大学受験の英単語勉強法|どんな単語を、どこまで、どう進めるかを整理

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英単語の勉強を続けているのに、「覚えてもすぐ忘れる」「長文になると意味が取れない」そんな感覚を抱えていませんか。
単語帳を何冊も買ったり、覚え方を調べ続けたりしているうちに、「自分のやり方が間違っているのではないか」と不安になってしまう受験生は少なくありません。
予備校や塾の現場で27年以上、多くの大学受験生を見てきましたが、英単語が伸びない原因は、才能や努力不足ではなく、「どんな単語を、どこまで、どう進めるか」が整理されていないことにある場合がほとんどです。
この記事では、英単語の細かい暗記テクニックを並べるのではなく、大学受験に必要な英単語学習の全体像と判断基準を整理します。
「今やっている勉強で合っているのか」
「どこまでやれば次に進んでいいのか」
その迷いを一度リセットするために、落ち着いて読み進めてください。
英単語は「才能」ではなく「整理と反復」で決まる
「1日10個」の丁寧さより「1日100個」の接触回数
「1冊を完璧にする」ための具体的な判断基準を持つ
自分のレベルに合わせた「情報の引き算」を徹底する
Contents
英単語は「才能」ではなく「整理と反復」で決まる

英単語の習得に特別なセンスは必要ありません。
現場で多くの受験生を見てきた中で感じるのは、成績を伸ばす人とそうでない人の差は、記憶力ではなく「情報の整理の仕方」と「反復の仕組み」にあるということです。
- 覚えられないのは才能のせいではなく、脳の仕組みによるもの
- 1語に情報を詰め込みすぎず、まずは「1語1義」に絞る
- 根性で覚えるのではなく、何度も出会う「仕組み」を作る
英単語が覚えられないのは努力不足ではない
「昨日覚えたはずなのに、今日はもう忘れている」と自分を責める必要はありません。
人間の脳は、一度見ただけの情報を忘れるように設計されています。
あなたが覚えられないのは、根性がないからではなく、脳が「これはまだ覚えなくていい情報だ」と判断しているだけなのです。
「忘れること」を前提とした仕組みさえ作れば、脳は自然と動き出します。

勉強しているのに伸びない人に共通する原因
一生懸命に単語帳を開いているのに成果が出ないケースでは、情報の取捨選択がうまくいっていないことがよくあります。
現場で見かける、伸び悩む人に共通する状態は次の通りです。
- 1語につき複数の意味を一度に覚えようとしている
- スペルや発音まで最初から完璧にしようとしている
- 「一度で全部覚える」前提で単語帳を進めている
最初から情報を詰め込みすぎると、脳の処理が追いつかず、結局どれも定着しません。
まずは「1語につき1つの意味」に絞るような、情報の引き算が必要です。
なぜ「英単語」がわからないと英語のすべてが止まるのか

英語学習という大きなピラミッドにおいて、英単語は一番下の土台です。
この土台がぐらついている状態で、英文法や長文読解という上の階層を積み上げようとしても、どこかで必ず限界がきてしまいます。
- 単語を思い出す「タイムラグ」が読解スピードを奪う
- 単語が瞬時にわかって初めて、脳は文法や内容に集中できる
- 熟語よりも、まずは土台となる英単語の基礎を優先する
英文法・長文読解で英単語が果たしている役割
単語が瞬時に出てこないと、読解中に脳内で次のような「ブレーキ」がかかります。
単語の意味を考えるたびに思考が中断される
文の構造(SVOなど)を考える余裕がなくなる
結果として、読むスピードが極端に落ちる
単語を見て「ええと、何だったかな」と数秒考えるたびに、脳の思考リソースは削られていきます。
「反射的にわかる」単語が増えて初めて、脳は内容の把握に集中できるようになるのです。

英単語と英熟語の違いと、受験での優先順位
英単語が「点の知識」なら、英熟語は「線の知識」です。
現場でよく見かける失敗は、単語が固まっていないうちに熟語に手を出してしまうパターンです。
まずは英単語の基礎を優先しましょう。単語がある程度(具体的には共通テストレベルの8割程度)見えるようになってから熟語に着手する方が、学習の効率は圧倒的に高まります。
あなたは今どこ?学力レベル別・英単語の考え方

今の自分の立ち位置によって、意識すべきポイントは大きく変わります。
周りの受験生がやっている難しい勉強法に流されず、自分にとっての「適正な負荷」を見極めることが、最短ルートへの第一歩です。
- 苦手な人は、高校レベルの前に中学単語の抜けを埋める
- 偏差値50前後は、意味を「0.1秒」で引き出す速度を磨く
- 難関大志望は、語彙数だけでなく文脈からの「推測力」を鍛える
【英語が苦手な人】まず疑うべきは中学レベルの抜け漏れ
英語に強い苦手意識がある場合、高校用の単語帳を一旦置いて、中学レベルの単語に穴がないか確認してみる勇気が大切です。
実は、長文読解を妨げているのは難しい専門用語ではなく、中学で習う基本語のイメージ不足であることが少なくありません。
基礎が盤石になれば、その後の高校レベルの積み上げは驚くほどスムーズになります。

【偏差値40〜50台】共通テストレベルを「瞬時」に引き出す意識
このレベルにいる人は、単語の知識はあっても「引き出す速度」が足りない場合が多いです。
共通テストレベルの単語を見た瞬間に、0.1秒で意味が浮かぶ状態を目指しましょう。
「時間をかければわかる」状態から「反射的にわかる」状態へ。
この意識の差が、模試での時間不足を解消し、偏差値を次のステージへと押し上げます。

【難関大を目指す人】単語数より「意味の幅」と推測力
難関大を志望する場合、単に単語数を増やすだけでなく、1つの単語が持つ「コアイメージ(中核となる意味)」を掴むことが重要です。
入試本番では必ず知らない単語に出会います。
その時、語源や文脈から「おそらくこういう意味だろう」と推測する力は、基礎単語の深い理解があってこそ養われるものです。
大学受験の英単語は「どこまで」やれば合格できる?

「この1冊で足りるのか」という不安は、受験生なら誰もが抱くものです。
多くの合格者を見てきた経験から言えるのは、合格の鍵は「広さ」ではなく「深さ」にあります。
- 志望校に関わらず、まずは「標準的な1冊」の完成を優先する
- 「やり切る」とは、どのページも1秒以内に意味が言える状態
- 大量暗記法は、数字より「何度も塗り重ねる」考え方を取り入れる
志望校別に考える英単語の到達ライン
志望校によって、英単語に求められる「質」は以下のように変化します。
| 目標レベル | 意識すべきポイント |
| 共通テスト | 基本語を瞬時に引き出せるか(反射神経) |
| 中堅私大 | 読解中に意味を止めずに処理できるか(持続力) |
| 難関大 | 多義語の意味を文脈で判断できるか(応用力) |
多くの入試問題は、標準的な単語帳1冊に含まれる語彙で十分に戦えるように作られています。
まずは手元の1冊が、入試会場で武器として使えるレベルになっているかを問い直してみてください。

1冊の単語帳を「やり切る」とはどういう状態か
「やり切った」の基準は、単語帳を最後までめくった回数ではありません。
訳を隠してテストしたときに、どのページを開いても即座に意味が言える状態を指します。
- 1冊の中で9割以上の単語が「1秒以内」に出る
- 場所や順番ではなく、単語単体で意味がわかる
- 派生語や対義語まで視野に入っている
この「完璧な1冊」が、あなたの自信の確固たる根拠になります。

「1日200個・700個」など極端な目標との向き合い方
SNSなどで見かける大量暗記法は、脳科学的な合理性に基づいた一つの戦略です。
こうした方法には、次のような特徴があります。
- 短期間で圧倒的な接触回数を増やせる
- 「忘れる前に塗り重ねる」ため、記憶が定着しやすい
- ただし、継続できないと挫折感から逆効果になりやすい
大切なのは数字そのものではなく、「一度に完璧を目指さず、何度も出会う」という考え方を取り入れることです。
自分の生活リズムに合わせ、継続できる密度を見つけましょう。
多くの受験生がつまずきやすい英単語学習の落とし穴

良かれと思ってやっている勉強法が、実は効率を下げていることがあります。現場でよく見かける「もったいない」ケースを整理しました。
- 単語帳を増やすより、今の1冊をボロボロになるまで使い倒す
- 「書く」という作業よりも「思い出す」回数を最大化する
- 1周に時間をかけすぎず、高速で回転させて忘却を防ぐ
単語帳を増やしすぎて軸がなくなる
成績が伸び悩むと新しい単語帳に救いを求めたくなりますが、これは慎重になるべきです。
- 新しい本を買うたびに、また1番の単語から覚え直すことになる
- 結果として、どの単語帳も中盤以降が疎かになる
- 知識が断片的になり、実戦で使えない
浮気せずに1つの軸を決めること。
今の単語帳がボロボロになるまで使い倒す方が、結果として合格への近道になります。

ノートに書くことが目的化してしまう
単語を何度もノートに書き殴る勉強法は、一見努力しているように見えますが、脳が停止しているリスクがあります。
- 「書くこと」そのものが作業になり、暗記が二の次になる
- 時間ばかりが過ぎ、肝心の「反復回数」が稼げない
- 書かないと覚えられないという「思い込み」がブレーキになる
書くことがダメなわけではありませんが、「書く」よりも「思い出す(セルフテスト)」回数を増やす方が、記憶の定着は格段に早まります。

1周に時間をかけすぎて記憶が定着しない
1日10個ずつ完璧に覚えようとして、1冊を終えるのに数ヶ月かける……。
これは最も多い失敗パターンです。
- 終盤に進む頃には、序盤の内容を完全に忘れている
- 「忘れる恐怖」から進みがさらに遅くなる悪循環
- 1周のスピードが遅いため、全体像が見えない
英単語は、時間をかける「厚塗り」ではなく、短時間で何度も塗り重ねる「薄塗り」をイメージしてください。
英単語学習を効率化するための「判断の軸」

効率的な勉強法とは、決して「楽をする方法」ではなく、「脳に適切な刺激を与える方法」のことです。
- 「5秒×12回」のように、短時間の接触を何度も繰り返す
- 「4日進んで2日戻る」という復習サイクルを固定する
- 特定の勉強法に縛られず、脳が飽きない工夫を自ら取り入れる
英単語は「薄く・速く・何度も触れる」が基本
1つの単語を1分かけて1回見るよりも、5秒ずつ12回見る方が、脳は「これは重要な情報だ」と認識しやすくなります。
接触回数を増やすことこそが、暗記の王道です。
完璧主義を捨てて、単語帳をパラパラと高速でめくる習慣をつけるだけでも、記憶の定着率は劇的に変わります。

繰り返しが記憶に与える影響
記憶を定着させるには、意図的に「復習」をスケジュールに組み込む必要があります。
例えば、現場でよく使われるのは次のサイクルです。
- 4日:新しい範囲の単語をどんどん進める
- 2日:その週に進んだ範囲をすべて総復習する
- 1日:調整日(または完全な定着確認)
このように「進む日」と「戻る日」を明確に分けることで、忘却を防ぎ、知識を確実なものにしていきます。

20・8・2勉強法やミルクレープ勉強法をどう捉えるか
近年、教育現場やSNSで話題の『20・8・2勉強法』や『ミルクレープ勉強法』といった独自のメソッドも、脳を飽きさせないための優れた工夫です。
- 20・8・2法:20分集中・8分音読・2分休憩でリズムを作る
- ミルクレープ法:昨日の復習に今日の新規分を薄く重ねていく
これらのエッセンスを自分の勉強に取り入れる価値は十分にあります。
大切なのは、「脳が最も働きやすい環境」を自分で整えるという視点を持つことです。
英単語が覚えられないと感じたときに見直したいこと

順調に進んでいた学習が、ある時ふと止まってしまうことがあります。
そんな時に、立ち止まって確認してほしいポイントです。
- 長文で思い出せないなら、単語帳の順番以外でテストする
- 難しすぎると感じたら、プライドを捨ててレベルを下げる
- 迷ったときは新しい本に逃げず、基礎の徹底に立ち返る
覚えたはずの単語を長文で思い出せない理由
単語帳では意味が言えるのに、長文の中では使えない。これは多くの受験生が通る道です。
- 原因:単語帳の「場所」や「順番」で覚えてしまっている
- 対策:単語帳をランダムにテストする、または音声のみで意味を当てる
- 対策:簡単な長文の中で、その単語がどう使われているか確認する
単語帳という「閉じた世界」から、生きた英文という「外の世界」へつなげる橋渡しが必要です。

単語帳を変えるべきか、今の1冊を続けるべきか
もし今の1冊を続けるべきか迷ったら、以下の基準で判断してみてください。
| 状態 | 判断 |
| 難しすぎて半分以上意味が不明 | レベルを下げて基礎からやり直す |
| ただ飽きた、他のも良さそうに見える | 買い替えず、今の1冊を継続する |
| レイアウトや文字サイズが生理的に無理 | 学習の障害になるため変更を検討する |
迷った時は、基礎レベルに戻る。
これが、遠回りのようでいて、最も確実な軌道修正になります。
【Q&A】よくある質問|英単語の勉強法で迷いやすいポイント

受験生の皆さんから特によく寄せられる疑問を整理しました。
英単語は1日何個くらい覚えるのが効率的ですか?
結論:1日50〜100個を目安に「接触」することから始めてください。
- 1つに時間をかけず、クイックに確認する
- 「今日完璧にする」より「今週で何度も会う」意識を持つ
- 慣れてきたら徐々に数を増やし、反復の密度を上げる

英単語はノートに書いて覚えたほうがいいですか?
結論:基本は「見て、声に出して、思い出す」方が時間効率は圧倒的に高いです。
- ノートに書くのは「どうしても覚えられない1割の単語」に絞る
- スペルが重要な中学生や、超基礎段階を除き、書く時間は最小限にする
- 「思い出す(セルフテスト)」回数を増やすことを最優先する

英単語アプリだけで大学受験に対応できますか?
結論:アプリは強力な補助ツールとして活用するのがベストです。
- 隙間時間の活用や、音声でのリスニング対策には最適
- ただし、入試本番の「紙の英文」を読む感覚とは別物
- 紙の単語帳をメインにし、アプリを復習用にするのが最もバランスが良い

英単語は何回くらい繰り返せば定着しますか?
結論:個人差や単語の難易度にもよりますが、一般的に英単語が定着するまでには目安として7回〜10回程度の繰り返しが必要とされています
- 3回程度で覚えられないのは普通のこと
- 「忘れては思い出す」プロセスが記憶を太くする
- 10回を超えたあたりから、無意識に意味が出るようになる
まとめ:大学受験の英単語勉強法|どんな単語を、どこまで、どう進めるかを整理

英単語の学習は、決して暗いトンネルを闇雲に走るような苦行ではありません。
「今の自分に必要な範囲」を定め、「忘れることを前提とした反復」を繰り返す。
このシンプルな原理原則に立ち返れば、道は必ず開けます。
これまで27年間、現場で多くの逆転劇を見てきました。
その共通点は、「特別な才能」に目覚めたことではなく、「やるべきことを整理し、淡々と繰り返した」ことにあります。
焦らなくて大丈夫です。
まずは目の前の1冊を、今日から少しだけ「速く、多く」めくることから始めてみませんか。
その一歩が、数ヶ月後のあなたの英語力を、そして志望校への距離を、劇的に変えていくはずです。
執筆者のプロフィール
【執筆者プロフィール】
予備校オンラインドットコム編集部

予備校オンラインドットコム編集部は、教育業界や学習塾の専門家集団です。27年以上学習塾に携わった経験者、800以上の教室を調査したアナリスト、オンライン学習塾の運営経験者、ファイナンシャルプランナー、受験メンタルトレーナー、進路アドバイザーなど、多彩な専門家で構成されています。高校生・受験生・保護者の方々が抱える塾選びや勉強の悩みを解決するため、専門的な視点から役立つ情報を発信しています。
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