【大学受験】親ができること・できないこと|受験期に迷った時の関わり方

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大学受験が近づくにつれ、「親として何かしたほうがいいのでは」「何もしないのは無責任なのでは」と迷い続けていませんか。
声をかければ嫌がられ、距離を取れば不安になる。
そんな板挟みの状態に、しんどさを感じている保護者の方は少なくありません。
この記事では、27年以上受験指導に携わってきた立場から、大学受験期に親ができること・できないことを整理し、迷ったときの関わり方の考え方をわかりやすくお伝えします。
親として何ができるのか、どう向き合うべきか悩んでいる方は必見です。▶大学受験の不安を親子で乗り越える考え方はこちら
親の役割を「主役」から「裏方」へシフトする
「やっていいこと」と「NG行動」の境界線を引く
「何もしない」という高度なサポートを実践する
親自身が機嫌よく過ごし、家庭の安心感を守る
Contents
はじめに|「親として何かすべき?」と悩んでいませんか

「もっと何かしてあげたほうがいいのではないか」「放っておくのは無責任だろうか」。そんな葛藤を抱えながら、毎日ピリピリとした空気の中で過ごしていませんか。
これまで27年以上、保護者面談を通して、共通して感じるのは、親御さんが抱える「しんどさ」の正体は「正解が見えないこと」だということです。
この記事では、受験期の親としての立ち位置を整理し、少しでも心が軽くなるような判断材料を一緒に見つけていきたいと思います。
この記事は、具体的な「行動リスト」を強要するものではありません。
今、目の前のお子さんに対して「何をやり、何をやめるべきか」をあなた自身が静かに整理するためのガイドです。
大学受験で「親ができること」は実は多くない

大学受験期の親御さんからよく聞く声として、「自分にできることが少なすぎて、かえって不安になる」というものがあります。
実は、それが正常な感覚です。中学受験や高校受験とは異なり、大学受験は本人の「自立」が問われる場だからです。
筆者の経験上、大学受験期の親の役割を整理すると、次の3つが効果的である。
- 決断する人ではなく、支える人
- 前に立つ人ではなく、後ろにいる人
- 答えを出す人ではなく、考える余地を残す人
受験の主役は子ども、親はサポート役
受験メンタルトレーナーの視点でお伝えすると、第一志望に合格する家庭には明確な特徴があります。
それは、親御さんが一生懸命になりすぎるあまり「主役」が入れ替わっていないことです。
大学受験において、親の役割はF1レースの「ピットクルー」のようなものです。
ハンドルを握り、ゴールを目指すのはあくまでもお子さん本人。
親は、本人が走りやすいようにタイヤを替え、ガソリンを補充する「裏方のプロ」に徹することが、結果的に本人の力を引き出す近道になります。

やりすぎが逆効果になりやすい理由
良かれと思って先回りして動くことが、実はお子さんの「自分で考える力」を奪ってしまうことがあります。
心理学には「心理的反発」という言葉がありますが、人から強制されたりコントロールされたりすると、本能的に逆らいたくなるものです。
親が「勉強しなさい」と言えば言うほど、お子さんのやる気エンジンが止まってしまうのは、このためです。
「あえて何もしない」ことが、最大のサポートになる場面も少なくありません。
大学受験期に親が「やっていいこと」

親ができることは限られているとはいえ、放置することではありません。
お子さんが安心して戦場(塾や学校)へ出かけていけるよう、家庭という「基地」を整える実務的なサポートは非常に価値があります。
| サポート項目 | 具体的な内容 |
| 環境整備 | 静かな学習スペースの確保、加湿や温度調整 |
| 健康管理 | 栄養バランスの取れた食事、感染症の予防対策 |
| スケジュール | 出願締め切りや入試日程のダブルチェック |
| メンタル | 否定せず、本人の話を最後まで聴く |

生活リズムと学習環境を整える
生活リズムを崩さないことは、学力向上と同じくらい大切です。
朝決まった時間に食卓を整える、夜食が必要な時はさりげなく用意する。
こうした「日常の継続」が、お子さんにとっては何よりの安心感に繋がります。
ファイナンシャルプランナーの視点から言えば、受験料や入学金などの資金準備を整え、金銭的な不安を子供に感じさせないことも、親が担うべき重要な環境整備の一つです。

受験スケジュールと全体像を把握しておく
大学入試は方式が複雑で、出願期間も大学ごとにバラバラです。
本人が勉強に没頭している間、親御さんが「秘書」のようにスケジュールを把握しておくと心強いです。
例えば、共通テストの振り込み期限や、Web出願の締め切り日などをカレンダーに記し、さりげなく共有しておくだけでも、本人の焦りを大幅に軽減できます。
あくまで「確認役」であり、決定は本人に任せるのがポイントです。

話を聞くが、結論は子どもに委ねる
お子さんが愚痴をこぼしたり、弱音を吐いたりした時、つい「こうすればいいじゃない」と解決策を提示したくなります。
受験生が求めているのはアドバイスよりも「共感」であることが多いものです。
まずは「そうだね、大変だね」と最後まで聴いてあげてください。
自分の気持ちを言語化するだけで、お子さんの頭の中が整理され、自然と次の行動が見えてくることも多いのです。

困った時に相談できる「安心基地」になる
家は、外での緊張感を解き放つ場所であるべきです。
テストの点数が悪かった日や、模試の結果に落ち込んでいる時、「家に戻れば温かいご飯があり、自分を否定されない空間がある」と思えることが、翌日の活力を生みます。
親御さんは、どんな結果であっても変わらずに受け入れてくれる「最後の砦」のような存在でいてください。
その安心感こそが、本番で実力を出し切るための土台になります。

親自身の感情を整える(不安をぶつけない)
受験メンタルトレーナーとして多くの子どもたちを見てきましたが、親の不安は、言葉にしなくてもお子さんに伝わります。
親御さんが焦ってソワソワしていると、お子さんは「親を安心させなきゃ」という余計なプレッシャーを背負うことになります。
まずは親御さん自身が趣味を楽しんだり、友人と話したりして、ご自身の機嫌を整えること。
お父さんやお母さんが笑顔で普通に過ごしている姿が、お子さんを一番リラックスさせます。
受験生の親がしてはいけないこと7つ

これまでの相談現場で、「これだけは避けてほしい」と感じる行動があります。
どれも悪気はありませんが、重なるとお子さんの心を追い詰めてしまいます。
- 成績や模試結果を頻繁に話題にする
- 他人(兄弟・友人)と比較する
- 不安から先回りして口出しする
- 親の価値観で進路を決めようとする
- 「努力が足りない」と精神論を語る
- 家庭内でピリピリした空気を作る
- 親の不満や愚痴を聞かせる
成績や模試結果を頻繁に話題にする
判定が届くたびに「どうだった?」と聞くのは、お子さんを追い詰めるだけになってしまいます。
結果は本人が一番よく分かっています。
もし、本人が見せてきたら「お疲れ様、頑張ったね」とだけ伝えれば十分です。

他人(兄弟・友人)と比較する
「〇〇くんはA判定だったらしいよ」という言葉は、お子さんの心に深い傷を残します。
受験は自分自身との戦いです。
比べるべきは「過去の本人」であり、他人ではありません。

不安から先回りして口出しする
「願書は書いたの?」「滑り止めはどうするの?」といった矢継ぎ早の質問は、お子さんの主体性を奪います。
期限の数日前に一度だけ、優しく確認する程度に留めておきましょう。

親の価値観で進路を決めようとする
「この大学じゃないと将来が心配」という親の願望は、お子さんにとって重荷でしかありません。
最終的に通うのはお子さん自身であることを忘れないでください。

「努力が足りない」と精神論を語る
今の受験生は、私たちが想像する以上に多くの情報を処理し、戦っています。
「もっと頑張れ」ではなく、「毎日頑張っているね」という承認を必要としています。

家庭内でピリピリした空気を作る
テレビを消す、会話を控えるといった過度な配慮は、かえってお子さんに気を遣わせます。
いつも通りの生活音や笑い声がある家庭の方が、集中力は高まるものです。

親の不満や愚痴を聞かせる
「あなたの塾代のために働いている」といった愚痴は、お子さんに強い罪悪感を与えます。
受験を「家族の負担」ではなく「お子さんの挑戦」として応援してあげてください。
「何もしない」は逃げではありません

受験期の親御さんにとって、最も勇気がいるのは「何もしないこと」かもしれません。
これは決して無責任な「放置」ではなく、お子さんの自立を信じる高度なサポートです。
- 「見守る」は高度な技術: 放置ではなく、変化を観察しながら「助けを求められる」準備をする。
- 我慢が信頼の証: 親が口を出さずに待つことが、お子さんへの「信じている」というメッセージ。
- 静かな伴走: 腫れ物に触るのではなく、変わらずどっしりと構えることが安心を生む。
見守ることと放置の違い
「放置」とは、お子さんの状態に関心を持たず、投げ出すことです。
「見守る」とは、お子さんの変化を静かに観察しつつ、本人が助けを求めてきた時にすぐに動ける準備をしておくことです。
例えば、お子さんがリビングでスマホを触っていても、あえて何も言わずに温かいお茶を出す。
これは、お子さんの自己管理能力を信じるという「積極的な見守り」なのです。

何もしない方がうまくいく場面とは
お子さんがスランプに陥っている時や、イライラしている時、親が介入して状況が良くなることは稀です。
そんな時は、あえて何も聞かず、腫れ物に触るようでもなく、ただ「普通」に接してみてください。
親が変わらずどっしりと構えていることで、お子さんは自分の感情を自分で処理し、再び机に向かう強さを取り戻します。
受験生の親が「遊びに行く」ことは悪い?

「子供が苦しんでいるのに、自分が楽しむなんて」と、外出や趣味を控えていませんか。
実は、親御さんが自分の時間を充実させることは、受験生にとってプラスに働きます。
- 親の機嫌を優先する: 親がリフレッシュして笑顔でいることが、家庭の閉塞感を打破する。
- 「普通」の尊さ: お通夜のような家より、日常の活気がある家の方がお子さんは楽になる。
- 自律のモデル: 親が自分の人生を楽しんでいる姿は、お子さんの自立を促す。
親が普通に過ごすことが与える安心感
家の中の空気を決めるのは、多くの場合、お母さんやお父さんの表情です。
親御さんが外出してリフレッシュし、機嫌よく帰ってくる。その明るい空気が、閉塞感のある受験生活の風通しを良くしてくれます。
「お母さんはお母さんの人生を楽しんでいる」という姿を見せることで、お子さんも「自分も自分の課題に集中しよう」と前向きになれるのです。

家庭の雰囲気が受験生に与える影響
お通夜のような静まり返ったリビングよりも、適度に誰かが外出し、日常の活気がある家庭の方が、お子さんは「自分一人が特別な重荷を背負っているわけではない」と感じて楽になります。
親御さんが趣味の時間を持ち、受験から少し意識を離す「余白」を作ることは、結果的に家庭内の「心理的安全性」を高めることになります。
親が迷ったときに確認したい判断軸

お子さんに声をかけようとした時、何かを手伝おうとした時。
ふと立ち止まって、この「判断軸」に照らし合わせてみてください。
| 迷ったときの質問 | 立ち止まるポイント |
| これは子どものため? | 親の不安解消や、親の気持ちが先に立っていないか |
| 今、本当に言う必要がある? | 今日でなくても困らない内容ではないか |
| 主体性を奪っていない? | 親が答えを出しすぎたり、先回りしたりしていないか |

これは「子どものため」か「親の不安解消」か
その言葉や行動は、本当にお子さんのためになっていますか?それとも、親御さん自身の「何もしていない不安」を解消するためのものでしょうか。
もし後者だと感じたら、そっと飲み込んでみてください。
お子さんのためを思うなら、親の不安は別の場所(友人や専門家)で解消するのがベストです。

今、本当に言う必要があるか
「今言わなくても、明日でもいいのではないか」と考えてみてください。
受験生は常に緊張状態にあります。
重要でないことは、できるだけ言わない。
どうしても伝えなければならない実務的なことだけを、お子さんの機嫌が良いタイミングを見計らって伝えるのが賢明です。

子どもの主体性を奪っていないか
親が答えを出しすぎてしまうと、お子さんは自分で決断することを避けるようになります。
大学生活、そしてその先の社会で必要なのは「自分で決めて責任を持つ力」です。
たとえ遠回りに見えても、お子さんが自分で選び、失敗し、そこから学ぶ過程を奪わないようにしましょう。
大学受験に向き合う親のためのおすすめ本

迷った時に、第三者の専門的な視点を取り入れることは非常に有効です。
親御さんの心を整えるために役立つ3つの切り口から、本を選んでみてください。
親の不安を整理する本
大学受験の親ができることを学べる本は、客観的な視点を取り戻すのに最適です。
最新の入試データに基づいた本を選ぶと、根拠のない不安が消え、今やるべきことが明確になります。
受験期の親子関係を学べる本
カウンセラーや教育評論家が書いた「声掛けの事例集」などは、現場ですぐに役立ちます。
「こんな時、他の親はどう言っているのか」を知るだけで、孤独感が和らぎ、余裕を持って接することができるようになります。
「やらない勇気」を持てる本
子育てにおける「手放し」や「見守り」の重要性を説いた本もおすすめです。
大学受験は親子関係のアップデート期間です。
お子さんを一人の大人として尊重するためのヒントが詰まった本は、読後の安心感に繋がります。
よくある悩みQ&A|他の家庭も同じことで悩んでいます

現場でよく受ける質問をまとめました。あなただけが悩んでいるわけではありません。
Q.声をかけると嫌がられます。どうすれば?
それはお子さんが「自分の境界線」を守ろうとしている証拠であり、自立のサインでもあります。
挨拶や「ご飯できたよ」といった生活上の会話だけに留め、勉強に関する話題は本人が口を開くまで待ってみてください。

Q.塾や予備校は親が決めるべき?
情報は親が集めても良いですが、最終的な決定は必ずお子さんにさせてください。
自分で選んだ場所であれば、成績が伸び悩んだ時も「自分が決めたから」と踏ん張りがききます。

Q.親が不安で眠れないときは?
その不安を紙に書き出してみてください。お金のこと、日程のこと、将来のこと。
書き出すだけで脳が整理されます。
私たちのような専門家などの第三者に相談するという選択肢もあります。
まとめ:【大学受験】親ができること・できないこと|受験期に迷った時の関わり方

大学受験を終えたお子さんたちが、口を揃えて「親に感謝していること」として挙げるのは、「信じて普通に接してくれたこと」です。
特別なことをする必要はありません。
毎日機嫌よく過ごし、美味しいご飯を作り、本人が助けを求めてきた時だけ手を貸す。
そんな「信じて待つ」姿勢こそが、お子さんの背中を最も強く押す力になります。
もし、今日まで、少し言い過ぎてしまったとしても大丈夫です。
今日から関わり方を少し変えるだけで、親子関係は必ず良い方向へ向かいます。
あなたはもう十分、お子さんのことを想って頑張っています。
少し肩の力を抜いて、お子さんの可能性を信じてみませんか。
執筆者のプロフィール
【執筆者プロフィール】
予備校オンラインドットコム編集部
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予備校オンラインドットコム編集部は、教育業界や学習塾の専門家集団です。27年以上学習塾に携わった経験者、800以上の教室を調査したアナリスト、オンライン学習塾の運営経験者、ファイナンシャルプランナー、受験メンタルトレーナー、進路アドバイザーなど、多彩な専門家で構成されています。高校生・受験生・保護者の方々が抱える塾選びや勉強の悩みを解決するため、専門的な視点から役立つ情報を発信しています。
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