大学受験1ヶ月前の勉強法|何を優先?東大生・早大生への直接取材

※この記事には一部PRが含まれます。
残り1ヶ月で点数を改善できる可能性はあります。
伸びる幅は現在の学力、目標点との差、失点の原因によって変わります。
勉強時間を増やすことや、すべての苦手を克服することだけが正解ではありません。
直前期に優先したい行動は、次の3つです。
- 過去問で現在の得点と失点原因を確認する
- 志望校の目標点と配点から、優先する科目と問題を決める
- 既存教材を中心に、得点につながる復習を進める
私は、東京大学と早稲田大学に現役合格した学生に、受験直前期の勉強法を直接取材しました。
2人の取り組みは、志望校や得意科目によって違いがありました。
この記事では、取材で聞いた内容と、学習計画の作成に携わってきた立場からの考え方を分けて紹介します。
自分の状況に合う部分を選ぶ材料にしてください。
記事のポイント
- 過去問は失点の理由を探す道具
- 目標点との差から優先順位を決める
- 新しい教材より今の教材を復習
- 睡眠を削らず30日の計画を調整
大学受験1ヶ月前の勉強法は何を優先する?最初にやるべき3つのこと

残り1ヶ月で最初に決めるのは、勉強量ではなく優先順位です。
過去問の失点、目標点との差、手元の教材の3点から、取り組む順番を整理します。
過去問で現在の得点と失点原因を確認する
直前期の過去問は、実力を測るだけの道具ではありません。
残り30日で何を直すかを見つける診断として使います。
志望校の過去問を1年分、本番と同じ制限時間で解きます。
採点後は、間違えた問題の横に失点の理由を一言ずつ書き込みます。
理由は、次の4つに分けると整理しやすくなります。
- 知識不足:単語や公式を覚えていなかった
- 解法の理解不足:解説を読めば分かるが、自力では書けなかった
- 時間切れ:時間が足りず、最後まで解けなかった
- 難問:合格者でも解けるとは限らない問題
同じ60点でも、知識で落とした人と時間で落とした人では、残り1ヶ月の使い方が変わります。
学習計画を立てる立場からは、得点より先に失点の内訳を見るのが出発点だと考えています。
目標点との差と配点から優先する科目を決める
全科目を均等に底上げしようとすると、1ヶ月では手が回りません。
目標点との差を埋めるために、どの科目のどの失点を減らすかを絞ります。
合格に必要な得点は、大学・学部・入試方式・年度によって異なります。
志望校が公表している過去の合格最低点と科目別配点を調べてください。前年度の最低点は、翌年度の合格を保証する基準ではありません。
例えば、次のような場合を考えます。
- 満点:200点
- 目標:130点
- 現在:110点
- 不足:20点
この20点を、どの科目のどの問題で埋めるかを考えます。
優先したいのは、次の2つです。
- 配点が高い科目
- あと数問で目標に届きそうな科目
苦手という理由だけで、配点の低い分野に時間を使うのは避けたいところです。
判断材料は、次の3つです。
- 習得状況
- 得点差
- 配点
新しい教材より既存教材の復習を優先するか判断する
新しい参考書を買い足したくなる時期ですが、基本は使い慣れた教材に戻る方針をとります。
新規教材を一律に禁止するわけではありません。
例えば200〜300問を収録した問題集を、残り30日で新しく始めたとします。
1日10題進めても、1周するのがやっとです。
定着する前に試験日が来て、既存教材や過去問の復習時間も削られます。
新課程に対応した共通テストの予想問題や、志望校の最新の過去問のように、直前期に加える意味がある教材もあります。
判断の分かれ目は、過去問で失点した単元を、手元の教材で鍛え直せるかどうかです。
戻れる教材があるなら既存教材を優先します。
該当単元を扱う教材が手元になく、ほかに手段がない場合に限って、追加を考えます。
学習状況別の優先順位
失点のタイプごとに、優先する対策と後回しにする学習を整理しました。
自分に近いタイプを探してください。
| 失点タイプ | 最優先する対策 | 後回しにする学習 |
|---|---|---|
| 知識の抜けが多い | 既存の単語帳・教科書・まとめノートに戻り、過去問で間違えた項目を中心に基本事項を反復する | 制限時間を意識した演習、難問の演習(基本事項が固まってから取り組む) |
| 標準問題で失点する | 志望校で頻出の典型問題を、解説を閉じたまま白紙から答案まで自力で再現する | 志望校でほとんど出題されない奇問の対策(難関大では出題頻度が低くても重要な単元があるため、一律には外さない) |
| 時間切れが多い | 大問ごとの上限時間を決め、解く順番と見切りのルールを過去問で練習する | 解法の網羅的な暗記、新しい問題集(知識不足が原因の場合は、先に基礎を補強する) |
各タイプが向いている人と、当てはまらない人の目安は次のとおりです。
| タイプ | 向いている人 | 当てはまらない人・次のステップ |
|---|---|---|
| 知識の抜け型 | 過去問で基本事項の失点が目立つ人 | 基本事項はおおむね理解できており、複合的な出題や時間処理で落としている人(次のタイプを見直す) |
| 標準問題型 | 基礎知識はあるのに得点が安定しない人 | 基本概念や公式が定着していない人(先に知識の復習へ戻る) |
| 時間切れ型 | 標準レベルの実力はあるのに本番で焦る人 | 知識不足で問題文の理解に時間がかかる人(時間配分より基礎の補強を優先) |
過去問の失点原因から決める復習の優先順位と判断基準

復習の優先順位は、失点の原因によって変わります。
短期間で点に結びつきやすい失点から手を付けると、残りの時間を使い切りやすくなります。
知識不足は単語・公式・既習事項の復習を優先する
知識の抜けによる失点は、1ヶ月の中でも改善につなげやすい部類です。
該当する単語や公式、用語を繰り返すことで、取りこぼしが減る可能性があります。
過去問で「知らなかった」「思い出せなかった」と書いた項目を、既存の単語帳や教科書、まとめノートから探して復習します。
教材を作り直す必要はありません。
間違えた項目だけを集めた見直しノートを1冊作ると、最終週の確認にも使えます。
基本事項はおおむね理解できていて、周辺知識の総復習が目的になっているなら、その時間は後回しにして構いません。
知識不足型は、どこが抜けているかを絞れるかどうかで、1ヶ月の使い方が変わります。
頻出する標準問題は解法を自力で再現できるまで復習する
合否の境目は、難問よりも頻出の標準問題で決まる場合が少なくありません。
ここで区別したいのは、解説を読んで分かった状態と、白紙から自力で解ける状態です。
解説を読んで納得しても、1週間後に同じ問題を解けるとは限りません。
復習では、解説を閉じたまま答案を最後まで書けるかを試します。途中で手が止まるなら、まだ定着していません。
数学なら途中式まで、記述式の科目なら答案の構成まで再現します。
志望校でほとんど出題されない単元は、優先度を下げられます。
難関大学では出題頻度が低くても重要な単元があるため、一律には外さないでください。
時間切れは解答する順番と時間配分を見直す
時間切れが原因の場合、知識を増やしても改善しにくい点に注意が必要です。
時間無制限なら解ける問題を落としているなら、見直す対象は解く順番と時間の使い方です。
過去問を解くときは、大問ごとに上限時間を決めます。
上限を過ぎても進まない設問は、いったん飛ばして先へ進みます。
解き終えたら、どの設問に何分使ったか、後半の標準問題に手が回っていたかを振り返ります。
時間配分は、1回の演習では決まりません。
2〜3年分の過去問で試し、自分に合う配分へ調整していきます。
時間無制限で解ければ正答できる問題を、制限なしで解き直すだけでは、改善につながりません。
難問は志望校の配点と必要得点から優先度を決める
難問は、一律に捨てるものではなく、必要得点から逆算して扱いを決めるものです。
「難しいから捨てる」ではなく、「目標点に届くために必要か」で判断します。
志望校の合格最低点と、過去問での得点を並べます。
標準問題を取りこぼさなければ目標に届くなら、難問の優先度は下げられます。
反対に、最難関大学や医学部のように、標準問題の完答に加えて難問の部分点が合否を左右する入試もあります。
標準問題だけでは届かないと分かる場合は、難問の部分点を狙う練習を加えます。
志望校の過去問で得点の足りない分が、標準問題で埋まるのか、難問まで必要なのか。
ここが分かれ目になります。
失点原因別の対応表
ここまでの内容を、失点の原因ごとに整理しました。
右端の列に当てはまる場合は、その対策を後回しにできます。
| 失点原因 | 確認すること | 優先する対策 | 後回しにできる条件 |
|---|---|---|---|
| 知識不足 | 単語・公式・文法を正確に覚えていたか | 該当分野の既存教材に戻り、暗記事項を集中的に復習する | 基本事項はおおむね理解できており、周辺知識の総復習が目的になっている場合 |
| 解法の理解不足 | 頻出の典型解法を自力で再現できたか | 途中式や答案構成を、白紙から自力で書けるまで解き直す | 志望校でほとんど出題されない単元(難関大では一律に外さない) |
| 時間切れ | 大問ごとの上限時間を守れていたか | 設問ごとに優先順位をつけ、詰まったら一定時間で見切る練習をする | 時間無制限なら解ける標準問題の、単なる再演習 |
| 難問 | 合格者でも解けるとは限らない問題ではないか | 配点と目標点を照らして、取り組むか見送るかを決める | 標準問題の得点だけで目標点に届く場合 |
この4区分は、失点を整理するためにこの記事で用いる分け方です。
どの対策で何点上がるかは、学力や志望校によって異なるため、数値では示していません。
東大生・早大生に直接取材|受験1ヶ月前に実践した勉強法

東京大学に現役合格した理系のAさんと、早稲田大学に現役合格した文系のBさんでは、直前期の過ごし方に違いがありました。
共通点と違いを分けて見ると、自分に取り入れる部分が見えてきます。
東京大学の現役合格者が重視した過去問復習と解法の再現
東大に現役合格した理系のAさんは、直前期に過去問の演習と解き直しを重視していました。
取材では、過去問を25年分演習したと聞いています。
注目したのは、解いて終わりにせず、解き直しに時間をかけていた点です。
東大の入試は、答えだけでなく途中の考え方を記述する形式が中心です。
そのためAさんは、解答の道筋を論理的に書ききる練習を重ねていました。
細かい難問への深入りや、新しい参考書の追加は、後回しにしていたそうです。
1日の学習時間は約12時間でした。
これはAさん個人の実践で、授業日程や体力に合わせた結果です。
他の受験生の目標にはなりません。
早稲田大学の現役合格者が重視した得意科目と併願校対策
早稲田大学に現役合格した文系のBさんは、全科目を平均的に底上げするのではなく、得意な英語を得点源として維持していました。
併願校の過去問に取り組み、出題の傾向をつかむ対策を優先していたとのことです。
私立大学の一般選抜は、大学や学部ごとに出題に特徴があります。
Bさんは、苦手科目で満点を狙うことや、志望学部と関係の薄い難しい知識の詰め込みを、後回しにしていました。
生活面では、スマホを別室で管理し、朝型のリズムを意識していたそうです。
得意科目で確実に点を取り、苦手科目では大きく落とさない。
この考え方は、配点に偏りのある私立志望者にとって、参考になる場面があります。
東大生・早大生の共通点と違いを自分の勉強に活かす方法
ここからは取材内容ではなく、私の解説です。
2人の話を並べると、共通点が1つ見えます。
直前期に新しい参考書へ手を広げず、過去問と既習の教材に時間を使っていた点です。
違いは、入試の形式から来ていると考えています。
記述中心の国公立では、過去問の解答を自力で再現できるかが問われます。
配点に偏りがあり、併願も多い私立文系では、得意科目の強化と学部ごとの対策が重みを持ちます。
合格者の勉強法をそのまま真似するより、自分の志望校の形式に近いほうの考え方を取り入れるのが現実的です。
| 比較項目 | 東京大学(理系・Aさん) | 早稲田大学(文系・Bさん) | 参考にできる判断軸 |
|---|---|---|---|
| 過去問の使い方 | 25年分を演習し、解き直しで解答の論理的な記述を再現 | 学部ごとの出題傾向をつかむ対策と、併願校の過去問に取り組んだ | 年数の多さより、傾向の把握と解答の再現度で判断する |
| 重点科目 | 配点が高く、部分点を狙える科目 | 得意科目の英語 | 志望校の配点と、自分の得意科目で決める |
| 後回しにしたこと | 細かい難問の演習、新しい参考書の追加 | 苦手科目の満点狙い、志望学部と関係の薄い知識 | 目標点に不要な学習を削る |
| 生活習慣 | 1日約12時間の学習(個人の実践) | スマホを別室で管理、朝型のリズム | 時間数は真似せず、集中できる環境づくりを取り入れる |
| 参考にできる条件 | 記述力と部分点が合否を分ける国公立志望者 | 配点や学部別の出題に合わせた対策が必要な私立志望者 | 自力で再現する形式か、マーク式・客観式かで選ぶ |
表は取材した2人の例であり、合格に共通する条件ではありません。
自分の受験方式に近い列の考え方を、取り入れる材料にしてください。
大学受験まで残り30日間の勉強計画と優先順位の見直し方

30日間を1週間ごとに区切ると、各時期のやることが整理しやすくなります。
この区分はモデル例です。
志望大学、試験方式、今の学習状況によって調整してください。
最初の1週間は過去問分析と復習対象の絞り込みを行う
第1週は、過去問で現在の実力を確認し、残り3週間で優先する復習内容を決めます。
まずは、次の3つに取り組みましょう。
- 過去問を解く: 志望校の過去問を時間を測って解き、現在の得点と目標点との差を確認する
- 失点原因を分析する: 知識不足・解法の理解不足・時間切れ・難問に分け、どこで点数を落としているか調べる
- 復習する単元を絞る: 配点や出題頻度、改善できる可能性を踏まえ、優先して取り組む単元を決める
過去問は2〜3年分を確認する方法もありますが、演習だけで手一杯になるなら年数を減らしてください。
明らかな知識不足が見つかった場合は、分析と並行して復習を始めても構いません。
第1週の目的は過去問を何年分も解くことではなく、残りの期間で何を優先するか決めることです。
第2週は頻出する標準問題と知識の抜けを補強する
第2週は、第1週で絞り込んだ単元に集中します。
既存教材の例題や基礎問題を、頻出の標準問題と知識の抜けに分けて繰り返します。
目標は、該当単元の問題を白紙から再現できる状態です。
解説を見ずに解けるか、途中の式や記述を自力で書けるかを基準にします。
知識の抜けは、単語帳やまとめノートで穴を埋めていきます。
予定どおりに復習が終わらなければ、配点の低い単元を計画から外します。
「全部やる」より「優先度の高いものを終わらせる」ことを重視してください。
この週は教材を増やさず、手元の教材だけで進めます。
第3週は時間を測った過去問演習で解答手順を確認する
第3週は、補強した内容が本番の条件で機能するかを試す時期です。本番と同じ試験時間を守り、第1週と第2週で整えた解法や時間配分のルールを実戦で試します。
解いたあとは、各大問の上限時間を守れていたか、解く順番は適切だったかを振り返ります。時間切れが続くなら、難問を見切る基準時間を厳しく設定し直します。
ここで見つかった課題が、次の週に回す優先課題になります。
点数の上下より、どこで時間を使いすぎたか、答案の書き方に問題がなかったかを言葉にしておくことが、残りの日数を無駄にしないコツです。
最終週から前日は復習範囲を絞り試験本番に備える
最終週から前日にかけては、新しいことを増やさず、これまでの復習を固めます。
難問や初見の問題に取り組んで自信を失うリスクは、避けたいところです。
使うのは、間違えた問題をまとめた見直しノートと、公式や単語のリストです。
弱点の最終確認にとどめ、睡眠と体調の管理を優先します。
試験の開始時刻に合わせて、起床と就寝のリズムも整えます。
最終週は原則として、既習内容の確認を優先します。
最新の出題形式をまだ見ていない場合などは、負担の少ない範囲で必要な確認を行います。
計画を詰め込みすぎると、本番前に疲れが残ります。
できるようになったことの再確認に使う時間と考えてください。
計画が進まないときは優先順位を見直して修正する
計画どおりに進まないのは、直前期によくあることです。
大切なのは、遅れを取り戻そうとして睡眠を削らないことです。
遅れが出たときは、未達成の課題を書き出し、残す学習と外す学習に分けます。
外すのは、優先度の低い単元、配点の低い分野、難問の演習です。
学習計画の作成に携わってきた立場から、見直しで見る点は2つあると考えています。
その課題が目標点に必要か、残り時間で終わるか、です。
この見直しは、計画の失敗ではなく、直前期の通常の作業です。
時期ごとに修正の条件を決めておくと、慌てずに調整できます。
| 期間 | 重点的に取り組むこと | 確認すること | 計画を修正する条件 |
|---|---|---|---|
| 第1週 (残り30〜24日) | 過去問2〜3年分(目安)の演習と失点原因の分析。明らかな知識の抜けが見つかれば、分析と並行して復習を始める | どの分野で何点失点し、目標点と何点差があるか | 演習だけで手一杯なら、演習年数を減らして分析の時間を確保する |
| 第2週 (残り23〜17日) | 頻出の標準問題と知識の抜けの集中補強。教材は増やさず、手元の教材で進める | 既存教材の例題が、解説を閉じたまま白紙から再現できるか | 復習が終わらなければ、配点の低い単元を削る |
| 第3週 (残り16〜10日) | 本番と同じ試験時間での過去問演習。第1・2週で整えた解法と時間配分のルールを実戦で試す | 大問ごとの上限時間を守れたか、解く順番は適切か | 時間切れが続くなら、難問を見切る基準時間を厳しくする |
| 第4週〜前日 (残り9〜1日) | 見直しノートの確認と、公式・単語の最終チェック。弱点の確認にとどめ、睡眠と体調管理を優先する | 起床・就寝のリズムが、試験の開始時刻に合っているか | 最新の出題形式を未確認なら、負担の少ない範囲で確認する。志望校の試験日程に合わせて、週の区切りを前後にずらす |
残り1ヶ月の勉強計画を自分で立てるのが難しい場合は、専門家に相談する方法もあります。
逆転コーチングでは、志望校と現在の学力に合わせた学習計画について無料で相談できます。
共通テスト・私立大学・国公立二次試験で変わる1ヶ月前の勉強法

受験方式によって、問われる力と直前の重点は異なります。
共通テストの直前1ヶ月と、共通テストが終わってから二次試験までの期間は、分けて考えてください。
配点・試験時間・出題形式は、年度や学部で変わる場合があります。
志望大学の募集要項と過去問で確かめることが前提です。
大学入学共通テストは知識の抜けと時間配分を確認する
共通テストは全問マークシート方式で、処理する情報量が多い試験です。
新課程の試験時間と配点を押さえておきます。
- 国語:90分・200点(第3問に「実用的な文章」20点が加わりました)
- 数学II・B・C:70分・100点
- 情報I:100点
詳しい試験時間や配点は、大学入試センターの共通テストQ&Aで公表されています。
直前の1ヶ月で優先したいのは、次の2つです。
- 資料やグラフを読み取る形式に慣れる
- 基礎知識の抜けを埋める
時間配分の練習では、大問ごとに上限時間を決めます。
迷った設問は保留にして、最後までマークを終えることを優先します。
国語90分の配分は、例えば次のような組み立てがあります。
- 評論:20分
- 小説:18分
- 実用的な文章:10分
- 古文:18分
- 漢文:15分
- 見直しとマーク確認:9分
これは一例です。得意不得意に応じて調整してください。
私立大学一般選抜は志望大学・学部の出題傾向を優先する
私立大学の一般選抜は、大学や学部ごとに出題形式が異なります。
全問マークの学部もあれば、記述式の学部、独自の総合問題を課す学部もあります。
例えば早稲田大学でも、学部によって試験方式は異なります。
2027年度入試では、社会科学部に共通テストと独自試験の総合問題型があります。
人間科学部には、共通テストと大学独自試験を組み合わせる国英型・数英型などが設けられています。
志望する学部と方式の最新の入試要項を、大学の公式サイトで確かめてください。
大学名ではなく、学部・方式ごとの過去問を研究することが、直前期の対策を絞る出発点です。
得点調整が行われる場合もあるため、得意科目で確実に得点し、苦手科目で大きく落とさない意識も役に立ちます。
国公立大学の二次試験は記述答案と解答過程を改善する
国公立の二次試験は、記述や論述が中心です。
結論の数値が合っていても、論理に飛躍があれば減点される場合があります。
例えば東京大学の一般選抜は、共通テストの1,000点満点を110点に換算し、第2次学力試験を440点満点として、合計550点満点で評価します。
二次試験の比率が高く、答案の書き方が合否に大きく関わります。詳細は東京大学の入学者選抜要項に掲載されています。
共通テストが終わってからの期間は、二次試験の記述対策に切り替える時期です。
重点は、途中式や根拠を省かずに書く練習と、部分点を意識した答案づくりです。
自力で書いた答案は、第三者の添削や解答例との比較で見直すと、論理の飛躍に気づきやすくなります。
※スマートフォンでは表を左右にスクロールできます。
| 受験方式 | 試験の特性 | 直前1ヶ月の重点対策 | 時間配分・答案上の注意点 |
|---|---|---|---|
| 大学入学共通テスト | マークシート方式。2027年度は国語が90分・200点、数学Ⅱ・B・Cが70分・100点。文章や資料、グラフなどを読み取る力も求められる。 | 基礎知識の抜けを補い、過去問や実戦形式の問題で資料の読み取り方と出題形式に慣れる。失点の多い分野を優先して復習する。 | 大問ごとの目標時間を設定する。迷った問題は一度保留し、解ける問題を先に進める方法も検討する。解答欄のずれやマーク漏れにも注意する。 |
| 私立大学一般選抜 | 大学・学部・選抜方式によって試験科目や配点が異なる。マーク式、記述式、総合問題、共通テスト併用型など多様な方式がある。 | 志望大学の学部・方式別の過去問を確認し、頻出分野と失点原因に合わせて対策する。得意科目の強化と苦手科目の補強は配点から判断する。 | 学部ごとの試験時間と設問構成に合わせて演習する。得点調整を実施する方式では、素点だけで合格可能性を判断しない。科目ごとの必要得点も確認する。 |
| 国公立大学の二次試験 | 記述・論述を課す大学があるほか、小論文・実技・面接などを実施する場合もある。共通テストとの配点比率は大学・学部によって異なる。 | 記述式の場合は、解答に至る過程や論理的な説明を自力で書く練習を重視する。志望校の出題形式に合わせて答案を見直す。 | 記述答案では途中式や根拠の不足に注意する。部分点の扱いは大学・設問によって異なるため、解答例との比較や添削を活用し、答案の完成度を高める。 |
※共通テストの試験時間・配点は2027年度(令和9年度)の情報です。大学ごとの試験科目・配点・選抜方式は、必ず受験年度の公式入試要項で確認してください。
【科目別】大学受験1ヶ月前の英語・数学・国語・理科・社会の勉強法

科目ごとの一般的な勉強法を並べるのではなく、残り1ヶ月で優先したい復習に絞って整理します。
自分の失点原因と照らし合わせて読んでください。
英語は単語・文法の抜けと長文の時間配分を確認する
英語の失点は、原因によって対策が変わります。
次の2つのどちらに当てはまるかを分けて考えます。
- 語彙や文法が足りず、読み誤っている
- 読むのが遅く、時間が足りない
語彙や文法の抜けが原因の場合
単語帳の周回を続けます。
過去問で意味が分からなかった単語に印をつけ、既存の単語帳に戻って重点的に覚え直す方法が効率的です。
長文の時間切れが原因の場合
過去問で、次の2つを試します。
- 設問の先読み
- 段落ごとの要点の押さえ方
段落ごとにかけた時間を記録すると、ペースが崩れる場所が見えてきます。
英語は志望校によって配点や形式が異なります。
自分の志望校の出題形式に沿った練習を優先してください。
数学は頻出の典型問題を自力で解ける状態に仕上げる
数学の直前期は、難問に挑むより、頻出の典型問題を自力で最後まで解ける状態にすることが、得点につながります。
過去問で間違えた問題が、解法の理解不足によるものか、計算ミスによるものかを分けます。
理解不足なら、既存の問題集の例題を白紙から解き直します。
計算ミスなら、見直しの手順を決めます。
例えば、符号のチェックと概算での検算を、毎回の習慣にする方法があります。
見直しの手順は、緊張する本番でも動くように、直前期のうちにルーティンにしておきます。
解法は覚えているのに点に結びつかない場合は、書く練習が足りていない可能性があります。
国語は読解の失点原因と古文・漢文の基礎を復習する
国語は、現代文と古典で課題が異なります。
それぞれに分けて、失点の原因を振り返ります。
現代文の場合
本文中の根拠と選択肢を照らし合わせているかを振り返ります。
感覚で選んで間違えた設問は、根拠を本文から探して線を引く習慣をつけると、失点の理由が見えてきます。
古文・漢文の場合
知識の抜けが、そのまま失点になりやすい分野です。
既存の教材で、次の3つを復習します。
- 古文単語
- 助動詞
- 漢文の句法
そのうえで、過去問で間違えた箇所の周辺を埋めます。
古典は短時間で効果を確かめやすいため、現代文より先に手を付けるのも一つの方法です。
時間配分は、先に示した共通テストの一例を参考に、自分のペースへ調整してください。
理科・社会は頻出分野の理解不足と知識の抜けを補強する
理科と社会は、全範囲を浅く回すより、志望校の過去問で頻出する単元に絞って補強するほうが、残り1ヶ月では現実的です。
過去問を解いて、失点した単元を書き出します。
理解不足の単元は教科書で理屈を押さえ、知識の抜けは用語集や一問一答で埋めます。
選択科目によって、重点的に復習する単元は変わります。
暗記が中心の科目でも、短期間で大きく伸びるとは限りません。
限られた時間で伸ばせる単元を見極め、そこに時間を集めます。
頻出でない単元や、配点への影響が小さい分野は、優先度を下げます。
大学受験1ヶ月前に避けたい勉強法と生活管理の注意点

直前期は、焦りから学習量を増やしすぎたり、生活リズムを崩したりしがちです。
この章では、起こりやすい失敗と防ぎ方だけを扱います。
新しい教材や難問ばかりに時間を使わないようにする
書店に並ぶ直前対策の問題集が目に入ると、不安から買い足したくなります。
新しい教材を増やすと、既存教材の復習が中途半端になり、かえって自信を失うことがあります。
難問も同じです。
解けない問題に長く時間を使うと、本来得点できるはずの標準問題の復習が後回しになります。
迷ったときの基準は、その教材や問題が、過去問で見つかった失点の補強に役立つかどうかです。
役立たないものに、いま手を出す必要はありません。
過去問を解きっぱなしにする失敗を防ぐ
過去問を解いて点数を見ただけで終えると、同じ失点を繰り返します。
採点後に解説を流し読みして次の年度へ進むのは、典型的な失敗です。
防ぐには、解いた直後に、失点した設問の理由を言葉にして書き残します。
時間配分のミスなのか、知識が抜けていたのか、解法を思い出せなかったのか。
一言でも書いておくと、復習の対象がはっきりします。
演習の量より、1回の演習から何を拾えたかが大切です。
失点の理由を書かない演習は、弱点の単元が放置されたまま、類題で同じ誤答を繰り返す原因になります。
睡眠を削らず試験時間に合う生活リズムを整える
睡眠を削って勉強時間を確保するのは、直前期の代表的な失敗です。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、中学・高校生の睡眠時間として8〜10時間が目安に示されています。詳しくは厚生労働省の睡眠対策のページをご覧ください。
受験期には、そこまで確保できない日もあります。それでも、日中の集中力を保つために、睡眠はできるだけ確保してください。
睡眠が足りないと、計算や読解でのケアレスミスが増える恐れがあります。
試験の開始時刻に合わせて起床と就寝のリズムを整えておくと、本番で頭が働きやすくなります。
計画が遅れたときも、削るのは睡眠ではなく、優先度の低い学習内容です。
【Q&A】大学受験1ヶ月前の勉強法に関するよくある質問

本文で触れきれなかった不安や例外について、判断の目安をまとめました。
Q. 受験まであと1ヶ月、勉強していない場合は何から始める?
A. 全科目・全範囲を網羅しようとせず、配点が高く、基礎がそのまま点になりやすい分野の1〜2つに絞って始めます。
例えば、英語の基本単語や文法、地歴公民の最重要用語などです。1ヶ月で全範囲をやり直すのは現実的ではありません。
志望校の過去問を1年分だけ解き、失点が最も多い分野から基礎に戻ってください。
ここで決めるのは完璧な計画ではなく、最初の一歩です。
Q. 受験1ヶ月前の勉強時間は1日何時間が目安ですか?
A. 受験1ヶ月前の勉強時間に、全員共通の正解はありません。
学校の授業や通学時間、現在の学力、必要な復習量によって変わります。
睡眠を削って時間を増やすより、その日に取り組む課題を決め、理解・定着できたかを確かめるほうが、得点につながりやすくなります。
取材したAさんは1日約12時間学習していましたが、個人の実践です。
目安として真似する必要はありません。
Q. 受験1ヶ月前はスマホやSNSを完全にやめるべきですか?
A. 完全にやめなくても構いません。勉強の集中を妨げる使い方を減らすことが現実的です。
Studyplusトレンド研究所が2022年に公表した、第一志望に合格した大学生880人の調査では、受験期のスマホ利用時間は「1〜2時間」が44.9%で最多でした。
65.1%が利用時間を「少し制限した方がよい」と回答しています。
これは過去の利用実態と意識を調べた結果であり、特定の利用時間が合格につながることを示すものではありません。
学習アプリの使用も含まれる調査のため、娯楽目的の時間と混同しないでください。
勉強中や就寝前はスマホを別の部屋に置くなど、物理的に距離をとる方法があります。
Bさんもスマホを別室で管理していました。
Q. 目標点に届かない場合は志望大学を変更すべきですか?
A. 点数だけで安易に取り下げず、出願条件と試験日程を見たうえで慎重に判断してください。
過去問の得点と合格最低点の差が大きく、残り期間で改善できる失点を足しても届かない場合は、安全校や併願校の出願日程を押さえておく判断が必要です。
第一志望に挑戦しながら、確実に受験できる併願校を確保しておけば、守りを固められます。
判断の材料は、得点差、出願の締め切り、試験日程の3つです。
まとめ|大学受験1ヶ月前の勉強法は失点分析と優先順位が重要

残り1ヶ月は、勉強量を増やす時期というより、何を優先して何を後回しにするかを決める時期です。
ここまでの内容を整理して、今日の行動につなげます。
受験1ヶ月前に優先する勉強法の重要ポイント
この記事のポイントは、次の4点です。
- 過去問は実力測定ではなく、失点原因を見つける診断として使う
- 失点は、知識不足・解法の理解不足・時間切れ・難問に分け、直しやすいものから手を付ける
- 志望校の配点と目標点から、取り組む問題と後回しにする問題を決める
- 睡眠を削らず、既存教材の復習を中心に、試験方式に合わせて重点を変える
取材した2人にも、直前期に新しい参考書へ手を広げなかった共通点がありました。
過去問の使い方や重点科目は、志望校と得意科目で違っていました。
合格者の勉強法は、自分の条件に合う部分だけを取り入れる材料です。
迷ったときの判断基準と今日から始める行動
迷ったときは、次の3つで判断します。
- 目標点と現在の得点に、どれだけ差があるか
- その失点は、残り日数で改善できる種類か
- その勉強は、志望校の配点と過去問の出題に合っているか
今日やることは、1つで十分です。志望校の過去問を1年分用意し、本番と同じ時間を測って解きます。
採点後に、失点した設問の原因を一言ずつ書き出してください。
それが、残り30日間の優先順位を決める出発点になります。
執筆者プロフィール

※この記事は、大手個別指導塾で27年間、小学生・中学生の学習指導や進路指導に携わってきた「予備校オンラインドットコム」編集長・橘誠一郎が執筆しています。長年の教育現場で培った経験と知見をもとに、記事内容をわかりやすくお伝えしています。
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