世界史おすすめ参考書と志望校別ルート!初心者向け講義系から演習まで

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世界史は範囲が広く、「結局、どの参考書から始めればいいの?」と迷いやすい科目です。
学習塾で高校生を指導してきた経験から見ると、世界史が伸びないときに最初に確認したいのは、覚えた用語の数ではありません。
「なぜこの出来事が起きたのか」「その後どうなったのか」「同じ時代にほかの地域では何が起きていたのか」を、自分の言葉で説明できるかです。
参考書は、人気順に選ぶよりも、
通史理解 → 用語定着 → 基礎演習 → 志望校別演習
のどこで止まっているかを確認して選んだほうが失敗しにくくなります。
この記事では、現在の「歴史総合・世界史探究」に対応する教材を中心に、自分に合う参考書、使う順番、次の教材へ進む目安まで紹介します。
記事のポイント
- 通史や演習など今の自分の状況から参考書を選べる
- 丸暗記ではなく歴史の流れを説明できる状態を目指す
- 周回数より内容を理解できたかを次の教材の目安にする
- 迷った時は新しい本を買わず通史や基礎に戻って見直す
自分に合う世界史参考書の選び方

参考書を探す前に、「自分は今どこで止まっているのか」を確認してみてください。
偏差値や学年だけで参考書を決めるより、こちらのほうが選びやすくなります。
通史・暗記・演習のどこから始めるか
世界史の教材は、大きく「通史」「暗記」「演習」に分けられます。
次の4段階で現在地を確認してみましょう。
| 今の状態 | 現在地 | 選びたい教材 |
|---|---|---|
| 出来事の原因や前後関係を説明できない | 通史未完成 | 講義系参考書・教科書 |
| 流れは分かるが人物名・条約名などが出てこない | 用語未定着 | 一問一答・用語集 |
| 用語は覚えているが模試や初見問題で使えない | 基礎演習不足 | 基礎問題集 |
| 基礎問題で安定して得点できる | 実戦演習段階 | 共通テスト・志望校別問題集 |
例えば、一問一答はかなり答えられるのに模試になると点が取れないなら、難しい一問一答を追加するのが正解とは限りません。
実際の指導では、このような生徒には解けなかった単元の講義系参考書や図録まで戻り、前後50年程度の出来事や地域同士の関係を確認するようにしていました。
参考書を増やす前に、まず自分の現在地を確認してみてください。
暗記の性質や出題傾向から相性を客観的にチェックしたい方は、「世界史と日本史の適性を判断できる無料診断テスト」を試してみてください。
暗記より先に歴史の流れを確認する
世界史が苦手な生徒からは、「まだ暗記量が足りません」と言われることがよくありました。
指導するときに最初に見ていたのは用語の数ではありません。
例えば、フランス革命なら、
- なぜ革命が起こったのか
- 革命前のフランスはどのような状況だったのか
- 革命後にヨーロッパ各国へどのような影響が広がったのか
といった流れを説明できるかを確認します。
一問一答で「フランス革命=1789年」と答えられても、出来事同士のつながりが分からなければ、資料問題や正誤問題になると対応できないことがあります。
確認方法は難しくありません。
本を閉じて、ある出来事について、
「なぜ起きた?」
「その前に何があった?」
「その後どうなった?」
「ほかの地域とどう関係していた?」
と自分に問いかけてみてください。
途中で説明できなくなったところが、通史へ戻る目安です。

短期間で偏差値を伸ばすための正しい勉強順序や教科書の読み方については、「世界史の勉強法と短期間で成績を上げるコツをまとめた記事」を参考にしてください。
講義系参考書が必要な人・いらない人
講義系参考書は、すべての受験生に必須ではありません。
学校の教科書を読んだだけで、
原因 → 経過 → 結果
まで自分の言葉で説明できるなら、無理に講義系参考書を追加する必要はないでしょう。
一方、教科書を読んでも、
「出来事が並んでいるだけに感じる」
「なぜ次の時代につながるのか分からない」
「同じ時期のヨーロッパとアジアの関係が見えない」
という場合は、講義系参考書を1冊加える価値があります。
判断の目安は次のとおりです。
- 教科書だけで因果関係まで説明できる → 教科書中心でOK
- 教科書を読んでも流れが見えない → 講義系参考書を1冊追加
- 独学で通史を進めている → 講義系参考書を学習の軸にする
山川出版社の現行『山川世界史ナビ』も、「世界史探究」の教科書内容を講義形式で分かりやすく説明する参考書として刊行されています。
【一覧表】世界史おすすめ参考書を比較

ここでは、現行の「歴史総合・世界史探究」で使いやすい教材を中心に整理しました。
旧課程の「世界史B」向けとして刊行された参考書は、おすすめ一覧から外しています。
教材は全部そろえる必要はありません。
自分の現在地に合う種類から1冊選ぶことを優先してください。
初心者から難関大まで目的別に比較
※表は横にスクロールできます。
| 教材 | 目的 | レベル | 向いている人 | 次へ進む目安 |
|---|---|---|---|---|
| 大学入試 ストーリーでわかる世界史探究 | 通史 | 初心者〜標準 | 物語を読む感覚で流れを理解したい | 原因・経過・結果を説明できる |
| 青木裕司 世界史探究授業の実況中継 | 通史 | 標準〜難関 | 詳しい講義で深く理解したい | 講義内容を自力で説明できる |
| 改訂版 大学入試 茂木誠の世界史探究が面白いほどわかる本 | 通史 | 初心者〜難関 | 図解とストーリーで理解したい | 各時代のつながりを説明できる |
| 山川世界史ナビ | 通史 | 初心者〜標準 | 教科書に沿って整理したい | 基本事項の因果関係を説明できる |
| 山川一問一答 世界史 | 暗記 | 標準〜難関 | 通史後に用語を確認したい | 基礎用語の正答率が安定 |
| ランク順 聴いて覚える世界史探究 | 暗記 | 初心者〜標準 | 重要度順に用語を覚えたい | 基本用語をすぐ答えられる |
| 時代と流れで覚える!世界史探究用語 | 暗記 | 初心者〜標準 | 用語を時代背景や流れと結びつけて覚えたい | 用語から前後の出来事や時代背景を説明できる |
| 世界史探究用語 マルチ・トレーニング 改訂版 | 暗記 | 標準〜難関 | 地図・年表も含め整理したい | 誤答が安定して減る |
| 最新世界史図説 タペストリー | 資料集 | 全レベル | 地図・史料・文化史を補いたい | 必要な場面で図録を引ける |
| 大学入試 全レベル問題集 世界史(世界史探究)1 基礎レベル 新装新版 | 演習 | 基礎〜標準 | 最初の問題演習をしたい | 基礎問題で安定して得点 |
| 共通テスト年度別問題集 | 演習 | 共通テスト | 資料問題・思考問題に慣れたい | 共通テスト形式で得点が安定 |
| HISTORIA 世界史探究精選問題集 | 演習 | 標準〜難関 | 私大・国公立二次まで進みたい | 初見問題でも知識を使える |
| 全レベル問題集 世界史4 私大上位・最難関レベル | 演習 | 難関〜最難関 | 難関私大レベルまで仕上げたい | 難問でも根拠を説明できる |
KADOKAWAの『ストーリーでわかる世界史探究』は2023年刊行の「世界史探究」を冠した2分冊、茂木誠の改訂版は2025年刊行で「歴史総合」の日本史分野も収録し、共通テスト「歴史総合、世界史探究」への対応が公式に案内されています。
旺文社では『世界史探究用語 マルチ・トレーニング 改訂版』を2025年6月に刊行し、『全レベル問題集 世界史(世界史探究)4 私大上位・最難関レベル 新装新版』も現行ラインアップに掲載しています。
参考書選びでよくある3つの失敗
世界史の指導で実際によく見た失敗は、大きく3つあります。
1つ目は、通史が固まる前に難関問題集へ進むことです。
周囲が難しい参考書を使っていると、「自分も早くやらないと遅れる」と焦りやすくなります。
しかし、通史を説明できない状態では、難問の解説を読んでも内容を理解できず、解答そのものを丸暗記しやすくなります。
2つ目は、講義系参考書を次々に変えることです。
1冊目を半分ほど読んだところで別の本が良く見え、さらに別の講義本へ移る。これを繰り返すと、どの本も中途半端になりやすくなります。
講義系は、自分が読みやすい1冊を決めたら、その本で通史の軸を作るほうが進めやすいです。
3つ目は、模試で点が取れないと暗記量をさらに増やすことです。
一問一答がかなりできているなら、「もっと単語を覚える」より、通史へ戻ったほうがよい場合があります。
新しい参考書を買う前に、「自分は通史・用語・演習のどこで止まっているのか」を確認してください。
【通史】初心者向け講義系参考書おすすめ4選

通史の流れを自分の言葉で説明できない人は、まず講義系参考書から始めます。
ここでは、現行の「世界史探究」に対応する教材を4冊紹介します。
『大学入試 ストーリーでわかる世界史探究』
『大学入試 ストーリーでわかる世界史探究』は、KADOKAWAから刊行されている鵜飼恵太の講義系参考書です。
「古代・中世・近世」と「近代・現代」の2分冊になっています。
前者は2023年7月、後者は2023年10月に発売されています。
歴史を出来事の羅列ではなく、ストーリーとして読み進めたい人に向いています。
教科書を読んでも、
「人物名は分かるけれど、なぜ次の出来事につながるのか分からない」
という人には選択肢にしやすいでしょう。
- 向いている人: 文章を読みながら歴史の流れをつかみたい人
- 次へ進む目安: 本を閉じても主要な出来事の原因・経過・結果を説明できる
ここまでできれば、一問一答などで具体的な用語を固める段階へ進みます。
挫折を防ぎながら楽しく通史の流れをつかめる良書については、「大学受験の基礎固めに役立つ世界史おすすめ漫画」をチェックしてみてください。
『青木裕司 世界史探究授業の実況中継』
『青木裕司 世界史探究授業の実況中継』は、語学春秋社から刊行されている全4巻の講義系参考書です。
出版社は、教科書に準拠した構成に加え、共通テストから国公私大の論述までを対象とし、文化史・社会経済史も扱う教材として案内しています。
情報量が多いので、世界史を初めて勉強する人が「すべて覚えよう」とすると負担になることがあります。
最初から細かい知識を完璧にする必要はありません。
まずは、
「この時代は何が中心だったか」
「なぜ次の時代へ移ったのか」
を追う読み方で十分です。
- 向いている人: 通史を詳しく理解し、その後の難関大対策まで1シリーズを使いたい人
- 次へ進む目安: 重要な時代について、本を見ずに流れを説明できる
『改訂版 大学入試 茂木誠の世界史探究が面白いほどわかる本』
KADOKAWAの『改訂版 大学入試 茂木誠の世界史探究が面白いほどわかる本』は、2025年2月発売の講義系参考書です。
改訂版では「歴史総合」で出題される日本史分野も収録され、共通テスト「歴史総合、世界史探究」への対応が出版社から明示されています。
図解やストーリーを使いながら、歴史のつながりを理解したい人と相性のよい教材です。
ただし、情報が豊富だからこそ、最初から細部まで覚えようとしないことも大切です。
- 向いている人: 図解や講義調の文章から歴史の背景を理解したい人
- 次へ進む目安: 各時代の重要な出来事について「なぜ起きたか」を説明できる
『山川世界史ナビ』
旧課程の定番だった『ナビゲーター世界史B』ではなく、現在の記事では『山川世界史ナビ』を紹介します。
山川出版社は『山川世界史ナビ』を、「世界史探究」教科書の内容を講義形式で解説し、図版・資料・問いも盛り込んだ参考書として刊行しています。
学校で山川の教科書を使っている人や、教科書との対応を意識しながら通史を学びたい人には使いやすいでしょう。
- 向いている人: 教科書の流れに沿って基礎から整理したい人
- 次へ進む目安: 教科書レベルの出来事を因果関係まで説明できる
講義系参考書は、4冊すべてを読む必要はありません。
実際の指導でも、何冊も乗り換えるより、自分が一番読みやすい1冊に絞ることを重視していました。
【暗記・定着】一問一答・用語教材おすすめ5選

通史を説明できるようになったら、人物名・条約名・制度名などをすぐ答えられる状態へ持っていきます。
この段階でも、暗記教材を何冊も並行する必要はありません。
『山川一問一答 世界史』
山川出版社の『山川一問一答 世界史』は2024年1月刊行の現行版で、定期テストから難関大入試までの知識確認を想定した教材です。
通史を学んだあとに、
「覚えたつもりになっている用語はないか」
を確認する教材として使いやすいでしょう。
- 向いている人: 通史終了後に入試用語を確認したい人
- 次へ進む目安: 基本レベルの用語に安定して答えられる
なお、正答率80%は、桐生智花が指導時に一つの目安として使っていた数字です。すべての受験生に共通する絶対基準ではありません。
具体的な周回手順や挫折しない覚え方の詳細は、「山川一問一答世界史の使い方と単語を効率よく暗記する勉強法を解説した記事」で詳しく解説しています。
『ランク順 聴いて覚える世界史探究』
Gakkenの『ランク順 聴いて覚える世界史探究』は、「世界史探究」の入試問題を分析し、重要度をランク別に整理した一問一答型の教材です。音声でも用語を確認できる仕様になっています。
最初から細かい用語まで一律に覚えるのではなく、優先順位をつけて暗記したい人に向いています。
- 向いている人: 基本用語から順番に覚えたい人
- 次へ進む目安: 優先度の高い用語をすぐに答えられる
『時代と流れで覚える!世界史探究用語』
文英堂の『時代と流れで覚える!世界史用語』は、世界史の重要用語を単独で覚えるのではなく、時代の流れと結びつけながら確認できる教材です。
世界史では、一問一答で用語を覚えていても、「いつ・なぜ起きた出来事なのか」が分からないと、模試の正誤問題や資料問題で知識を使えないことがあります。
そのため、
「一問一答だけでは用語がバラバラに感じる」「人物名や条約名は覚えたのに、時代の流れがつながらない」
という人には、このように用語と通史を一緒に確認できる教材が向いています。
- 向いている人: 世界史用語を単語だけでなく、時代背景や出来事の流れと結びつけて覚えたい人
- 次へ進む目安: 用語を見たときに、その前後の出来事や時代背景まで説明できる
志望校レベルに応じた版の選び方や即答力を鍛える周回手順は、「東進世界史一問一答の必修版と完全版の違いや使い方を解説した記事」で解説しています。
『世界史探究用語 マルチ・トレーニング 改訂版』
旺文社の『世界史探究用語 マルチ・トレーニング 改訂版』は2025年6月発売の現行版です。
用語だけでなく、文章・地図・年表を組み合わせて整理できるのが特徴です。
一問一答では答えられるのに、地図や時代が変わると分からなくなる人は、このような教材で知識同士をつなげる方法があります。
- 向いている人: 用語を地図・年表・文章と結びつけたい人
- 次へ進む目安: 別の聞かれ方をしても同じ知識を取り出せる
『最新世界史図説 タペストリー』
帝国書院の『最新世界史図説 タペストリー』は、一問一答とは役割が違います。
二十四訂版では、大学入試を意識した資料読解や、世界史の「タテ」と「ヨコ」を整理する構成が公式に案内されています。
地図、文化史、史料、国同士の位置関係は、文章だけでは理解しにくいことがあります。
そのため図録は、「暗記する本」というより分からなくなったら戻る本として使うと便利です。
- 向いている人: 地域の位置関係や史料を視覚的に確認したい人
- 使い方の目安: 講義系参考書や問題集を使うたびに必要な地図・史料を確認する
【問題演習】世界史のおすすめ問題集4選

通史と基本用語が固まったら、問題を使って「知識を取り出せるか」を確認します。
ここで正答率が低い場合、すぐに難しい問題集へ進む必要はありません。
『大学入試 全レベル問題集 世界史(世界史探究)1 基礎レベル 新装新版』
最初の演習では、基礎レベルの問題集から始めます。
役割は難問に挑戦することではなく、
「通史と用語が本当に定着しているか」を確認すること
です。
問題を解いて間違えたときは、答えだけ覚えないようにしてください。
「出来事の流れが分からなかったのか」
「用語を忘れていたのか」
まで確認します。
- 向いている人: 通史・用語学習を終えて初めて問題演習へ進む人
- 次へ進む目安: 基礎問題で安定した正答率を取れる
共通テスト対策の問題集
共通テストで世界史を使うなら、「歴史総合、世界史探究」に対応した年度版の問題集を使います。
Z会でも2027年用『共通テスト実戦模試 歴史総合、世界史探究』が現行ラインアップに掲載されています。
共通テストでは、知識そのものだけでなく、資料を読みながら知識を使う力も必要です。
年度版は毎年更新されるので、購入時には受験年度に対応する最新版か確認してください。
- 向いている人: 共通テストで「歴史総合、世界史探究」を利用する人
- 次へ進む目安: 共通テスト形式でも得点が安定してきた状態
『HISTORIA[ヒストリア]世界史探究精選問題集【改訂版】』
Gakkenの『HISTORIA[ヒストリア]世界史探究精選問題集【改訂版】』は、「世界史探究」の実戦問題集です。
公式では、過去問を中心とした100題で通史全範囲を扱い、文化史・テーマ史も収録し、基礎から難関大まで対応する教材として案内されています。
基礎問題だけでは物足りなくなった段階で、私大・国公立二次の入試問題へつなげる候補になります。
- 向いている人: 基礎を終えて入試問題レベルの演習へ進みたい人
- 次へ進む目安: 正解した問題だけでなく、誤答した理由まで説明できる
『大学入試 全レベル問題集 世界史(世界史探究)4 私大上位・最難関レベル 新装新版』
旧課程の難関問題集を無理に「世界史探究対応」として紹介するのではなく、難関向けには現行の『大学入試 全レベル問題集 世界史(世界史探究)4 私大上位・最難関レベル 新装新版』を候補にします。
旺文社公式では2024年2月発売の「世界史探究」シリーズとして掲載されています。
早慶など難関私大を目指していても、基礎問題の正答率が安定していなければ、まだこの段階ではありません。
実際の指導でも、通史が固まっていない段階で難関問題集へ進み、解説そのものを暗記しようとして行き詰まる生徒を見てきました。
- 向いている人: 基礎・標準問題を終え、難関私大向けの演習へ進みたい人
- 次へ進む目安: 難しい問題でも、答えの根拠と誤答理由を説明できる
【志望校別】世界史参考書ルートと到達目安

ここからの志望校別ルートは、特定の生徒全員に同じ教材を使わせていたという意味ではありません。
各教材の役割と難易度、指導現場で使っていた「次へ進む基準」をもとに、編集部で整理した目安です。
大学・学部によって問題形式は違うので、最終段階では必ず志望校の過去問を確認してください。
| 目標 | 基礎完成後の演習 | 次へ進む判断 |
|---|---|---|
| 共通テスト中心 | 共通テスト年度別問題集 | 資料問題でも知識を使える |
| 日東駒専 | 基礎〜標準問題集 | 基本問題の失点が減っている |
| GMARCH・関関同立 | HISTORIAなど | 初見問題でも知識を結びつけられる |
| 早慶・難関大 | 難関問題+志望校過去問 | 基礎・標準問題が安定している |
共通テスト中心の参考書ルート
共通テストを中心に使うなら、
講義系1冊 → 用語確認 → 基礎問題 → 共通テスト年度別問題
という流れが基本です。
私大最難関向けの細かい知識を早い段階から増やすより、資料問題の中で基礎知識を正しく使える状態を優先します。
| 教材の役割 | おすすめ参考書例 | 学習の目的・到達目安 |
|---|---|---|
| 講義系 | 『ストーリーでわかる世界史探究』 『茂木誠の世界史探究が面白いほどわかる本』 | 歴史の因果関係(原因・経過・結果)の流れを自分の言葉で説明できるようにする |
| 用語確認 | 『時代と流れで覚える!世界史用語』 『ランク順 聴いて覚える世界史探究』 | 通史のストーリーと紐づけながら、基本レベルの用語を確実に定着させる |
| 基礎問題 | 『大学入試 全レベル問題集 世界史(世界史探究)1 基礎レベル 新装新版』 | 定着した知識を問題形式で正しく引き出せるか確認する |
| 共通テスト対策 | 共通テスト年度別問題集・実戦模試(河合『黒本』・駿台『青本』等) | 資料読み解きや思考力問題の形式に慣れ、安定して高得点を取れる状態を目指す |
日東駒専レベルの参考書ルート
日東駒専を目指す場合も、最初から難関大向けの問題集へ進む必要はありません。
通史理解 → 用語定着 → 基礎〜標準演習 → 過去問
という順番で、抜けのない状態を作ることを優先します。
特に注意したいのは、「日東駒専を目指しているから日東駒専レベルの問題集から始める」という考え方です。
通史の流れを説明できない段階なら、まず講義系参考書まで戻ったほうがよいケースがあります。
| 教材の役割 | おすすめ参考書例 | 学習の目的・到達目安 |
|---|---|---|
| 通史理解 | 『山川世界史ナビ』 『大学入試 ストーリーでわかる世界史探究』 | 教科書レベルの出来事について、原因・経過・結果を自分の言葉で説明できるようにする |
| 用語定着 | 『山川 一問一答 世界史』 『時代と流れで覚える!世界史用語』 | 通史と結びつけながら、入試で必要な基本〜標準用語を定着させる |
| 基礎〜標準演習 | 『大学入試 全レベル問題集 世界史(世界史探究)1 基礎レベル 新装新版』など | 覚えた知識を問題の中で使えるか確認し、基礎問題の取りこぼしを減らす |
| 志望校対策 | 日東駒専各大学の過去問 | 大学ごとの出題形式を確認し、時間内に安定して得点できる状態を目指す |
基礎問題で安定して得点できるようになったら、志望学部や過去問の難易度に応じて私大標準レベルの問題演習へ進みます。
日東駒専に特化した参考書の組み合わせや詳しい対策は、既存の「日東駒専 世界史 参考書」の記事で解説しているため、ここでは全体の流れだけにとどめます。
GMARCH・関関同立レベルの参考書ルート
GMARCH・関関同立を目指す場合は、基礎問題を安定して解けるようになってから、入試問題を使った標準〜難関レベルの演習へ進みます。
基本の流れは、
通史理解 → 用語定着 → 基礎演習 → 標準〜難関演習 → 過去問
です。
ただし、「GMARCH・関関同立志望だから『HISTORIA』を使えばよい」という意味ではありません。
基礎問題で失点が多い場合は、難しい問題集を追加するより、通史や用語まで戻って原因を確認することを優先します。
参考書の名前や志望校のレベルではなく、次の段階へ進める状態になっているかで判断してください。
| 教材の役割 | おすすめ参考書例 | 学習の目的・到達目安 |
|---|---|---|
| 通史理解 | 『青木裕司 世界史探究 授業の実況中継』 『改訂版 大学入試 茂木誠の世界史探究が面白いほどわかる本』 | 時代背景や因果関係、地域同士のつながりを自分の言葉で説明できるようにする |
| 用語定着 | 『山川 一問一答 世界史』 『世界史探究用語 マルチ・トレーニング 改訂版』 | 入試で必要な用語を、時代・地域・出来事と結びつけて定着させる |
| 標準〜難関演習 | 『HISTORIA 世界史探究精選問題集』など | 初見の入試問題で知識を使い、間違えた問題について誤答の理由まで説明できるようにする |
| 志望校対策 | GMARCH・関関同立各大学の過去問 | 大学・学部ごとの出題形式や頻出分野を確認し、合格に必要な得点との差を把握する |
大切なのは、標準〜難関問題集を終えること自体を目標にしないことです。
基礎問題で安定して得点できない場合は基礎演習へ戻り、用語が抜けているなら用語教材へ、歴史の流れを説明できないなら講義系参考書まで戻ります。
そのうえで過去問に入り、志望大学・学部の出題傾向に合わせて不足している知識や演習を補っていきます。
早慶・難関大レベルの参考書ルート
早慶・難関大を目指す場合は、基礎〜標準レベルの問題を安定して解けるようになってから、難関レベルの問題集や志望校の過去問へ進みます。
基本の流れは、
通史理解 → 用語定着 → 基礎・標準演習 → 難関演習 → 過去問・大学別対策
です。
難関大では大学・学部によって、正誤問題、史料問題、論述など求められる力が異なります。
そのため、最終段階では「難関大向け」と書かれた参考書を一律に進めるのではなく、志望大学・学部の過去問から逆算して、必要な対策を追加することが大切です。
難しい参考書を早く始めれば有利になるわけではありません。
基礎〜標準問題で失点が多い場合は、難関問題集へ進むより、通史・用語・基礎演習のどこに不足があるのかを確認してください。
| 教材の役割 | おすすめ参考書例 | 学習の目的・到達目安 |
|---|---|---|
| 通史理解・資料確認 | 『青木裕司 世界史探究 授業の実況中継』 『最新 世界史図説タペストリー』 | 政治史だけでなく文化史・社会経済史なども含め、出来事の因果関係や地域同士のつながりを説明できるようにする |
| 用語定着 | 『世界史探究用語 マルチ・トレーニング 改訂版』 『山川 一問一答 世界史』 | 入試で必要な用語を、文章・地図・年表や歴史の流れと結びつけて定着させる |
| 標準〜難関演習 | 『HISTORIA 世界史探究精選問題集』など | 入試問題の中で知識を使い、誤答した原因まで説明できる状態を目指す |
| 難関演習・特化対策 | 難関レベルの問題集 志望校に応じた論述・史料問題集 | 過去問で判明した弱点や、志望大学・学部で必要になる出題形式を補強する |
| 志望校対策 | 早慶・難関大の過去問 | 大学・学部ごとの出題傾向、知識の深さ、問題形式を確認し、必要な対策へ戻す |
難関大対策では、参考書ルートを最後まで終えること自体が目的ではありません。
過去問を解いて、
- 知識不足なら用語教材へ戻る
- 歴史の流れが曖昧なら講義系参考書や資料集へ戻る
- 論述で書けないなら論述対策を追加する
- 特定の出題形式に弱いなら、その形式を重点的に演習する
というように、過去問を基準に参考書ルートを調整することが重要です。
次の参考書へ進む3つの判断基準
指導現場では、「何周したか」だけで次へ進むかを決めていませんでした。
見るポイントは3つです。
1.通史を自力で説明できるか
本や年表を閉じても、重要な出来事について原因・経過・結果を話せるかを確認します。
2.基礎問題で正答率が安定しているか
私が指導で一つの目安としていたのは80%程度です。
ただし、80%を1回取ればよいという意味でも、80%なら必ず次へ進めるという意味でもありません。
繰り返しても大きく崩れないかを見ます。
3.間違えた理由を説明できるか
「知らなかった」で終わらず、
「通史が分かっていなかった」
「用語を忘れていた」
「問題文を読み違えた」
まで分けられる状態を目指します。
参考書選びや勉強の順番を一人で決めるのが難しい人へ
成績が伸びないときは参考書を増やす前に戻る

世界史では、伸び悩んだときに参考書を増やすことが必ずしも解決策になりません。
指導現場では、むしろ「どこまで戻るか」を考えることが多くありました。
一問一答はできるのに模試で解けない場合
一問一答では答えられる。
それなのに、模試の長い設問や史料問題では答えられない。
この場合は、暗記量を増やす前に通史を確認します。
実際の指導では、解けなかった単元について、
- 前後50年程度に何が起きていたか
- 同じ時期に別の地域では何が起きていたか
- その出来事の原因と結果は何か
を講義系参考書や図録で確認させていました。
「前後50年」は、すべての出来事に厳密に当てはめるルールではありません。
知識を点ではなく前後の流れで見直すために、指導上使っていた一つの目安です。

自力で年表や対照図を整理して複数の地域史を頭の中でリンクさせる方法は、「世界史の年表を活用した大学受験の勉強法を解説した記事」で詳しく紹介しています。
難関問題集で正答率が低い場合
難関問題集が解けないときは、同じ本を何周するかより、なぜ解けないかを分けます。
- 流れを説明できない → 講義系参考書へ戻る
- 基本用語が出てこない → 一問一答・用語教材へ戻る
- 知識はあるが問題で使えない → 基礎問題集へ戻る
難しい問題集を持っていることより、自分の弱点に合う場所まで戻れることのほうが重要です。

講義系参考書を何冊も買ってしまった場合
これも指導現場でよく見た失敗です。
評判を調べるたびに別の講義系参考書が良く見え、途中で次の本へ移ってしまいます。
この場合は、新しい1冊を探すのではなく、持っている本の中から、
「自分が一番説明を理解しやすい本」
を1冊選びます。
その1冊で通史の軸を作ってください。
参考書を増やす前に、「今使っている本を自分の言葉で説明できるところまで使ったか」を確認するほうが先です。
【Q&A】世界史参考書についてよくある質問

初学者や受験生が世界史の参考書選びで抱えがちな疑問に回答します。
Q.初心者は参考書を何冊そろえるべきですか?
最初から何冊もそろえる必要はありません。
通史を説明できない初心者なら、まずは講義系参考書1冊+必要に応じて図録程度から始めて十分です。
通史が固まってから暗記教材、その後に問題集を追加します。
最初から通史本・一問一答・基礎問題・難関問題まで全部買う必要はありません。

Q.旧課程の世界史B参考書は使えますか?
歴史そのものがすべて変わったわけではないため、旧課程の世界史B教材にも学べる内容はあります。
現在の大学入試では「歴史総合、世界史探究」を前提とする問題が出題されます。
そのため、これから新しく購入するのであれば、原則として現在の「世界史探究」または「歴史総合、世界史探究」に対応した教材を優先するほうが分かりやすいでしょう。
例えば、Z会の『実力をつける世界史100題[改訂第3版]』は現在も販売されていますが、公式情報では2013年3月発行です。この記事では、このような旧課程時代に刊行された定番本を「世界史探究対応版」としておすすめ一覧には入れていません。

Q.学校の教科書と参考書はどちらを使うべきですか?
教科書だけで、
「なぜ起きたか」
「その後どうなったか」
「ほかの地域とどうつながっているか」
まで説明できるなら、教科書中心でも構いません。
読んでも出来事のつながりが見えないなら、講義系参考書で説明を補います。
「教科書か参考書か」ではなく、教科書だけで理解できているかで判断してください。

授業用プリントや教科書を使って短期間で点数を引き上げる手順は、「世界史の定期テストの勉強法」で詳しく解説しています。
Q.参考書ランキング1位を選べば大丈夫ですか?
ランキング1位だから自分にも合うとは限りません。
世界史が初めての人と、通史を終えて早慶対策へ進む人では、必要な本が違います。
おすすめ順位を見る前に、
通史を説明できるか → 用語が出るか → 問題で使えるか
の順番で確認してください。
まとめ:世界史おすすめ参考書と志望校別ルート!初心者向け講義系から演習まで

記事の重要ポイント
世界史参考書を選ぶときは、「一番人気の本はどれか」よりも、今の自分がどこで止まっているかを見ることが大切です。
通史を説明できないなら講義系。
流れは分かるのに用語が出ないなら暗記系。
知識はあるのに問題で使えないなら基礎問題集。
基礎問題が安定してから志望校別の演習へ進みます。
この順番なら、難しい参考書を買ったものの使いこなせない、講義系参考書を何冊も買ってしまう、といった失敗を避けやすくなります。
迷ったときの判断基準と次の行動
最後に、次の3つだけ確認してください。
- 本を閉じても通史を自分の言葉で説明できるか
- 基礎問題で安定して高い正答率を取れるか
- 間違えた問題について、なぜ間違えたか説明できるか
答えられない項目があれば、そこが今取り組むべき段階です。
新しい参考書を探す前に、今持っている教材でどこまでできているか確認してください。
世界史では、参考書を増やすことより、今の自分に必要な1冊を選び、次へ進める状態まで使い切ることを優先したほうが学習を進めやすくなります。
執筆者プロフィール

※この記事は、社会(日本史・世界史)を中心とした文系科目の指導経験が豊富な桐生智花が執筆しています。学習塾で高校生の定期テスト対策や大学受験指導に携わった経験をもとに、教育現場で培った知見を記事に反映しています。
桐生智花は、大手個別指導塾で高校生を対象に、社会(日本史・世界史)を中心とした文系科目を指導してきました。一人ひとりの理解度に合わせた指導を得意としており、「理解して伸ばす」学習法や受験対策をわかりやすく解説しています。
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