マンガゼミナール 世界史 新版』が選択肢になります。
漫画以外の要素で骨組みを補うなら
一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書
『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』は、山﨑圭一氏(ムンディ先生)が世界史をストーリー形式で解説した教材です。
学習漫画ではありませんが、年号を使わず、出来事のつながりや因果関係を追いながら世界史を理解できる点が特徴です。
向いているのは、漫画より文章で読み進めたい人や、用語を暗記しても「なぜ起きたのか」「次に何が起きたのか」がつながらない受験生です。
特に、教科書の説明が細かく感じて通史の全体像をつかめていない場合は、世界史の骨組みを作るための入口として使いやすいでしょう。
年号を使わずに解説する構成のため、入試で必要になる細かな年代や用語まで、この1冊だけで仕上げる教材ではありません。
流れを理解した後は、一問一答や問題演習で知識を補う使い方が適しています。
世界史の勉強法をはじめからていねいに
『世界史の勉強法をはじめからていねいに』は、加藤和樹氏が責任監修した東進ブックスの教材です。
オールページ漫画で構成されており、世界史の知識そのものだけでなく、「世界史をどう勉強すればよいか」を学べる点が他の教材との大きな違いです。
向いているのは、世界史の勉強を始めたばかりの人や、教科書・一問一答・問題集をどの順番で使えばよいのか迷っている受験生です。
古代史からイスラーム史、近現代史まで、大きな流れをつかむためのストーリーも収録されています。
そのため、「世界史が苦手だけれど、何から手をつければよいか分からない」という段階の入口として使いやすいでしょう。
入試で必要な細かな知識まで、この1冊だけで仕上げる教材ではありません。
勉強の進め方と大きな流れをつかんだら、教科書や一問一答、問題演習へ進む使い方が適しています。
指導現場では、この2冊を「純粋な漫画」としてではなく、通史の骨組みを短期間で確認したい生徒や、そもそも世界史の勉強の始め方に迷っている生徒への入口として使っていました。
ランキングではなく自分のつまずきで選ぶ
出版社の売上ランキングや、一般的な「おすすめ順位」だけを見て教材を選ぶと、自分の学力状況や残り時間と噛み合わない選択をしてしまうことがあります。
指導現場で実際に使い分けていた基準は、単純な優劣ではなく「今の自分のつまずき方と、受験までに使える時間」でした。
迷ったときは、次の3つを自分に当てはめて確認してください。
- 近現代まで含めて通史をじっくり固めたい、時間に余裕がある→集英社版・角川版
- 小学館版のいずれか ・全巻を読む時間がない、苦手な地域だけを補強したい→大学入試マンガでわかる本
- らくらくブック ・世界史の流れをストーリーで確認したい、勉強の始め方自体に迷っている→一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書or世界史の勉強法をはじめからていねいに
私が生徒に選ばせるときも、ランキングは基準にしていません。
先に見るのは、学年、残り時間、どこで流れが切れているかの3点です。
現在の理解度や志望校レベルに合わせて選べる参考書構成は、「世界史のおすすめ参考書と志望校別の学習ルートを解説した記事」で網羅しています。
世界史漫画で成績が伸びない3つの失敗パターン

漫画を使ったのに成績が伸びなかった生徒には、共通した失敗パターンがあります。
自分が当てはまっていないか確認しましょう。
読んだだけで満足して演習をしない
漫画を読み終えた直後は、内容を理解した気になりやすいものです。
ですが、一問一答や問題演習によるアウトプットを挟まないと、その理解は本番の得点には結びつきません。
これは「わかったつもり」と呼ばれる状態で、漫画のようにすらすら読める教材ほど起きやすい現象です。
指導現場では、漫画を読んだ範囲は、そのつど一問一答や問題演習へ接続するよう伝えていました。
読んだ直後にアウトプットできるかどうかを、自分で確認してください。

全巻を長期間かけて読み前半を忘れる
全巻セットの学習漫画を長い期間かけて読み続けると、後半に進む頃には古代オリエントや地中海世界の内容を忘れてしまいます。
これでは、漫画を読む目的である「時代をまたいだ因果関係の理解」自体が達成できません。
学習塾では、読了日数を一律に決めるのではなく、前半の内容を保ったまま全体像をつかめるペースで進め、因果関係を説明できる状態になった段階で次教材へ移していました。
期間ではなく、理解が保てているかどうかで進み方を判断してください。

漫画だけで細かい入試用語まで覚えようとする
漫画のコマの中に書かれた細かい注記や人物名まで、すべて丸暗記しようとする生徒もいます。
これは漫画が担うべき役割ではありません。
漫画の役割は、あくまで歴史の大きな骨組みと因果関係をつかむことに限定されます。
入試で問われる細かい用語や年号は、用語集や一問一答で覚えるべき作業です。
漫画の中で暗記まで完結させようとすると、かえって読み進めるスピードが落ち、通読自体が長期化する原因にもなります。
漫画で場面を追い、用語は一問一答で固める、と役割を分けて使ってください。
世界史漫画を卒業する3つの判断基準

漫画をいつまで使い続けるかは、読了冊数や期間ではなく、次の3つの基準で判断します。
主要人物の動機と体制変化の理由を説明できる
例えば、
- なぜカエサルが独裁を目指したのか?
- なぜフランス革命が起きたのか?
自分の言葉で口頭要約できるかどうかを確認します。
これができれば、漫画で得た理解が単なるストーリー鑑賞ではなく、歴史的な因果関係の理解として定着している証拠です。
王朝や体制が交代した理由を説明できるかどうかも、この基準を確かめる補助チェックとして使えます。

出来事の前後関係を何も見ずに説明できる
同じ地域内で起きた出来事について、参考書や漫画を見ずに、正しい時系列で順序立てて説明できるかを確認します。
これは、いわゆる「タテの流れ」が定着しているかどうかの確認方法です。
王朝や国家がどのように興り、どう滅んだのかを、前後の因果を含めて自分で言えるかどうかを基準にしてください。

教科書の太字語から漫画の場面を思い出せる
教科書や一問一答の太字用語を見たときに、漫画の具体的な場面やキャラクターのやり取りが頭に浮かぶかどうかも、重要な判定基準です。
活字の用語が単なる記号ではなく、意味のあるイメージに変換されている状態です。
この状態になったら、問題演習へ本格的に移行する合図と考えてください。
読了冊数ではなく、次の3点を自分で説明できるかで卒業を判断します。
- 人物の動機・体制変化を説明できる(王朝交代の理由が言えるかも合わせて確認)
- 出来事の前後関係を何も見ずに説明できる
- 太字語から漫画の場面を思い出せる
この3点を満たしたら、漫画を読み続けるのではなく、一問一答や標準レベルの問題集へ切り替えてください。
漫画はタテの流れに強いがヨコの同時代史には限界がある

漫画は万能な教材ではありません。
得意な範囲と苦手な範囲を分けて理解しておくと、次の教材選びに迷わなくなります。
1つの国や地域の流れは漫画でつかみやすい
漫画のストーリーテリングは、1つの国や地域における時系列の変遷、いわゆるタテの流れを追うことに強みがあります。
登場人物の動機や体制変化の理由が場面として描かれるため、直感的に因果関係を追いやすくなります。
この点は、活字の教科書よりも漫画が優れている部分です。

唐・アッバース朝・フランク王国を横で見る
同時代に異なる地域で何が起きていたかという「ヨコのつながり」は、国別・地域別に描かれる漫画だけでは把握しにくくなります。
例えば8世紀のユーラシア大陸では、東アジアの唐、イスラーム世界のアッバース朝、西ヨーロッパのフランク王国が同時期に存在していました。
入試の地域横断問題では、こうした同時代の関係性が問われます。
漫画を国別に読んでいるだけでは、この横のつながりは自然には見えてきません。

ヨコのつながりは対照年表や白地図で補う
指導現場では、タテの流れを漫画で理解した後、唐・アッバース朝・フランク王国のような同時代の地域を、対照年表や白地図、自作のシートに並べて整理させていました。
こうすることで、地域横断型の問題にも対応できる視点が育ちます。
対照年表や白地図を使った具体的な整理の手順については、「世界史年表の作り方の記事」を参考にしてください。
この記事では、漫画でタテの骨組みを作った後の橋渡しとして押さえておきましょう。
漫画を読んだ後は長居せず次教材へ進む

漫画は最終ゴールではなく、その後の学習につなげるための入口として位置づけてください。
漫画は流れと因果関係をつかむ入口にする
漫画の役割は、歴史の骨組みを作ることに特化しています。
長期間にわたって漫画だけに依存し続けるのは、指導現場でも避けたい状態です。
指導では、漫画で得た理解を一問一答や問題演習にどうつなげるかを、卒業基準と合わせて生徒に伝えていました。

卒業基準を満たしたら一問一答や演習へ移る
前章で挙げた卒業基準を満たしたら、間を置かずに一問一答や基礎レベルの問題集へ移行してください。
漫画で作った理解の骨組みに、用語の精緻化とアウトプット演習を重ねていく段階です。
ここで足踏みをすると、せっかく作った流れの理解が薄れてしまいます。

丸暗記に頼らず効率的に用語を定着させる具体的な周回手順は、「山川一問一答世界史の使い方と模試で点が伸びる周回勉強法を解説した記事」で詳しく解説しています。
漫画で補えない部分は別教材に任せる
文化史の細かい知識、詳細な年号、史料問題、正誤判定問題、論述問題は、漫画では網羅できない領域です。
これらはそれぞれ専用の参考書や問題集に役割を任せるべきで、漫画にすべてを求める必要はありません。
世界史全体の学習をどう進めるかについては、総合的な勉強順序を扱っている「世界史の勉強法の記事」で詳しく解説しています。
漫画卒業後のルート全体を確認したい場合は、そちらを参考にしてください。
世界史の流れは分かってきたけれど、「次にどの教材を使えばいいか」「志望校まで何を優先すればいいか」で迷う人もいるでしょう。
自分に合った学習計画から相談したい場合は、東大毎日塾の無料相談で現在の勉強法を確認してもらう方法もあります。
自分にピッタリの参考書がわかります。
【Q&A】大学受験の世界史漫画に関するよくある質問

大学受験で世界史漫画を使うときに迷いやすい、高3からでも間に合うか、電子書籍でもよいか、漫画だけで受験対策できるかなどの疑問に答えます。
Q.高3から世界史漫画を始めても遅くないですか
全巻セットのシリーズを最初から最後まで通読するのは、高3の時期にはおすすめしません。
時間的に厳しくなるためです。
高3から使うなら、全巻を最初から読むより、1冊完結の講義コミックや、模試で失点した時代・地域に絞るほうが現実的です。
残り時間が少ないほど、漫画で扱う範囲を限定してください。

Q.世界史漫画はアプリや電子書籍でも使えますか
タブレットなどでの電子書籍利用は、通学中などの隙間時間を活用したい場合に有効です。
年表や白地図と行き来しながら整理したい場面では、ページをめくって一覧できる紙の書籍のほうが扱いやすい面があります。
隙間時間は電子書籍、年表と照らし合わせる復習は紙の書籍、と使い分けると無理がありません。

Q.一般の歴史漫画は大学受験の勉強に使えますか
『キングダム』のような一般向けの歴史漫画は、特定の人物や時代への興味を持つきっかけとしては有効です。
時代背景への解像度を上げる効果も期待できます。
ただし、受験世界史で必要とされる通史全体の網羅性や、因果関係のバランスは担保されていません。
受験勉強の主軸には、学習指導要領に準拠した学習漫画を選んでください。

Q.世界史漫画だけで大学受験対策はできますか
漫画だけで大学受験対策を完結させるのは難しいです。
「漫画中心の勉強で成績が伸びた」という話に憧れて、漫画だけに頼りたくなる受験生もいますが、漫画が得意なのは、出来事の流れや因果関係の骨組みを作ることまでです。
入試で必要な細かな用語、正誤判定、史料問題、論述などは、一問一答や問題演習で補う必要があります。
漫画に受験対策のすべてを任せることはできません。
まとめ:【大学受験】世界史おすすめ漫画7選|目的・残り時間別の選び方と進め方

大学受験で世界史漫画を使う重要ポイント
世界史漫画は、世界史が苦手な受験生全員に必要な教材ではありません。
用語が記号のように見え、地域が変わるたびに流れを見失う受験生に向いた、因果関係理解のための入口教材です。
選ぶ際は、出版社のランキングではなく、自分の学年と残り時間で判断してください。
通史をじっくり固めたいなら集英社版・角川版・小学館版、時間がなければ講義コミックやらくらくブック、勉強の始め方自体に迷っているなら勉強法解説タイプが現実的です。
読んで満足するだけ、全巻通読に時間をかけすぎる、細かい用語まで漫画で覚えようとする、この3つの失敗パターンは避けてください。
迷ったときの判断基準と次の行動
今の自分が漫画を使うべきかどうかは、因果関係を口頭で説明できるかどうかで確認できます。
説明できないなら漫画の導入を検討し、すでに説明できるなら演習を優先してください。
漫画を使う場合は、人物の動機・体制変化を説明できるか、出来事の前後関係を何も見ずに説明できるか、教科書の太字語から場面を思い出せるか、この3点を卒業の目安にしてください。
すべて満たしたら、漫画を読み続けるのではなく、一問一答や問題演習にすぐ切り替えることが、得点力につなげる最短ルートです。
執筆者プロフィール

※この記事は、社会(日本史・世界史)を中心とした文系科目の指導経験が豊富な桐生智花が執筆しています。学習塾で高校生の定期テスト対策や大学受験指導に携わった経験をもとに、教育現場で培った知見を記事に反映しています。
桐生智花は、大手個別指導塾で高校生を対象に、社会(日本史・世界史)を中心とした文系科目を指導してきました。一人ひとりの理解度に合わせた指導を得意としており、「理解して伸ばす」学習法や受験対策をわかりやすく解説しています。
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